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カラオケルームで

異様に眠い。こんなに眠いのは久しぶり。今日は珍しくギャル風のカラコンなんかはめて、一人でカラオケに来ている。家が一番落ち着くけど、特定の暗い気持ちが纏わり付くことも多くて、今日は外でそれを振り払って楽しもうと思ったわけだ。

普段はあまりJOYSOUNDを利用しないが、今日はJOYSOUNDにしか入っていない曲を歌う目的があった。いつもと雰囲気の違う部屋に案内される。カラオケルームって案外オシャレだよねといつも思う。私がいつも利用しているカラオケ店は部屋によって壁の模様や椅子の色が異なっていて、毎回どんな部屋かと密かにワクワクしている。

今日は、見慣れない淡い赤色の花柄の壁、そして落ち着いた深緑の皮ソファに迎えられ、ときめいた。高揚感と共に早速、曲を検索。まずは、歌ってみたかったiriさんの曲を入れる。自分の声ってカラオケを通すと魅力的に聞こえる気がする。低音とかラップ系の曲は多分年々かっこよく歌えるようになっていると思う。ばかみたいにかっこつけすぎて人に聴かれたら絶対恥ずかしいだろうなと思うくらいかますのが楽しい。Creepy Nutsとかも歌っちゃう。ノリノリで楽しい。もっと女性らしい曲も歌うが高音は得意ではなくて、裏声と地声の狭間で、絶妙ではなく微妙な声が響く。嫌いではない。

いつもだったら数時間ぶっ通しで歌い、気づけば夕方になっていることが多いが、今日は少し歌ったら疲れ果てて猛烈な眠気に襲われた。気がつけば初めてカラオケルームで眠っていた。

ベッドで寝たいと何度も思ったが、フリータイムなのですぐに帰るのはもったいないし、家で寝たらそれこそがっつり寝てしまう危険があったので、丁度よかった。

朝、鉄分サプリを飲んでくるのを忘れた。頭に血が足りていないような、そんな眠気。寝起きのぼうっとした頭で全然読み終わらない本を読み、文章を噛みしめる。数十分で気が変わったのでパソコンを開いた。

ここのカラオケには何度もお世話になっている。思い起こすと、ここには色々な思い出が詰まっている。ここで大学の授業のレポートを書いたし、オンライン就活をした時もあったし、社会人になり張り切ったフレッシュマンの気持ちが残存していた頃は休日にここでプログラミングの勉強もした。大学時代最も長い時間一緒に過ごしたであろう友達とSixTONESを歌いまくった思い出もあれば、ここで新たな恋が生まれたことも、別れの予感に一人気を紛らわし歌いに来たこともある。その時は気を紛らわすどころか、自分の選んだ曲に触発されて大泣きしていたっけ。

今、自分は何をしているかもよく分からない人間だ。私ってどこに存在するのかと考えることもあるけど、自分はただ純粋に人間してきたんだなと実感する。過去から続く私はちゃんといるはずで、新しい自分も今いるんだと思う。ああ、カラオケルームで何を考えているんだろう。

小説で何を書くか色々迷っていたけど、若いうちに、今のうちに、何者でもない自分ならではの自伝小説じみたものを書くのもいいんじゃないかと思っている。というか、十分な創造力がないので今はそれしか書けない。けど、それが書きたい。と思う。ずっとずっと自分というものと向き合ってきたから、私のこれまでの苦悩、もやもや、楽しさも創作として昇華したい。ちゃんとフィクションにはするつもり。完全ノンフィクションじゃ小説じゃないからね。

こんな宣言をしても、暫くしたら全く違うものを書く気になっているかもしれない。まあ、書きたいように、書きたいときに書いていこうと思う。

それじゃあ、沢山休んだのでとりあえず歌おう。

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