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スタートアップ向けエンジニアのRPO(採用代行)サービスを始めた理由(後篇)

前篇はこちらです。長かったので2つに分けました。

前回は経歴の紹介と採用代行を立ち上げた理由を書きましたが、今回は採用代行を立ち上げての振り返りと、うまく採用代行と付き合いながら採用成功するための要素、みたいなところを書いていきます。

独立後の9ヶ月を振り返ってみて

最初はほんとに少しの売り上げから始まりました。一人で立ち上げ、最悪のケースを想定しつつ毎日ヒリヒリしながら、少しずつ、少しずつ採用貢献の実績を積ませていただきました。本当にお陰様で今は多くの会社様の採用支援をさせていただいています。

少し現状や、やってきたことをお伝えすると

・約30社の採用ご支援(感謝しかありません。)
・お取引先は、スタートアップが7割で、資金調達前後のお客様がほとんど
・エンジニア採用が絡む案件が8割、残り2割はビジネス採用のみのご支援
・Green, Wantedly, BizReach, キャリトレといった主要なダイレクトリクルーティングサービスから、もう少し特化したサービスまで、幅広く運用
・採用ブランディングノウハウを型化

・採用ブランディングノウハウを利用したらこうなった(もちろんもっと高いスカウト返信率のお客様もありますがあくまで改善幅の話です)

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多くの支援をさせていただくなかで気づきをいただき、徐々に型化を進め自社の形が出来てきました。うちは採用代行はフルリモートの形で支援するのですが、何がクライアント各社に強く価値提供出来るのかを日々考え続けた9ヶ月でした。
結果、行き着いた答えは、まあやはり魔法はなく、シンプルではありますが、自分の中では以下に収斂されています。

採用代行として関わる上で気づいた、採用代行とのチームにおいて採用成功に必要なポイント

1,マーケティングを強く意識すること

いや、言葉で書くと、今ではもはや当たり前 of 当たり前なんですけど。でも実践することは以外に厳しかったりして。マーケの基本であるマーケティングのSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)の設計が重要だと改めて感じます。

例えば、セグメンテーションの定義は各所であるかもしれませんが、「ある刺激に対して類似する反応を示す」「到達可能な」「リーチする価値がある一定規模の」顧客群として切り分ける行為のことをここでは指すとして、その切り方ってそもそも意味あるの?(類似反応がある?)どこにいるの?そもそも接触出来るの?(到達できる?)そんな人何人いるの?(セグメント・ターゲッティングではなく、1人指名スカウト?)、みたいな考慮無しに、とりあえず欲しい人を設定してしまうというケースは結構あるなーと感じています。マーケティングは市場との対話でもあるわけので、対話せずに一方的に決めてしまってるわけですね。

また、欲しい人が決まったとして、ではその人に頭/心の中でどう位置づけてもらうのか(STPのPの部分)、つまりはブランディングとなってきますが、それをどう設計するのかは尚更重要だと感じています。ブランディングはロジックと感情の協奏であり、言い換えると候補者への便益とエモさが両輪で訴求されていることが王道ですが、このあたりは書き始めると長くなるのでまた別途記事にしたいと思います。

うちはこの工程に時間を一定程度かけ、70項目のヒヤリングをさせていただき、時には顧客の業界構造、動向を調査し、顧客の事業の解像度を上げて、コミュニケーション設計をするように変えていくことで成果も再現しやすくなりました。

2,データで採用媒体を設計すること

勘と経験だけで媒体選定や要件設定すると、時に誤ります。

人事として経験があるから、過去にその職種を採用したことがあるから、過去にその媒体を使ったことがあるから、色んな噂話を元にHR業界は求人サービスを選定されているし、他社採用代行会社も過去の経験でサービスをオススメしているなーと感じていますが、本当に誤っていると思われる提案や、会社様判断で利用されているケースを時々見かけるので、データで確認するのはマストだと思います。また、単純にバンク内の人数比率だけ見てたり、人数だけで見てたりと、片手落ちの思考/データが結構ネットには落ちているので注意が必要だなと思います。

各媒体に本当にターゲットがいて、そこでやる意味があるのか?データという事実以上に語るものはありません。

3,KPIで算出された行動量を当たり前に追うこと

採用は営業やマーケティングと同じ一定のKPIを追い、確率的に発生していく要素があるため、スカウトに代表されるアクション量はKPIで設計し、当たり前に追うべきだなと感じます。HR業界で時々話に出る、1人と会って1人採用する採用って良いよねという気持ちはめちゃくちゃ分かりますが、突発的にそういう事象が発生することはいわば外れ値と呼ばれる事象であって、そういった奇跡的なことを再現させる魔法はなかなかないですし、100発100中を地球上で継続的に実現し続けている会社の話を少なくとも僕は聞いたことがないので、あくまで成果を出すことを念頭に置くなら、再現性が高い合理的な方法として、しっかりKPIとしての数を追った方が話がはやいと個人的には思います。

4,(採用代行と付き合う上で)スピード感をもって採用に取り組めること

これは採用代行会社とやりとりする上で、とても細かい点ですが、めちゃくちゃ重要でして。業務が忙しいのでアウトソースされている前提ではあるものの、採用代行会社として意思決定出来ない部分をお客様側でスピード感をもって回答をいただくことで運用が非常にスムーズに回ります。逆に細かい意思決定で遅延していくと採用活動全体のスピード感が落ち、KPI追えない→面談数増えない→内定増えないという形になり、分かりやすく成果が出ません。

5,サービスをちゃんとハックすること

あんまり本質じゃないと思われたりするのですが、成果を出す上で細かいハックはめちゃくちゃ重要ですし、堂々と研究するべきだと思います。ある種、今だからこそ通用するものでもあり、現状としてはまだまだ各求人サービスを徹底的に研究して実践する会社が意外なまでに少ないなと思える市場だからです。例えば、マーケターはGoogleのSEO対策でめちゃくちゃSEOを研究してハックしていくわけですが、HR業界はどうでしょうか。おそらくは、今後はどんどん研究する人が出てきて難易度が上がってくると思われますが、今の市場のフェーズだとそこにこだわるだけで成果が出しやすかったりしますので、サービスの裏側の仕組み・構造に詳しいということは、今はとても重要な要素だと感じます。

6,外部だけど社員のようにチームで採用に取り組めること

外部だからといって情報制限されすぎたりあまりにも関与がないと厳しい部分はあります。僕もかなりどのプロジェクトに関わっているので、プロリク経由で外部支援をしている副業の方とクライアントと一緒になってチームで採用を進めていく形になるととてもやりやすいですね。会社のどういう部分が刺さっていて、何が刺さっていないのか、採用競合はどこで、どういう比較のされ方をしているか等、しっかりフィードバックをいただけるとどんどん改善が回しやすくなります。

単に一緒にチームとしてやれたらとても楽しいですし、スカウトするのも気持ちがのってきますよね。

今後やりたいこと

最後に、今後やっていきたいことをまとめたいと思います。

今後はよりマーケティングの経験を、もっと深く採用で活かしていきたいと思っています。今でこそ採用はマーケティングだと多くの方が認識されているように思われますが、よりその流れを強く意識してやりたいと思っています。

とはいえ採用はマーケティングだと言っても人事がマーケを一から学び、またそれを実践し、よくマーケティングを理解する先輩などからフィードバックをもらい気付きを得つつ、実務上のものとして体得していくことは、なかなか既存の人事部の中だけでは難しいものがあると思っています。

今後より一層マーケティングがHRに入り込んでいくだろう中で、自分の中では簡単に以下のようなマーケティングの潮流を踏襲していくだろうと思っています。

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このあたりはまた詳しく記事にしたいと思いますが、急速にツールが拡充されつつあり、採用にマーケを導入した例が少しずつ出始めてる中で、いつどこまでを社内で取り組み、仮説検証回して自社にあった採用マーケを作り出していくか、各社が考えて取り組んでいくフェーズになっていると思いますが、弊社としても採用マーケティングに関わる支援実績を増やし、より深くマーケティングに取り組んでいきたいと思っています。

最後に エンジニア採用にお困りでしたお声がけください

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