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窓際のトットちゃん

 昨年、次女が退院したタイミングでお友達たちと「窓際のトットちゃん」を見に行きました。
子供達のお互いの興味、映画の時間、色々もろもろ話し合って決めていましたが、学校で戦争について学んでいた時期だったのも影響したかもしれません。

原作に影響を受けて育った親はもう、最初から映画を見たら泣くだろうというのが分かっていたのでタオル握りしめていきました。

 人の描き方がちょっと変わっていて最初ん??っと思いましたが、案の定、ただひたすらにすごい映画で、ただただ涙が止まらない作品でした。
(後から聞いたら作画にも意味があったとのこと)

息子は本をオーディブルで聞いたことがあり、とっとちゃんの学校の楽しい部分、素敵な部分、とっとちゃんのアグレッシブな部分が頭にあってみたようだったけれど、
実際に映像にしてみることで全く違うメッセージを受け取ったようでした。

私はとっとちゃんが思った以上にいいところのお嬢さんだった事を目の当たりにして、あの当時もお金のある子がこういう教育を受けられたのか・・と現実的な事を考えてしまい、複雑な気持ちになりました。

でもそれをそのまま表現してくれるその映画がとてもよかった。
あの時代の素敵な電化製品たちに溢れる生活。
それが色々な物語が進む中で、ある時駅員さんが変わり、トットちゃんから見える大人が変わる。
そしてだんだんと食べ物や着ているものが変わっていく。

そして最後、とっとちゃんの表情が女の子から少女になっていくその変化の大きさと落差が、細かいところを見れない子どもたちにも伝わったように思います。

本土に空襲がくるところから始まったホタルの墓は、違う意味でものすごい映画だけれど、見る子供達にとっては急に始まる部分がありちょっと遠いお話に感じられる部分もあります。

トットちゃんの映画は、子どもから見た戦争の足音がとてもよく表現されていて、子どもにはよりリアルに感じられたようです。

物語のメインストーリーの影で色んなものが少しずつ進行してきて、
ある時、ふっと表に出てくる様子は、まさに子どもからみた戦争でした。

ホタルの墓と窓際のトットちゃんは、お互いがお互いを照らしあうような存在になる気がします。


ただ息子には早すぎたかなと思う。
子供向けアニメ映画のテンポに慣れてしまっている息子には、テンポがゆったりすぎたようです。
途中でファンタジーな部分があるんだけど、そこで盛大にあくびをしていた子達がちらほら。
主人公に入り込めないと、俯瞰しちゃうというか、ストーリーに入り込めないんだよね。

でもこの映画が黒柳徹子さんが生きてらっしゃる時代に見ることができたのは、ただただ感謝です。
もう少し大きくなったらもう一度みたい映画です。

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