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今になって大学とつながる!

訪れてくださり、ありがとうございます。
本記事は、米国オレゴン州・ワシントン州を中心に毎月10000部発刊されている「夕焼け新聞」に連載中の『第8スタジオ』というコラムの転載記事(修正・加筆含む)です。本記事は、1本300円の入場料をいただきます(価格は字数や内容によって変動します)。なお「夕焼け新聞」というマガジンでご購入頂くと、過去記事もこれからの記事も読むことができます。

「第8スタジオ」は1ヶ月に1本のペースで配信しています。2017年からスタートし、現在までに64本の記事をお届けしてきました。現時点で終了予定はありません。
 異国で暮らす日本人の葛藤、就活、仕事、家庭、育児、バイリンガル教育、ギフテッド教育などについて書いてきました。今後も取材を続けます。ここまで続けてこれたのは読者さまのおかげです。ありがとうございます。

 読者の皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。今日この原稿を書いている今は、なんと雹(ヒョウ)が降っています!!

カリフォルニアで雹を見るとは!!

空から雪の塊が飛んでくることはめったにありませんから、テンションが上がりました。こういう時は交通事故が増えますから、皆さま、ぜひとも気をつけて運転してくださいね。

歩くように車に乗る人々をアメリカで見ていますと、車がまるで自転車のように見えます。けれど、実際にぶつかった時に、自転車は人を殺すことは少ないと思いますが、車は簡単に人を殺してしまう力を持っています。

かつての先生(その方は大学でお世話になった方でした)は、授業中、私たちにこう言いました。

「いいですか。僕は車には乗りません。乗らないと決めているんです。車というのは凶器ですから、その凶器が町中にあふれていることに僕は耐えられないんです。あれは簡単に人の命をあやめる。そのことを肝に銘じていてください」

あの言葉が今も忘れられません。ドイツ文学の授業より憶えているんですから、不思議なものです。

ロサンゼルスに来てから、まさか大学のつながりができるとは思っていませんでした。大学というのは、遠い過去で、それはもう自分とはまったく関係のない出来事だと思っていたからです。

けれどどうでしょう。車に毎日乗りますが、ナンバープレートのところに「○○UNIV ALUMNI(○○大学卒業生)」と書かれたそれを掲げたまま走っている車がものすごく多いではありませんか。有名大学だから自慢したいのかな、と思っていましたら、実際は違うようでした。

なかには、私の知らない大学名が書いてあることも存外多く、そのたび「そんな大学がアメリカにはあるんだなあ」と思って、学んでいます。

つまり、皆さんは大学を卒業したことにとても誇りを持っているんですね。それを直接知らない人々に見せたいくらい自慢なんだと感じます。それくらい「大学を、あるいは大学院を卒業する」ということは、ここアメリカでとても評価されるべき事項なのだと感じます。

もし日本で、○○大学卒業生という車のナンバープレートを見たら、○○大学というTシャツのロゴを見たら、少し変な気持ちになるのではないかと思います。「自慢?」と取られてしまうからです。日本人はそんなことはしないでしょうね。

相手がどう思うかに関わらず、自分のことを誇りに思うと先んじて表明するアメリカ人。それこそ「アメリカ人らしいなあ」と感じています。

もっといえば、相手にどう評価されるかなんて気にしない、自分がそれを誇りに思えばそれでOKという姿勢ですね。

それがあの車のナンバープレートには本当によく表れていると思います。皆さんはあのナンバープレートを見るとき、どんなことを思いますか。

私はこうも思ってしまうのです。

もしそれが、自分が行きたかった第一希望の大学じゃない場合はどんな気持ちになるんだろうと。けれどおそらくは、そうだとしても、大学という機関に行けたこと自体、そこを卒業できたこと自体をやはり寿ぐ(ことほぐ)のではないかと思います。

自分を褒める、自分を誇りに思うことにかけては、アメリカの人々は本当に一級品だと思います。私はそこを見習いたいなあと思います。

私は大学をずいぶん昔に卒業しました。今年41ですから、もう20年前のことになります。そこは日本の大学だったし、アメリカの大学ではありませんから、完全に関係は切れていたわけですが、ひょんなことから夏にその大学のLA卒業生会に参加して以降、彼らとつながりが薄くできました(11月号に少し書きました)。

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