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生成AI界隈の『先行者利益』について思うこと:選ぶ素養がこれからの必須スキル

『Microsoft 365 Copilot』のリリースも間近に迫り、いろいろと気になっています。


チャットGPTを知ったきっかけとD1C参加

私は今年の2月頃、クラブハウスでチャットGPTのことを初めて知りました。
知れば知るほど、生成AIの性能そのものより、自分も含めて騒いでいる人間のほうに疑問と不安、いらだちを感じました。
それも、ビジネス・ブレークスルー大学さんのデジタルファーストキャンプ(D1C)に参加した動機でした。

7月末にD1Cのことを知り、第4期は9月開講、その次の開講は来年1月かと思ったときに、
ずっとイライラモヤモヤしていたこの違和感に対して自分の中で考えを整理するための知識を身につけるのは早いほうが良いが、学費をどうしようかと迷いました。

地方在住でリスキリングの選択肢を見つけられなかった

迷う理由が金銭面と人の目の2つだけ、最悪の場合でも失うものはお金だけ、
というかBBTさんは普通の大学なので、蓋を開けたらカリキュラム自体がゴミだったというパターンは多分ないだろう、
地元のポリテク等が提供するリスキリングでこの分野を学べる選択肢もなさそう(職業訓練でプログラミングを学びたかったが生成AIの時代に合ったカリキュラムの講義がないと思った)だしと整理できたタイミングで、
事務局横山さんから「一番戻って来ないのは時間」というお言葉をいただき参加を決めましたが、結果として正解でした。

私立大学の学費だと捉えても相場だと思うのと、スタッフさんの人数や運営、内容に対して妥当な感覚がすごくあります。
当たり前ですが、講義もまともです。
受験もなく、お金さえ払えば参加できますし、学費の4割が支給される特定一般教育訓練給付金の制度も利用できます。

自分自身がついていけるか不安だったり、時間をつくれない場合、身内にリスキリングさせても良いと思います(社員研修で来ている方が結構いらっしゃいます)。

AIバブルでバグった社会、私が最初におすすめしたいこと

今後もなんとなくすごいことがどんどん出てくると考えたとき、この分野の情報を追って、判断、取捨選択を自社のためにしてくれる人材を先に内部に置くほうが多分経済的です。

今はどんなツールもそれほど難しくないため、AIについて自社のための判断ができる人であれば、自社のためにある程度のことまではできるはずです。
普段は自社のことをやってもらって、新しいことが出てきたらその人に情報を集めてもらったり、外部の人とのやり取りに立ち会わせると良いと思います。

例えば数十万円単位の講座(伴走を含むコンサルや請負ではなく)で、判断する素地がない可能性が高い見込み客に対して満足度を提供価値のメインに持ってくる講師や、先行者利益ばかり食い散らかす講師は、個人的にはそういうところでしか通用しないのだと思っています。

実用系高額商材、しかもまだ発展途上のものの値付けの根拠にこういうことを持ち出す人、正直やばいと思う。
売る人と買う人がいるから成立するのだと、売る側が臆面もなく言えてしまう感覚は、私は嫌だと言いたいし、そこにいる自分が何より嫌だ。
そして、そういう場から去る準備を早く済ませたい。

生成AIについて言えば、パソコンやスマホを使うくらいに皆ができる現実的な活用法について、数十万円単位の価値があるような体系化を個人レベルでできている人なんて、今の段階でそもそもいるのかと感じます。

よく知られていない、苦手意識を持つ人が多い、パッと見がすごいが揃っていると、知らない人は比べられないから。
買うほうが勉強するのではなく、私は基本的には売るほうの問題だと思う。

33万円(特定一般教育訓練給付金を使えば18万円)が安すぎると金銭感覚がバグる程度には、謎のセミナーやオンラインサロンを身近に見ています。
それだけホットでやったもん勝ちになってしまっている分野なのだと思います(自身はお金を出したことがないですが)。

当然すべてがおかしいわけではないし、ピンポイントの目的があってその講師が良い等の場合もあると思いますが、
大手企業や商工会のセミナーなり、大学が提供する無料の市民講座とかe-Learningなり、確実なところで最初にザッと知るのも良いと思う。

なんかすごいけど、自社の仕事に必要か。
みんなが騒いでいることはどこまでもっともか。
それぞれのAIが何に使えて苦手なことは何か。

SNSには魅力的な広告が多すぎますが、個別の話を聞くのはその後でも遅くないと思います。
どれも安くはないし、なんでもできるものでもないです。

「中小企業のための『生成AI』活用入門ガイド」

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以下、今年4月に自身が『ALIS』というプラットフォームで書いたブログ記事の転載になります。
あらためて読み返すと半年で、世の中も生成AI自体も、私の理解もすでにかなり変わった感覚があります。


いろいろ頭に来ています。

過去記事:ChatGPTでブログ記事のSEO対策をするリスク・デメリットは何?(2023.4月のALIS記事から転載)

ChatGPTとは何か

OpenAI社の『GPT-3.5(Generative Pretrained Transformerの略)』をベースに開発された、対話型のチャットボット。

2022年11月のプロトタイプ版リリース後2ヶ月でユーザー数は1億人を突破。

爆発的な人気やその高すぎる性能で話題になるとともに、使用禁止にする国も出てくるなど、物議をかもしている。

ChatGPTでSEOに強い記事が書ける?

正直だな。

アフィリエイターが下請けに記事の執筆代行を依頼するとき、下請けのライターはネット上の情報をかき集めて、リライトによりコピペ率を減らしながら記事を作るのが一般的だ。

SEO対策をするときも、Google検索にキーワードを入れて、記事に盛り込む言葉を決める。

ということは、ネット上のテキストデータをかき集めて妥当な回答を作り出すChatGPTは、下請けライターの仕事を丸ごと奪ってしまうのではないか。

それも、現在ネット上で評価されている記事を参照して生成されたChatGPTの回答をベースに作成されたブログ記事が増えるほど、GoogleアドセンスはChatGPTに乗っ取られることになるのでは。

実際にクラウドワークスを見ていると、ChatGPTによる記事作成の案件が、すでにたくさんある。

この記事では、ChatGPTでSEO記事を作成するデメリットについて考察してみる。

ちょっと可愛い…!

ChatGPTで書いた文章はバレる?

キータを見ていると、エンジニア系のブロガーの記事では『繰り返しChatGPTを使っているとどんな答えが返ってくるのかだんだん予想がつくようになる』という声が散見される。

OpenAIがChatGPTで作った文章を判定するツールをすでに作っている。現段階ではその判定の精度は低いが、精度が向上するのは時間の問題だろう。

ChatGPTでSEO対策するデメリット

Googleアドセンスは、ChatGPT執筆の記事を排除するように、いずれアルゴリズムを改変するのではないだろうか。

ChatGPTで機械的に作られた、不確実性の高い記事がネット上に飽和すれば、良い情報を的確にサジェストするために改変を繰り返すGoogleアドセンスの理念と真逆の記事が、Google検索の上位を支配することになるからだ。

現在のアルゴリズムをChatGPTで一時的に攻略しても、ある日突然ブログがGoogleから排除されて資産価値がなくなるおそれがあるなら、地道に良質な記事を書き続けていくほうが、結局は良いのではないか。

短期間でブログを育てて転売するなら、良いのかもしれないが。

筆者が思うChatGPTのデメリット

1. 問いに関する情報がネット上にない場合、良い返答が得られないこと

チャットGPTはネット上に散らばる過去のテキストデータの集合体と、ChatGPTのユーザーから得た情報から学習している。

なので、その分野の専門知識がネット上に公開されていない場合、また、その分野の専門家自体が社会にまだ少ない場合、不確実性が高い回答になる可能性が高い。

※特に今の段階では、面白がってChatGPTに適当な情報を与えている方も多いのではないだろうか(私もそうです)。

2. 過去のデータを参照して返事をしていること

チャットGPTの回答は過去に投稿されたネットのテキストデータをかき集めて生成されるため、最新情報が反映されていない可能性がある。

1.にも関連するが、問いが新しいテーマのものであるほど、情報量が少なく、かつ、情報の質も担保されづらいと考えられる。

3. 誤った情報・偏った情報から学習して答えているおそれがある

言うまでもなくネット上のテキストデータには、真偽のほどが怪しい情報、偏った情報かたくさん含まれる。

4. 短文や長文、また、脈絡に乏しい文章の理解が苦手。

自然言語処理系のAI全般に言えることだが、ChatGPTは短すぎる、また、長すぎる文章の文脈を理解することが苦手。

また、脈絡に乏しい文章(例えば雑談のような)の理解も苦手。

信頼度が高い情報が悪文で表現されている可能性は多分にある。

問いを立てる側にとっても、質問文作成のテクニックが必要とされる。

まとめ:ChatGPTでSEO対策する最大のデメリット

ChatGPTによるブログ記事作成、SEO攻略が話題になっている。

しかし、いずれGoogleアドセンスはChatGPTが執筆した記事を排除する方向へアルゴリズムを改変するのではないか。

エンジニアたちの目をごまかせなくなってきている上に、まだ精度は低いものの、OpenAIはChatGPTで作った文章を判定するツールを既に作っている。

Googleアドセンスにある日突然排除されるリスクが、ChatGPTでブログ記事を作成する最大のデメリットだと思う。

(2023.4、ALISに投稿した記事を転載)

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