あ

「人の可能性を伸ばす本物の教育を」 福岡中小企業経営者協会 常務理事 ”古賀正博”さん


「そもそも人が生きるとは何か」「本当の豊かさとは何か」というそもそも論を本気で考える人づくりをしていらっしゃる古賀正博さん。そこに至るまでの、古賀さんの背景、気付き、情熱を伺いました。


プロフィール
出身地:福岡県
活動地域:福岡県
経歴:大手電機メーカーの人事職として管理職を任される。会社に勤務する傍ら、九州大学大学院で経営修士MBA取得、最終論文賞を受賞。
その後、「もっと地域全体に対してお役立ちしたい」と、約20年間勤めた会社から独立を決意。現在に至る。
現在の職業および活動:福岡中小企業経営者協会の常務理事に就任。大学生向けのキャリアスクーププロジェクトやリベラルアーツプログラム等、人づくりに関する様々なプロジェクトを手掛ける。


「そもそも論」を考えられる社会へ

Q1.現在、どのような夢やビジョンをお持ちですか?

古賀正博さん(以下、古賀):長年人事をしてきました。人と向かい合うことばかりをやってきましたし、それが自分の真ん中、コアだなと思っています。
なので、私はその人材育成ということに、今後も関わっていきたいです。

要は、様々な社会課題を自分の中に抱きながら、そこにメスを入れるべく、人に向かった仕事をやろう、やり続けようと思っています。

これだけ複雑な時代になっているので、もっとそれぞれの人が、「この世の中がどのように成り立っているのか」というそもそも論をきちんと考えれる社会にしたいと考えています。

そう考えると若い頃からの教育のあり方が関わってきます。
ただ、今の教育のあり方は、すごく乱暴な言い方をすると、中学校から受験、偏差値ランキングに引っ張られすぎていて、それが高校、大学、社会に出る時にも縦にランキング意識があるように感じ、選択の基準になっています。
この辺りに課題意識があります。

なので、「どう生きたいから、何をしたいからここに行く」と言うように自分達の人生選択を価値観ベースで出来るようになったら良いと考えていて、それを私の今のミッションにして、私なりに仕掛けてやっています。

もっと世の中のことに触れて、「あんな大人になりたい」「むしろ早く大人になりたい」「やりたいことがある」だから、今は勉強してと言った動機付けに成功している状態が理想だと思います。

計画書よりも、実行することが大事

Q2.そのことを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

古賀:綺麗なステップや、あまり緻密な計画は取っていません。とにかく幾つもやっています。

私は元々は大手企業の管理スタッフなので、緻密な資料を作ること自体には慣れてはいます。
ですが、なぜあまり緻密な設計を書かないことにしているのかというのは、見事な計画書を作ることよりも、実行することの方が大事なので、ちょっと 目が粗い状態でもやってみる、やりながら修正していくという基本スタンスに変えています。それは、緻密な計画書がない言い訳にも聞こえるんですけども 笑
実際に実行することに100%近いエネルギーを注げるように、このスタンスでやっています。

価値観をベースにした就活に変えていく

Q3.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような(基本)活動をしていますか?

古賀:先ほど述べたように、偏差値の感覚が残っていながら就職、進路を選ぶのが問題だと考えています。それを価値観をベースにした就活に変えていくための一つの打ち手として始めたのが、「キャリアスクーププロジェクト」というものです。

具体的に何をするのかというと、約3ヶ月間、色々な大学生さんに集まってもらって、地元・地場の企業の魅力や経営者の生き様などを取材してくるという企画です。このことを通じて、学生が経営者に出会うので、お互いに価値観のすり合わせができます。
その途中途中で我々が社会人基礎力が学べるように、集合研修をやりながら進めるということをやっています。
お陰さまで開始から7年経過していて、大学も最近認めてくれていて、学校によっては、単位認定してくれるところも出始めています。

もう一つは、リベラルアーツプログラムという教育をやっています。
私がボランティアでやっている塾、勉強会です。1年間かけてやっていて、今3期目です。
学校はバラバラですね、学年もバラバラです。学部も当然バラバラです。毎年30人くらいを受け入れています。
受講生には優秀な学生達が多いので、将来は色々な企業で重要ポストにつくと思うんですね。そんな子達ほど「そもそも人が生きるとは何か」ということに触れておかないといけないという想いが強くあるので、想いを込めてやっています。

「世の中の全体の仕組みが一体何なのか」

Q4.現在の活動につながった背景には、どんな気付きや出会い、ご自身の変化があったのでしょうか?

大手電機メーカーに20年位勤めました。どちらかと言うと、辛い思い出ですけども、色んな景気変動の波に会社もありまして、いわゆるリーマンショックあたりで、人事を担当していたのでリストラを推進する側に回ってしまったんですね。

相当私個人としても葛藤しながらでしたが、大きな大きな会社全体の船が沈むかもしれないという危機的な状態の中だったので、社内でやるべきことというところで遂行しました。

あの時の外科治療として、企業としてやらざるを得なかったのですが、もっと大きく社会で見た時に、「どこか社会構造が、このままではよくないのではないか」という思いが芽生えました。
外科手術で、止血作業なので、血が大量に流れているので、何かしないと本当に全体が死亡するという状態だったので、「世の中の全体の仕組みが一体何なのか」というところを本気で考え始めるキッカケになりました。

自分個人の価値観で世の中と向かい合う

Q5.その気付きや出会いの背景には、何がありましたか?

私自身、元々はそういった「そもそも論」を考えられてはいませんでした。
大企業で働いていた時は、日々のオペレーションに追われていて、そのスピード感と忙しさの中では考えられておらず、その仕事を「そもそも何のためにやっているのか?」という議論をする隙間もありませんでした。

リストラという特別な任務を与えられて本当に苦しく、一つ一つの仕事が悩ましかったんです。
なので、「何のために生きているのか」「幸せとは何か」とかいうことを自問自答しましたし、チームで何度も語り合いました。「誰の、何のために、幸せのために」動いているのかということをずっと自問自答していました。

そういうことの中で、社会構造や世の中のそもそも論に目が向いていきましたし、「組織の力学ではなくて、自分個人の価値観で、世の中と向かい合ってみるべきだ」というところに変換されて行きました。

団体の運営の責任者になりましたが、私流の事業を今、やってる訳ですよね。
リストラを遂行するということは、厳しい、辛い経験でしたが、今現在の相当なエネルギー源になっています。葛藤からきたことが、大きな原動力になっています。

記者:奥が深すぎてすごく泣きそうになりましたし、世の中にこんな活動をしている人がいることに感動しました!これだけ本気で子供達の未来ことを考え、教育という目に見えないものを形にしていくは本当に骨が折れる作業だと思います。人間が一番考えるべきことに向き合わせてくれる、そんな教育を創られている人がいることに希望を感じました。

本日は貴重なお話、ありがとうございました!

---------------------------------------------------------------------------------------

古賀さんの活動、連絡についてはこちらから↓↓
●公式ホームページ:
http://www.chukeikyo.com/fukuoka/
●Facebook:
https://m.facebook.com/masahiro.koga.35
●CREREA(クレリア)福岡の新卒・転職・求人情報:
http://www.crerea.jp/sp/?fbclid=IwAR3IrdfAqHMB8bprWT_4hxEU3xoe6Rd_vhShLRUdRaieQKrmFosgbNl6Q8Y
●LAP(リベラルアーツプログラム):
https://www.facebook.com/Liberal-Arts-Program-for-Next-LeadersLap人間を考える学び舎-1026368270790644/


【編集後記】
インタビューの記者を担当した北川&岡山です。

ご自身の経験、世の中を見てきた見解を活かし、様々なプロジェクトを手掛けたり、実際に教育システムを構築するなどの現実を創る実践行動、想いにとても感動しました。勇気と決断、そして優しさと情熱を持たれている古賀さん。本当に素敵な方でした!

今後の更なるご活躍を楽しみにしています。

---------------------------------------------------------------------------------------

この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?