見出し画像

お茶会に招かれたとして、もうひとつ覚えていくとしたら ~体をかがめてお茶碗を見る訳

前回、「お茶会に招かれたとして、ひとつだけ覚えておくとしたら」では、お茶碗に正面があることをお伝えしました。
これで、お茶碗を回す理由がお分かりいただけたかと思います。

さて、余裕があれば、もうひとつ覚えてください。

それは、

お茶会は亭主(ていしゅ:お茶会の主催者)のもてなしを
味わう場であること。

そして、そのもてなしの気持ちは、お茶碗など道具に表され、
客は道具を拝見して、亭主のもてなしを味わうということ

(道具以外にももちろんお菓子やお庭の手入れなどにももてなしの心は表されていますが、作法とのかかわりから、道具に注目しますね。)

お茶会に参加したことがある方は、「そういえば、お茶碗やらなんやらが、順に回ってきて、なんだか背中を丸めて、ありがたそうに見る儀式があるなぁ」と思い出されるかもしれませんね。

なぜ背中を丸めてお茶碗を見るのでしょうか?

姿勢が悪いですよね~。
お行儀が良さそうには見えません。

順に説明します。

まず、道具は、その日、亭主がお客様を迎えるために、心を尽くして、道具の組み合わせも考え、選んだものです。
客は、その亭主のもてなしの心を味わうために、道具を拝見(はいけん)します。
道具には亭主のおもてなしの心がつまっていますから、道具を大切に扱います

道具の中でも、お茶碗、茶器(お抹茶が入っている小さな容器)、茶杓(ちゃしゃく:竹でできた、おおきな耳かきのようなもの。お抹茶を掬うのに使います)は、実際に手に取って拝見することができます

そう、これらが背中を丸めて見るお道具です。

茶器や茶杓は特に大切なお道具とされており、
拝見時に万が一、落としたとしても、傷つけない、割れないように注意を払います
低い位置で拝見すれば、畳の上なら落としてもまず割れませんよね。
そのために、背中を丸めて(かがめて)、低い位置でお道具を拝見していた
んですね。

ね、変な(失敬)格好でお茶碗を眺めていた理由がわかりましたね。

お道具を傷つけないように、指輪や時計を外すこともマナーのひとつです。
こちらもぜひ覚えておいてください。


(断りを入れるまでもなく、上記一切は個人的な見解です。
さらにいうと、お稽古を続ける中で、考えもまた変わっていくような気がします。)

サポート、ありがとうございます。 茶道に関わる方、茶道を楽しむ方への取材をしていきたいと考えています。 その資金にさせていただきます。