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水は海に向かって流れる【レビュー】【漫画】

移り住んだ下宿先に居たのは、「自分の『父』」と過去に不倫をしていた母をもつ女性だった。

どう考えてもドロドロしそうなこの設定。
でも、これが田島列島という人にかかれば、単に暗いだけでは終わらない。むしろ軽妙な『成長』の物語として紡がれてゆく。

令和が始まってまだ半月程度にして、令和元年の最重要漫画が出てしまった。大げさな表現だけれど、それくらい大きな声で言いたい。

脱帽。完敗。お手上げ。至高。尊い。最高。

表現は何でも良い。とにかく田島列島さんの最新作『水は海に向かって流れる』は素晴らしい作品なのです。

冒頭で大雑把に説明したけれど、そんなちょっと変わったボーイミーツガールの作品です。

主人公は16歳。相手の女性は26歳。
この二人が、好いたとか腫れたとかそういう関係になるのかどうかは、まだわかりません。でも、二人とも過去のトラウマに囚われ、壁を破れないまま「いい人」を演じて生きている。そんな2人が出会うことによって、物語は動き出します。

暗くなりそうな話なのに、絶妙に抜け感があって暗くならない。登場人物も破天荒で個性的だし、にぎやかさを際立たせる。前作の方が、「くっだらなーいギャグ」が沢山あって、あれはあれで好きだったけど今作くらいの落ち着いた雰囲気も素敵です。

お試しあるので、まずはどうぞご一読!!

あえて、似たような作品を出すなら「海街diary」でしょうか。

流れる空気感や、集まって生活することによって紡がれるストーリー。そのあたりが似ていると思います。昨今は人気が出ればアニメ化も実写化も珍しくありませんが、あえて断言させてもらえば、今作「水は海に向かって流れる」も『絶対』に映画になります。

もし外れたら単行本持って行脚して回りたいくらい(笑

まあ、絶対かどうかはわかりませんが、個人的にはそのくらい一押し作品だし、絵柄に好き嫌いはあるかもしれませんが、買って損のない作品だと思います。ここ数年でいったら一番好きかもしれないなぁ田島さん。

というか前作だって素敵なんだから、今からでも映画にしたらいいのに!と思っている私なのでした(笑


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