環境安全科学その4 ポトゾル化とラトソル化

今回は土壌に関することをやった。実は、高校時代に地理で、ポトゾルとラトソルはやったけど、その詳細については知らなかった。

今回のレポートでは、ポトゾル化ならぶにラテライト化という農業における土壌汚染に関することを述べたいと思う。

(1)世界の土壌
世界には、様々な土壌がある。肥沃な土としてチェルノーゼム(чернозём、ロシア語で黒い土という意味)、プレーリー(Preirie)土、テラローシャ(Terra roxa、ポルトガル語で赤紫色の土)、テラロッサ(Terra rossa、イタリア語で赤い土)が挙げられる。一方で、肥沃ではない土の中に、ラテライト(Laterite)やツンドラ土、そして、ポドゾル(Podsol)が挙げられる。

(2)ポトゾル
(2-1)ポトゾルとは?
 ポトゾルとは、ロシアのシベリア地方のタイガや日本の北海道などに特徴的に見られる白色の成帯土壌である。この土壌は水溶液中では酸性を示す。栄養素がほとんどなく、耕作には不向きな土地だと言われている。
土壌の表面は、腐植が混じっている。その下に、侵透し水に酸性物質が溶解したことにより、漂白された土壌、その下に、鉄や腐植のまじりあった赤灰色の層がある。

(2-2)ポトゾル形成のメカニズム
ポトゾルが形成される原因は、以下のとおりである。

まず、ポトゾルの分布は先述のようにロシアなど亜寒帯に属する地域に分布しており、低温の状態にさらされる。低温であるため、微生物が葉などの分解を思うように進めることができない。正確には、常温(0℃)でも葉などを分解することができる嫌気性細菌であれば分解をすることができるが、40℃もしくは60℃が分解するための適温とされる好気性細菌は亜寒帯(-3℃~10℃)では分解を効率よく行なうことができない。

その結果、二酸化炭素の代わりに、酸性の物質が排出されることになる。酸性物質を含む水分のほとんどが上方から下方へ移動するため、腐植や鉄、アルミニウムなどの化学成分が溶脱される。

特に、森林植生下では、主に地表面における腐朽枝葉の腐植化が盛んであり、とりわけ、寒冷なタイガ地方では、腐食の結果、フルボ酸が生成するといわれている。フルボ酸とは、強酸性かつ水に対し易溶性という性質を持ち、以下の図1のような構造をしている。

画像1

           図1 フルボ酸の構造式

強酸性のフルボ酸による漂白作用により、土壌の土が赤灰色になり、ポトゾル化を促す原因になるのではないかといわれている。

(3)ラテライト(ラトソル)
(3-1)ラテライト(ラトソル)とは?
ラテライト(もしくはラトソル)とは、成帯土壌の湿潤土壌に分類される土壌で、酸性の赤みがかった土壌(紅土)である。なお、語源はラテン語の煉瓦(Later)である。ラテライトが分布しているのは、サバナや熱帯雨林である。

(3-2)ラテライトのメカニズム
ラテライトが生成されるメカニズムとして以下のことが挙げられる。土壌中には、鉄やアルミニウムなどの金属元素が存在する。雨季に有機物を微生物に枯れた植物が分解される。しかし、雨が激しいため、有用な有機物や珪酸物や塩基類が溶脱する。その結果、残存した鉄やアルミニウムなどの金属元素は以下の①~②式のような雨(水)との反応により、水酸化物となる。

式

赤色のAl(OH)3とFe(OH)3が表面に集積して形成されるため、赤みがかった土になるといわれており、①~②式の反応の時に水素イオンが発生するため酸性を示す土壌になる。

(3-3)ラテライトの対策法としての焼畑農業
ラテライトの土壌における農業の問題としては、二点考えられる。一点目は、水素イオンが生じていること、二点目は、農業に有用な有機物が雨によって流れることに問題がある。そこで、この二つを同時に解決する方法が必要となるが、最も低コストな方法が焼畑農業である。焼畑農業とは、ある土地に現存している植物を伐採かつ焼却し、作物栽培を短期間行なった後、放棄し、自然の遷移によって、その土地が一次遷移を完了させる休閑期間(約50年といわれている)へと再度利用する循環的な農耕のことを指す。

この結果、植物から生じた灰により、ラトソルにより生じた水素イオンを中和することができ、かつ、含まれる窒素により、土壌が改良されるといわれている。植物灰の主成分は炭酸ナトリウム(Na2CO3)と炭酸カリウム(K2CO3)であり、水溶した結果、いずれも、水酸化イオンが生じると考えられる。また、植物内の窒素も、亜硝酸イオン(NO2-)や硝酸イオン(NO3-)やアンモニウムイオン(NH4+)として、地中に残るのではないかと考えられる。そのため、ラテライトにより生じる問題を解決することができる。

(3-4)焼畑農業の大きな問題点
しかし、近年(といっても既に30年以上前から起きていることではあるが)、アフリカを始めとする発展途上国の国々で、日本など先進国へ対する材木の供給が盛んに行われる中、焼畑農業で用いることができる森林が限られるようになったため、クライマックスな森林への遷移が不十分なまま焼畑が行われるという現状にある。その結果、森林が十分に回復できず、一部は砂漠化している。

現状打破のためには、植林をしつつ、焼畑農業を行なえるエリアを植生的並びに国策的に拡大することなどが考えられる。

それにしても、農作物への土壌の影響って、あまり考える機会が多くないのと、化学的にどういう反応なんだろう?と今でもたまに調べていたりする・・・。

にしても、ワードで作った時は、下付き文字や上付き文字が楽にできたけど、noteの場合は果してどうしたものか・・・。

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