véhicule

画像1 貴女が運転するなんて想像できない。その白い細い指でステアリングを握り、無骨な物質を軋ませる姿を。そう言う貴方を通り過ぎる。ルーフの錆が指につく。私もこれが動くとは思えない。古びた鍵がエンジンに火を点ける。もうこの身体とこの車しか残っていない。皺に覆われた足がアクセルを踏み込んだ。