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中学以降イマージョンスクールを選ばない人が多いわけ

訪れてくださり、ありがとうございます。
本記事は、米国オレゴン州・ワシントン州を中心に毎月10000部発刊されている「夕焼け新聞」に連載中の『第8スタジオ』というコラムの転載記事(修正・加筆含む)です。本記事は、1本300円の入場料をいただきます(価格は字数や内容によって変動します)。なお「夕焼け新聞」というマガジンでご購入頂くとお得です。

「第8スタジオ」はひと月に1本のペースで配信します。2022年9月にアップするのを失念していたため(現在は2022年10月)、本コラムは9月分としてアップしています。
 異国で暮らす日本人の葛藤、就活、仕事、家庭、育児、バイリンガル教育のさまざまを書いてきました。当連載は6年目に入り、現時点で終了予定はありません。読者の皆様のおかげでここまで続けてこれましたことを心より感謝申し上げます。

新学年が始まりましたね。

プロローグ

全米で教師不足が深刻となっており、州によっては教員免許を必要としないなど「画期的な変更」をするところもあり、興味深く見ています。

日本の保育士問題と、アメリカの小学校教師問題は根っこの部分で非常に似ていると感じます。色も湿度も社会がそれをどう見るかの目も全部似ている。

代理教員の資格も、コロナ禍の教職離れで規定が緩くなっているそうで(社会はそれを変更と呼ぶ)、友人のママ友がまもなく教壇デビューします。

私の勤務する日本語学校においても教師が次から次へと離職しており、なんと、この私が最長歴になりました。驚きすぎて開いた口が塞がりません。ともかくコロナ禍というのは、人の転職をものすごいスピードで押し進めていることは間違いないと思います。

新学年度スタート


さて、我が家の子供はそれぞれ1学年ずつ進級し、新しい先生に出会うなど、変化の最中にいます。この時期はワクワクすると同時に、毎日の登校に緊張をはらむ期間でもあります。

上の子は今年度5年生なのですが、私の住む地区では、6年生からミドルスクールに行く子と7年生からミドルスクールに行く子がいるんですね(ちなみにうちの小学校は6年生まであります)。

ロサンゼルス郊外のこの市では、小学校までは日米の【完全イマージョン】があり、中学校・高校は【部分イマージョン】のプログラムが走っています。ですから、現地校で日本語を学び続けることはできるんです。

すごいですよね、だってアメリカに住んでいるのに日本語も(英語も)学べて、公立だから無料なんですよ。

親の観点からみれば、それは願ってもない最強の環境だし、その環境のおかげでバイリンガル教育を進めることができるわけです。ありがとう、我が市。

ですから、私の感覚では6年生までイマージョンスクールに通わせることに何の疑いもないんです。イマージョン教育を施したくてそこに入学したわけですから、むしろこちらが願ってることでもあるんです。

けれどもここからが奇妙なところなのですが。


奇妙にみえる〜中学からイマージョン退学者多数〜

多くの親御さんが小学校時代「英語の出来よりも日本語の出来を気にしている」ほど日本語教育に熱心なのですが、不思議なことに中学からは「日本語の勉強をやめて英語一本にする人がほとんど」なのです。

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