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つわりは、出口の見えないトンネルのよう

 妊娠が分かると同時に、ゆっくりとやってくる「つわり」。
つわりがあったら、しんどい。でも、つわりが無かったら、無かったで、「お腹の赤ちゃんは元気なのかな?」と心配にもなる。
 
 「多くは妊娠16週でおさまる」とネットなどには書いてあるけれど、とても個人差が大きく、「一体自分は、いつ終わるのだろうか?」と不安になる。

 「先の見通しがつかない」ということが、これほどまでに、人を不安にさせるものなのか。そんな、「出口の見えないトンネル」のような「つわり」への対処方法を3つ、まとめてみました。

1.「つわり」には無駄な抵抗はしない、が勝ち


 一言で「つわり」といっても、その症状は様々。そして、つわりの時期も人それぞれです。
 以下のような症状がよくあげられます。

・吐き気、胃や胸のむかつき
・匂いに敏感になる
・眠気、イライラ、頭痛
・よだれがたくさん出る
・ある特定のものが食べたくなる、好き嫌いの変化  など

 

 つわりは、ホルモンバランスの変化、体質や生活環境、ストレスなどが関係していると言われています。でも、原因ははっきり分かっていません。
 原因がはっきりしない、ということは、「こうしたら確実に良くなる」という対処方法がない、ということです。
 つわりの症状がきついほど、「なぜ?」「何が原因なの?」「対処方法はないの?」と頭を使って考えがちです。ですが、「なぜだか分からないけれど、赤ちゃんを育むために、体にとって必要だから、つわりが起こっている」と思って、ゆったり構えている人の方が、案外早く治まる気がしています。
 つわりは、赤ちゃんを育てるための大切な仕組みであり、ママと赤ちゃんの味方なのです。

2.つわりからのメッセージを読み取る


 私が、妊娠する前の生活を振り返ってみると、

・助産師として病院勤務。夜勤があり昼夜を問わず仕事をしていた。
・食事をつくる暇がなく、いつもコンビニ弁当。
・とても緊張感のある職場で、常にストレスを抱えていた。
・寝不足と目の使いすぎで頭痛が頻発していたので、頭痛薬を常用していた
・常にせかせかと動いていた。

というような生活をしていました。
そんな私が妊娠して、つわりが起きてこんな変化がありました。

・眠たくてどうしようもなく、夜勤ができなくなった。
・コンビニ弁当の匂いが嫌になった。
・頭痛が酷くなり、仕事を休まざるを得なくなった。
・炊きたてのご飯と、果物が食べたくなった。

 「仕方がないことだから」と頑張ったり我慢したりしていたことが、ことごとく出来なくなりました。正確に言うと、「つわりのおかげで、(強制的に)やらなくても良くなった」のです。

 大人になるにしたがって「体や心の感覚に素直に従うこと」よりも、「頑張ること」「我慢して努力をすること」が当たり前になりがちです。そんな頑張り屋さんの肩の力を抜くために、「つわり」が起こるのかな、と感じています。
 これから始まる育児では、「我慢して努力すること」では乗り越えられないことが沢山あります。肩の力を抜いて、人に頼ったり、体からのメッセージに従って直感で行動したりすることが、どうしても必要になってきます。妊娠中から、その練習の機会を与えてもらっているのかもしれませんね。

3.辛い症状ではなく、「心地よい瞬間」に気持ちを向ける


 24時間ずっと吐き気や眠気が続いていると、前向きな気持ちにもなれないかもしれません。つわりの症状は24時間エンドレスで続いているような気持ちになりますが、よくよく注意してみると、1日のうち、少し調子の良い時間帯や、ふっと吐き気が軽くなる瞬間が必ずあります。

 そんな時がチャンスです。「あっ、今は、普段よりちょっと調子が良いかも」と「気がつく」ことから始めてみてください。そのうちに、「どんな瞬間が心地よいのか」「どの時間帯だと調子が良いのか」「自分はどうすれば心が少しラクになるのか」が何となくわかるようになります。

 それを続けていくと、どんどん、自分自身の状態や変化をキャッチするアンテナの感度が高まっていきます。勘が鋭くなってきます。感覚が研ぎ澄まされてきます。

 それは、小さな違和感を感じ取る力を育んでくれます。また、「どうすれば、自分が快適に過ごせるか」を教えてくれます。

 妊娠中に、感覚が研ぎ澄まされれば、お産の時にも「自分はどうしたいのか」に敏感に反応して、行動に移すことが可能です。お産後に、「どうすれば早く回復できるか」を知ることもできます。何より、言葉を話さず泣くしかできない赤ちゃんが、何を伝えようとしているのか、敏感に受け止めることが出来るようになります。

 つわりは、ママと赤ちゃんを苦しめるために存在するのではなく、やっぱり、ママと赤ちゃんの味方なのですね。

4.そうはいっても、辛いものはつらい

 頭ではどんなに理解したつもりでも、辛いものはつらいんです。そんな時には、「あぁ~、どうしたって、しんどいよ~」と、そのしんどさを味わうしかないのかな、と、私自身、つわり中に思っていました。
 どうぞ、体と心と、お腹の赤ちゃんからのメッセージに耳を傾け、少しでも心地よいことをご自身にプレゼントしてあげてくださいね。


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