僕はSくんとあまり喋らなくなった原因は、僕が言った『ホモ』っていう言葉のせいだとなんとなく自覚していました(僕が発信したわけじゃないんですが)。でも言葉の意味は分からなくて、言われたら嫌なことなのかな…と思ってしばらくモヤモヤしていました。

ある日、学校からの帰り道で「ホモなの？」と聞いてきた同級生と一緒になりました。その時、僕はずっと気になっていたことを聞いてみました。

「ねえ、この前のホモって何？どういう意味なの？」

すると彼はびっくりした顔でこう言いました。

「え！？お前知らないの？男が好きな男のことをホモって言うんだよ！気持ち悪いよね！！」

僕はあっけに取られました。まさか自分がそんな風に思われてたなんて全く想像もしてなかったからです。

僕「そうなんだ。でも僕は女の子の方が好きだからホモじゃないよ！」

同級生「そっかー！じゃあ、たいは今好きな子いるの？」

僕「いないよ！好きって…何かよく分かんないし」

咄嗟にTさんのことが頭に思い浮かびましたが、そんなこと言ったらからかわれるだろうと思って口には出しませんでした。そんなことよりSくんが僕と喋らなくなったのは、きっと男が好きだと思われるのが嫌だったんだと、この時初めて気付きました。

ただ、すっきりした反面、新しいモヤモヤが現れました。それは

『男が男を好きになるのは変なことなの？なんで気持ち悪いの？？』

そんな疑問だけが僕の中に残りました。