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#pmconf2020 セッションC-3 Q&Aまとめ

先日、pmconf2020に参加しました。

しかも今回は、セッションC-3に「ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ」というタイトルで登壇させていただきました。

私の予想を上回る人数の方にご参加いただき、本当にありがたい限りです。また、同じ時間帯に他のセッションに出ていても後で資料を見てくださった方もいるようで…!

資料はこちらにあります。

余談ですがこのテンプレかわいくないですか?

さて、当日たくさんの方にご参加いただいた ask the speaker のコーナー、音声での回答をしたものはログが残らないのでこちらに回答内容を記載します。それにしても、こういうイベントの ask the speaker って基本的に1対1の対話になってしまうので、今回のように全員で回答をシェアできる仕掛けって素晴らしいなと思いました。

Q & A 一覧

アプリ開発・モバイルオーダーを考慮するうえで他社のUXなどはご検討されたか、などもしお話いただけると幸いです。(マクドナルドさんのアプリのヌルヌル感は他のFast Foodの企業さんのアプリのヌルヌル感とは抜き出ている為、それはもともと想定されていたものなのか、「競合を見たうえでそれよりは上を目指さないといけない」と思われたのか、が知れるとよいなと思いました。)

他のアプリを参考にして、他者が使っていないような奇抜なUXになっていないかというチェックはしました。ただ、競合に勝つために競合のアプリを見るということは特にしていません。

ここまでが当日の回答内容ですが、ひとつ追記します。米マクドナルドのアプリには絶対勝ちたいと思って、それは研究しました(笑)

モバイルオーダーは店舗で並んでいる人にとって横入りみたいな印象があるのが気になるのですが、この事について何か対策とか考えられましたか?

モバイルオーダーはいわば合法的横入り要素として導入していますので、横入りをされる側にとっては不満要素だと思いますが、横入りをする側に回ってほしいと思っています。そのために重要なのは、
・横入りの正当性、なぜこの人は横入りをしているのかをモバイルオーダーユーザー以外に理解してもらうこと
・横入りの仕方を知ってもらうこと
です。

受け渡し時にクルーが「モバイルオーダーのお客様!」とお声がけをするなどの対応をしています。

マクドナルドの公式アプリがすごくユーザーを中心に価値ベースでプロダクトを作られているなって思ったのですが、そういった開発体制や文化はどのような体制で行われているのか。どのように作られてきたのでしょうか。
マクドナルドのような大規模な組織でそういったプロダクトチームがあるというのがすごい意外でびっくりしています。

もともと商品開発や商品の展開は同じような手法を用いることがあり、会社のカルチャーとしてそういうアプローチが自然と受け入れられるバックグラウンドがありました。

追記。とはいえテクノロジープロダクトの開発に関しては、まだまだこれは社内では普通ではないことです。これを普通にするためのプロダクトマネジメント教育活動も実施中です。

テスト店舗はなぜ沖縄だったのでしょうか?

店舗数の規模がちょうどよかったこと、ひとつの県で単独のTVエリアを構成し沖縄だけにCMを流すことができたこと、FCオーナーの方々が協力的だったことが理由です。

ロードマップを変えるうえで共有されている経営層とのコミュニケーションが必要かと思いますが、コミュニケーションする上で気を付けられていることありますか?(誰に何を話すかを決めているとかあれば教えてください)

基本的に、変更された各項目がどの領域に影響するかによって、その領域を担当する役員に事前の根回しをするようにしています。モバイルオーダーに関しては経営層の関心も高く社長・会長と直接話す機会も多かったため、その方々を味方につければ効率的なコミュニケーションができました。

実際の店舗の運用や課題などはどうやって把握されていましたか?
インタビューなどでも把握はできると思いますが、本質的な部分を把握するのは難しいなと感じており…

コロナ前は、店舗への訪問やインタビューはしていました。店舗からの問い合わせ等は通常のお客様からの問い合わせと同じ窓口に行くようになっており、お客様の声と一緒に集計されています。その他に、社内で店舗からの声をあげる仕組みがあるので、そこから主に文句がたくさん来ています。

「いつ・何店舗」から「お客様からはどう見えるのか」へのシフト とおっしゃっていた部分、具体的にどのような経営層とのコミュニケーションだったのでしょうか?例えばCJM作成されたなど?

まずロードマップを見せることで、「いつ・何店舗」以外の情報が見えるようになり、ツッコミの余地が増えたことで経営層からの質問の幅が増え、会話が広がりました。それによって、それまで議論されてこなかったようなトピックに関して議論する時間が長くなり、前々から他の領域の議論ではそうであったのと同じく、自然とお客様への見え方の話にシフトしていきました。

各店舗の店長にまで、プロダクトの本質的な目的が浸透していたことに感銘を受けました。どのような方法・チャネルで、全国の店舗にメッセージや情報を展開しているのでしょうか?

基本的に情報発信は社内のポータルに特設ページを設置して、そちらで実施しています。プロダクトのビジョンは、全店長が集まるような社内の大規模イベントで役員からのプレゼンにも含まれていました。それ以外に、組織図の上から順におろしていく形のコミュニケーションも実施しています。

途中で直近のビジョン2点ありましたが、どのような過程を通じて、この2点に集約したでしょうか?

お客様に向けて何を提供するかというビジョンは当然必要ですが、それに加えて、店舗の協力が不可欠なため、店舗にとって何を提供するかということも必要だと考えて2点挙げています。これは調査の結果などに基づくものではなくて、プロダクトを引き継いだ最初期に「結局何を実現したいのか」を考えてつくったものです。

プロダクトの軸を作る時に大事にしていること

社会にどういう影響を与えるべきか、ぐらいスケールの大きいところまで風呂敷を広げて、そこで自分がやろうとしていることは本当に意義があるのかを考えることですかね…

追記。軸を守ることはすごく大事にしているのですが、軸を作るときのことは普段あまり考えておらずうまい回答ができません。でもやっぱりそれは、プロダクトの存在意義であり、何を解決するかであり、「何があってもそれを信じることができるか」という覚悟なんじゃないかと…思ったり…。

プロダクトの軸を浸透させていくために大事にしていること

なるべく簡単な言葉を使うこと。これはまだまだ課題ですが…前職が小売だったこともあり、店舗で働くひとに刺さる表現というのは何となくわかってきました。とにかく、夢を語ることですかね。あとは、影響力のある人を味方につける。

プロダクトロードマップを作成する際の、縦軸の項目はどのようにされていますでしょうか?(機能軸、課題軸、その他軸など)

実はロードマップを他のシステムとも共有していることもあって、全体整合みたいな軸があります。依存性を明らかにする、的な。あとは課題をFoundation/enhancement/experience of the futureみたいな感じに分けて更に機能と性能に分けたりなどしましたが、結構ざっくりした分け方ですね…。

ロードマップの変更頻度はどれくらいでされていますでしょうか?

細かい変更は2週間に1回、時間を見つけてやるようにしています。

追記。これは、2週間のスプリントで走っているため、スプリントが終わった時点で進捗状況から最新の情報を反映したいなぁという願望です。実際はたまにサボります。今回紹介したような大幅な変更は滅多なことが無い限りやりません。

変更する際は、PdMが中心に進められると思いますが、どのようなメンバーと一緒に変更していますでしょうか?

開発チームと、他のプロダクトのPdMのインプットをもって変更しています。それを後で上位レイヤーの人に見せてフィードバックをもらう感じです。


以上、たくさんのご質問をありがとうございました!聞きそびれたことなどがありましたら、pmconfのために始めたTwitterまでどうぞ!


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