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経営者として培った方法論や自負を一旦脇に置いて考えてみる(前編)

写真左は産総研デザインスクール校長 小島一浩 右が株式会社ディープビジョン研究所 代表取締役 江上隆夫さん

産総研デザインスクールの修了生・現役生の活躍を紹介するnoteマガジン「AISTDSアンバサダー」。今回は産総研デザインスクール校長・小島がデザインスクール4期生(2021年度)の江上隆夫さんとガチンコ対談を果たし、受講を通しての気づきやご自身の変化について伺いました。

産総研デザインスクールは、オンラインの最高峰かもしれない

小島一浩(以下、小島):今回は卒業生が当時仕事とどうやって両立してきたか、卒業後どのように活かしているかなど、これから受講を考えている方にイメージをしてもらいたく、江上さんには経営者の視点でお聞きしたいと思っています。

江上隆夫さん(以下、江上さん):僕、ちょっと特殊かもしれないです。
小島:はい。みんな会社員として来ている人が多いので、そこの判断ってできないので、経営者視点を経営層に伝えたいというのは主な趣旨になっています。
江上さん:わかりました。
小島:まずはデザインスクールに参加しようと思った理由は何でしょうか?
江上さん:理由は複数あって、もともとデザイン思考というのは当然知っていましたし、身につけたいと思っていて本を読んだり、セミナーに参加したりとかはしていたのです。ただ連続した塊で学んだことがなかったので、そういう場がないかなと思っていました。また当時鷲田先生がやっていた「未来洞察」っていうのを自分の仕事でのプログラムに取り入れたくて調べていました。これを習えるところがないかなと検索していたら「産総研」がヒットして、ここで学べるのだなと思いました。そして偶然にも鷲田先生にインタビューをする仕事が入ったのです。

小島:なんと!
江上さん:そのインタビュー後に「未来洞察を学びたいのですが、どうしたらいいですか?」と質問したら「では産総研のデザインスクールに入ったら?」と言われました。
小島:なるほど。「未来洞察」がきっかけだったのですね。
江上さん:はい。あとデザイン思考やアート思考を学びたいと思っても、国内で教えているところってよくわからないし、あまりないというか。だから一般人が普通に学べるのはどこかって探してみて良さそうだなってなりました。
小島:では今8ヶ月120万円(※1)(当時100万円)というお金の部分と時間の部分のハードルはどう感じましたか?
江上さん:いや、僕はそこにあんまりハードルに感じなかったです。いわゆる高額セミナーとか結構受けたりしていて、こんなこと言うと反発されるかもしれないですけど、あのクオリティと内容で100万円は安いなと思いました。受けた感想ですけど、全然元が取れるなと思いました。経営者っぽい感想ですけど。
小島:そうですよね。我々もそこは自信を持っていて、120万円でも安いと思っています。

※今年度から受講費の補助あり! 詳細は過去記事へ

江上さん:カオスパイロットもくるわ、東大のマイル先生も来るわ、すごいなと思うし、産総研の方もいるし、異業種の方も入ってきて、僕の場合、少人数っていうのも、すごいなと思った。たまたま応募があまり来なかったか。あの少人数であのクオリティはすごいと思いました。
小島:それはやはり他の1Dayセミナーやスクールを受けてみての感想ですか?
江上さん:ゴマするわけじゃなくて、オンラインであのレベルがすごいと思います。
小島:どの辺に違いを感じましたか?
江上さん:一番すごいなと思ったのが、コロナでそうせざるを得なかったのだと思いますが、ひとり一人に送られたキットを使って行ったワークショップには感動しました。受講生がみんなそれを使いながら、そして自分でも一生懸命画面を見ながらやっていて、オンラインなのに、皆がそばに居て一緒にやっている感覚がすごくて。これはもうオンラインの最高峰かもしれないと思いましたね。
小島:なるほど
江上さん:タイムリミットがあるし、わあわあ言いながら、でもどうしようと考えながらやること自体、体験としてすごいよくできている。本当にお世辞抜きですごいですね。
小島:かなり準備をしていますから。そこは自信を持ってやらせては頂いています。
江上さん:あれは本当に忘れられないです。すごいなと思いました。

産総研デザインスクールで、創造性の新たなモードを手に入れることができた

小島:次の質問に行きますね。自分が一番成長を感じた瞬間はいつですか?
江上さん:個人的に成長だと思ったことは僕の職業的なものが⼤きいですね。⼀応20代からクリエイターとして代理店とかで過ごしてきたのですが、クリエイティヴの作業って基本的に個⼈作業なのです。考えたアイディアを持ち寄ってぶつけ合って、たくさん案が出た中からA案とD案とY案がいいよね。じゃあこれをブラッシュアップしよう。そこでやっと共同作業が始まる。その過程で僕自身、つねに判断し続けているのですね。産総研デザインスクールで学んだのは、その判断を一旦とめてみて相⼿のアイディアを受け⼊れるということ。アイディアの小さな芽を殺さない、デザイン思考的な、とても良いやり⽅だと思うのですけど、僕からすると個⼈作業で何⼗年もやってきたので共同・共創でアイディアを出す作業ってすごく苦⼿なのだなと気づきました。またチームメンバー、⼥性ばかりでしたが、彼⼥たちの出すアイディアをまず受け⼊れることが、実は⼀番苦しかったのです。でも終わってみればそれが⼀番良かったこと、学んだことだったと思います。
小島:ではスタイルを変えて仕事をしているというところもある?
江上さん:それは仕事に影響していますよね。だからいわゆる「答えがでない」状態で、それを受け⼊れながらやって行く感じですね。「ネガティブケーパビリティ」の能力というか、それは本当に⾃分にとって良かったことです。
小島:だったら使い分けだと思うのですよ。どっちがいいとか悪いとかじゃなくて、使い分けかなと。江上さん自身今は使い分けているって感じはありますか?
江上さん:確かにそうですね。
小島:違うモードが入ってきたって感じですかね?
江上:はい。

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