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日記

今朝の目覚めは最悪であった。
鼻が詰まって耳の奥までどんより重く、
喉は呼吸をするたびに空気の冷たさを実感する。
昨日の晩まで もう治ると思っていた風邪だが、
寝起きの知覚を占領するほど悪くなっていてうんざりする。
そんな中、愛猫が大きな声で鳴いている。
昨晩、眠たすぎてゲージに入れることなく寝てしまったので、
きっと構ってくれと呼びにきたのだと思い、
まだ寝ていたい気持ちを圧し殺しつつ、
むくりと起き上がって、あたりを見渡した。
いつもならベットの左側か足元の辺りから呼んでくるのだが、いない。
さて、どうしたものか と目線をベットの正面にあるゲージの方へ移すと、しっかりと閉ざされたその中から呼んでいる。
夫がきっとゲージに案内してくれたのだと悟った。

独身時代から飼っているこの猫の名前は、グーという。
今年の6月で9歳になる。
グーは愛称で、本名はグルード。大学時代の恩師が好きなピアニストの名前と、グーを迎える前日に見た映画のガーディアン・オブ・ギャラクシーに出てくるキャラクターの名前をもじってつけた。
家猫だが、誰に媚びることもなく、猫然とした雄猫である。
命を預からせてもらっている以上楽しく生きて欲しいと、なるべく彼の要求に応えてきた。
もちろん彼の要求の中にはなかなか応え難いものもある。その一つが深夜から明け方にかけて構ってほしいと鳴かれることだ。加えて、眠さに負けて構わないでいると家の至る所でおしっこされてしまう。
次の日が仕事だろうが、体調が悪かろうが、妊娠中に胎動で寝れなかろうが何年も対応してきた。
だが、娘が生後5ヶ月くらいの時に娘の夜泣きとグーの対応で全く寝れない日々が続き、精神と肉体の限界がきてしまい、夜の間はゲージに入ってもらう約束にさせてもらった。
不貞腐れて丸なって寝ている姿を見ると申し訳ない気持ちでいっぱいだが、どうかわかってほしいと願っている。

程なくして、寝言で何度か短く泣いていた娘が起きてきた。
同じ頭の向きで寝ていたはずなのに、私の足元の方から頭が上がってきたので驚いた。
もう少し一緒に寝ようと、抱き寄せてお腹の上にのせる。
娘もまだ目が覚めきっていないのか、ウトウトしている様子だったが、
力が抜けてお腹からずり落ちてくる娘をベットに寝かせようとして失敗し、目を覚ませてしまった。
二度寝の夢は叶わぬか、と落ち込みかけたが、私の目をまっすぐ見つめて、にっこり笑う娘の笑顔に勝るものは何もないのだった。
娘の笑い声で夫も起き、私が二度寝したいことを察して、1階へ娘を連れて行ってくれた。
その後、自分が寝たのか寝なかったのか忘れてしまったのだが、
昼くらいにベットから起き上がり、1階へ降りた。
絶不調だったので、風邪薬と葛根湯を合わせて飲んだ。
もう一度でベットに戻りたいくらい何もしたくなかったのだが、夫がパンケーキを作ってくれたので、ありがたくいただいた。
食べているうちに少し元気が出てきたが、まだ体は重たかった。
しかし、今日は食材がなくなってきたので、どうしても買い出しに行かねばならん。
なんとか着替えていつものイオンにやってきた。
ひとしきり必要な買い物をし、後はお会計のみとなった時、娘は夫の腕の中で眠ってしまった。
この時ちょうど15時でお昼寝には最適な時間帯だった。
車に乗せる時に起こしてしまい中途半端に覚醒させてしまうと、夕方から夜にかけて寝てしまう。
そうなると夜遅くまで起きてしまいかねないと、夫には申し訳ないが抱いたまま座ってコーヒーを飲むことにしてもらった。
幸せそうにスヤスヤ眠る娘、夫とする他愛もない会話。
妊娠から今まで怒涛の日々だったが、なんとかここまでこれた、と密やかに充実感を覚えた。
いつか体力のある時にしっかり書きたいが、私たちも他の家庭と同じように子を持つことで夫婦の在り方を調整する必要があった。
互いにしんどい日があったけれど、最近になってようやく、いい向き合い方ができるようになってきた気がする。
それが結晶になって目の前に現れたのがこの時間のように感じたのだった。
たった30分の短い時間であったが、すごく幸せなものであった。

帰ってきて、片付けたり、娘の離乳食を作ったり食べさせたり、
大人もご飯を作って食べて、お風呂に入ったりした。
冷蔵庫の中の、もう食べられないものも全部まとめて綺麗にした。
すごくスッキリした。
ついつい先延ばしにしてしまう、こういう処理。
こまめに処理できる大人になりたい。

眠くなってきたので、推敲もせず、尻すぼみだが
今日はこれで終わりにしようと思う。
本当はこの後、葛根湯の効能と、小夏シロップの話、出産後に上半身を中心に増えた赤い斑点と茶ホクロについて書きたかった。
また次回にでも書こう。


おしまい。

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