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赤ん坊の体験が創る未来――両親が教えてくれた楽しみ

家族を振り返るシリーズ。家族が教えてくれた、人生の楽しみがある。赤ん坊の頃から好きなことを今でも楽しんでいる。あの頃、体験したことが、今の私を作っているし、また子どもたちの未来を創っていく。家族と一緒に楽しんできたことを大人になっても楽しめる幸せ、楽しみの中で気付いた私が大切にしたいこと。あなたがずっと好きなこと、大切にしたいことは何ですか。

大切な人との食事で味わう美味しさ

だいたい何を食べても美味しい。食べることが大好き。何でも美味しくいただける。それは家族が一緒に、食事を楽しんでくれたからだ。父は仕事が忙しかったが、私が赤ん坊の頃はお風呂に間に合うように帰ってきてくれた。母はずっと料理してくれた。善し悪しはあるだろうが、母が現役の頃、私はほとんど台所に立つことがなかった。私が料理を覚えたのは、大人になって、自分の子どもが生まれてからだ。

私も食物アレルギーや好き嫌いはあった(新タケノコや新そばは幼少期に湿疹が出たし、子どもの頃はナスが苦手だった)。でも「一口は食べなさい」と促されることはあっても、無理強いされることはなかった。食事にいい思い出があるのは、家族が楽しい食事時間を作ってくれたからだろう。

離乳食が始まった頃。アルバムのメモには「なんでもパクパク」と

生きるために食べる。そのこと以上に、食事は大切な人と食べるから美味しい。単純に栄養を補給するだけじゃない。精神的に満たされる食事時間を、なるべく多くの人が取れたら、と思う。一人ぼっちじゃなく、誰かと「美味しいね」と言い合いながら食べる時間を大切にしたい。もちろん、いつも誰かがそばにいるとは限らない。でも、1人の人がいたら「一緒に食べない?」と声を掛けられる私でいたい。そう思えるのは、両親のお陰だ。

沁み込むように音楽に親しむ機会を

小さなころ、音楽が好きな父は、たくさんの名曲を私に聴かせてくれた。モーツァルト、ベートーヴェン、バッハ、ビートルズ。母が好きだったのはカーペンターズ、ユーミン・・・。そこにはクラシックもポップスも壁はない。父はあまりに音楽が好きすぎて、弟にクラシックにちなんだ名前を付けて、夫婦喧嘩になったほどだ。(詳細はまた弟を振り返るときに触れたい)

私の音楽好きはまさに赤ちゃんの頃から、両親が育んでくれた。その後、何年も、ピアノ教室に通う機会を作ってもらえたことも、とても恵まれた環境だった。ほんの赤ん坊の頃から、心身に沁み込むように、良質な音楽を聴かせてくれたことが、私の中の心の栄養になっている。

大好きな音楽を聴いて踊り出さずにいられない。無邪気さが健気

一方で、私はわが子には自分が与えてもらったような環境を十分に与えられているとは言えない。でも次男は生来の音感を活かして、好きなゲームやアニメの音楽を耳コピしようとしている。もちろん、彼はピアノの基礎も全く習っていないから、そのスキルは粗削り。ただわが子ながらすごいなと感心する。長男は流行りの曲を教えてくれるし、三男も歌うのが上手。家族みんな、カラオケが大好きだ。正統派で習っていなくてもまったく縁がないというわけではなく、ゲーム音楽のクラシックコンサートに行ったこともある。

そういえば、わが子には、赤ちゃんの頃、よく童謡や自作のこもり歌を歌っていた。音楽の基礎的には理想の学びがあるかもしれない。でも別にクラシックを習うことだけが音楽好きの道じゃない。アニメでも、ポップスでも、どんなジャンルでもいい。自分の子たちにも、大人になっても音楽を好きでいてもらえたら嬉しい。

寂しいとき。きゅんと胸が苦しいとき。嬉しいとき。愛するとき。悲しいとき。あるいは人生の歓びと共に。音楽は人生を支えてくれることがある。歌うこと、リズムに身体を揺らすこと、音楽が、主役じゃなくて脇役でいい。これからも家族と一緒に、音楽を楽しんでいきたい。

のびのびと外遊びして育った冒険心

外が好き。家にいて、家事をしたり下手の横好きで縫い物や編み物をしたりするのも好きだけど、外に出かけることはワクワクが膨らむ。家にいるだけでは得られない刺激がある。元来、外交的な性格なんだなと自負している。

このお出かけ好きは、両親がよく公園やお出かけに連れて行ってくれたからだろう。写真には外に出かける私がたくさん収められていた。

ウサギの遊具に母とまたがって。マンションすぐそばの緑地公園で

外にいるのがよくて家にいるのがダメではない。でも外に行くことを恐れず、楽しめるようになったことはよかった。もちろん、欲を言えば家を整えることをもっとできたらいいけど、家でじっとしていられない質とも言える。幼いころからのびのびと外遊びさせてもらったことで、今では年に数回、自然の中で過ごすことも英気を養うために大切なひとときだ。

若かりし頃の父と蓼科の森の中で

夫は私以上に自然で遊ぶのが大好きで、彼に比べたら、私はただ外にいるだけだと気づいたのは結婚してからだ。その詳細もまた夫との関係を振り返る中で触れていけたらと思うが、家にいたくない者同士が結婚してしまったから、家にいたい子どもたちもすぐ外に連れ出されてしまうのはしょうがない。それも子どもの成長と共に、家時間も徐々に充実しているかもしれない。

私が好きなこと、私が大切にしたいこと。もちろん、私自身が成長する中でたくさんの刺激を得て、気づき、学んだこともたくさんある。ただ、赤ん坊の頃に与えられた影響は大きい。だから、さまざまな制限があったとしても、親が惜しみなく子に与えたい環境をできる限り与えられるような社会にしていきたい。子が親になる未来を思い描いて。そんな社会を渡したい。

2022年12月17日(土)9:45~、市川市の全日警ホールで、ドキュメンタリー映画『うまれる』を観て、家族について語る会で、また皆さんのお話もぜひ聞かせてください。赤ん坊の頃にしてたこと、好きだったこと、今も大切にしたいこと。話したり、聞いたりしましょう。

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