まず恋だ愛だ惚れた腫れたという話をするには、『どれが初恋だったのか』が自分で分かってなくちゃいけないと思いますが、そこについて僕はしっかり記憶しています。

小学校4年生の時のクラスメイト、Tさん。

目は二重で大きくぱっちりしてて、髪はツヤツヤで茶色くて今で言うボブカット、肌が人形みたいに白く、それでいてスカートは履かないちょっとボーイッシュな女の子でした。今でもはっきり覚えてるくらいだから、たぶんすごく好きだったんだと思います。でもちょっと捻くれ者だった僕は、

『あれ、でもよく考えたら僕はこの人とあんまり喋ったことないし、なんで好きなんだろう？見た目が好きなのかな？そもそも好きってなんだろう？』

そんなことを考えながらも、女の子を好きになることに何か特別違和感を抱いたりはしませんでした。そして、周りのみんなも『普通』は"好き"なんてそんなもんなんだろうなって思ってました。だって僕は男の子だから。