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ハゲ萌え系ツンデレラ物語

 昔々、ある王国に『ツンデレラ』という名の美少女がいました。彼女の言葉は鋭く、ちょっとサドデレなところもありましたが、冷たい言葉遣いとは裏腹に、内には熱い萌えを秘めていました。

『もう、私が行ってあげなくても、どうせ舞踏会なんて大して変わらないわよ!』と言い放つ一方で、舞踏会への憧れを心に隠していました。

 一方、その国の王子は『ダンデレ王子』と称され、常に静かで穏やか、誰にでも優しく接する性格ですが、愛する人には熱い情熱を見せるタイプでした。『あなたが幸せなら、それでいいんだ』と静かに微笑む彼の目には、深い情熱が宿っていました。

 ある日、国王が大規模な舞踏会を開催するという話になり、ツンデレラは意地悪な継母と継姉たちに汚れ仕事を強いられました。

『ふん! 舞踏会なんてくだらないわね…でも、ちょっとだけ見てみたいかも♡』と彼女は矛盾した感情を抱きつつ一人ツンデレしていました。

 そこに奇妙な漫才言葉を話す漫才の妖精が現れ、『ほんま難儀なやっちゃなぁ! そないに一人ツンデレしてても誰も見てへんで! そんなもん見とるんは、ワシくらいのもんや。でもな、あんたのそのオモロイ才能を活かして、YouTubeでツンデレ・ツッコミ番組配信したら人気出るんとちゃうか?』と提案し、ツンデレラを鮮やかなカボチャのドレス姿に変えました。

 ドレス姿になったツンデレラは『あ、あんたバっカじゃないの? こんなドレスで笑いが取れたら、誰でもお笑い芸人になれるわよ! オドレは、お笑い芸人をなめてるわね。でも、このドレス意外と、わたしに似合うかも。だ、だからって、勘違いするなよな! べ、別に嬉しいとか思ってないからな!』と言いつつ、舞踏会に行くために道路まで出ました。ところが、この時代には、まだタクシーは無かったので、お城に行く方法が分からなくて困ってしまいました。

 漫才の妖精は『アホなやっちゃな。ここはタクシーやのうて、カボチャの馬車やんけ!』とツッコんでから、魔法の杖でカボチャの馬車を用意しました。

 カボチャの馬車に乗ったツンデレラは、『あんたって最低ね! こんなカボチャの馬車に座って、ドレスがカボチャ臭くなったらどうするの? でも、わたしカボチャ嫌いじゃないし、小豆と一緒に煮たら美味しいかも♡』と喜んで、カボチャの馬車で舞踏会に向かいました。

 舞踏会でダンデレ王子に遭遇したツンデレラは、『な、なんであんたがここにいるのよ!? でも、ちょっとだけなら話してもいいかも…』とデレてから『だ、だからって、私がハゲ萌えなんて勘違いしないでよね!』と、ハゲたダンデレ王子に声をかけました。

 ダンデレ王子は常に側近のメイドから『おかえりなさいませ。王子様♡』とアットホームな秋葉原風に甘やかされていたので、ツンデレ免疫がなく、秒殺でツンデレラに魅了されてしまいました。

『ボクはハゲているけど、城のメイドたちはボクの頭から目を逸らして、食事中は、おいしくな~れ。萌え萌えキュン♡とかいって、誰もハゲって言ってくれないんだ。ボクのことをハゲって言ってくれたのは、キミが初めてだよ』と、初対面のツンデレラに熱く語り掛けました。

 ダンデレ王子の話を聞いたツンデレラは酷く怒って、『ハゲの魅力が分からないなんて、そのメイドたちは最低ね! 俳優だったらユル・ブリンナー、テリー・サバラス、ヴァン・ディーゼル、ブルース・ウィリス、ショーン・コネリーとかも良いけどやっぱり最高にイケてるのは、エド・ハリスかしらね。実業家ならジェフ・ベゾスも悪くないけど、 #プロレスラー ならカート・アングル、ストーン・コールド・スティーブ・オースチン、ゴールドバーグは鉄板だわ。歌手ならスマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン! アニメならやっぱり #ワンパンマン ね! 人造人間18号がクリリンと結婚とか、もう最高…』と、自分がハゲ萌え系ツンデレであることを忘れて、ハゲの魅力について語り続けました。

 ツンデレラの好きなタイプに感動したハゲ・ダンデレ王子は、『ウィリアム王子も素敵だよね。ボクもあんな感じのハゲ王子になりたいんだ』と、本音トークをしましたが、ツンデレラは『はぁ? ウィリアム!? あれは私の好みとは違うわよ! だって全然渋くないじゃない! でも、あんたなら好きになっても良いかも♡』と告白しました。

つづくかも…?

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