（前回からの続き）大学受験に失敗した後、僕は神戸大学夜間コースに復学し、仮面浪人を続けることにした。大学のみんなから馬鹿にされた僕は、神戸大学昼間コースの学生と模擬試験の偏差値で勝負したが、圧勝し、大学のキャンパス中に模試の結果を貼りまくるのだった。

第十二章　大阪外国語大学　編入試験

クラスではどっから出てきたのか知らないが、「日本で唯一、１年生が受けられる編入試験がある」という話が回ってきた。

普通、編入試験というのは、２年生が秋から冬に受けるものだ。そして３年生から合格した大学に移動する。

編入は大体どんな大学にもあって（東大はない）、実際の一般入学試験よりは、正直偏差値は５、６下がる。だから頑張れば確実に合格出来るのだ。

ところがここで「１年生の秋に受け、２年生から移動出来る試験がある」というのだ。つまり「１年生編入」である。その大学名は「大阪外国語大学」。東で言えば、東京外国語大学とほぼ同レベルであり、関西では名高い一流大学である。大体偏差値は、学科によって６５から７０。幸い１年生からやり直している僕にも、受験資格がある。

当日面接の試験官が話していた事だが、この１年編入は日本全国ここだけであり、その分人気が集まって、一般の試験よりやや難しいらしい。実際受験してみて、僕もそう感じた。そうなると偏差値７０オ−バ−になる。極めて難関だ。

もちろんクラスの夜間生は、誰も受けない。そんな勇気はない。

そして注目が僕に集まった。

「斎藤は受けるのか？それとも逃げるのか？」

当然受験する、僕には迷いなんて無かった。２月の一般受験の前に「夜間」を脱出が出来るのだ。もうこんなコンプレックスから抜け出せるのだ。チャンスは絶対逃したくはない。

こうなるとＩＱ達は、黙って僕の不合格を祈るしかなくなった。ここまで来ても、相変わらず行動は起こさないらしい。

受験学科はどこにするか？

僕は国語を極めていたので、日本語に興味があった。どうせ勉強するんだったら、日本語学科かなとまで思った。しかしそんな事関係ない。偏差値が一番高く、胸を張って威張れる「英語学科」しかない！ヤリたいことなどクソくらえだ！

幸い高校時代、バイトして貯めた少しの貯金が残っていた。これを全部、受験料３万円に注ぎ込み、「絶対合格」に向けて走り出した。偏差値的には試験科目英語も偏差値８０近くあり、何の問題もない。大阪外国語大学だったら、１００やって１０返ってくるラインに十分入る。

「今度こそいける！」

去年より確実な手応えが僕にはあった。

１１月２５日。大阪外国語大学１年編入試験日。その日が運命の開戦日となる。

ほぼ時を同じくして、シンジさんの戦いにも幕が切って落とされる。こちらの舞台は２年生編入だ。彼は万全を期して、京都大学、大阪大学、東北大学、神戸大学の受験を決めていた。２年間の怨念がこもる、編入ランキング２位の彼だ。ここまで受験すれば必ず受かるだろう。必勝体勢だ。もう僕らは夜間には帰れないのだ。

僕達に去年の事が、ふと頭によぎる。

この受験はともに受かるしかない、という事だ。どちらかの脱出では勝利ではない。二人そろって合格しなければならない。僕達は無言にも、その事は分かっていた。

今年、彼とはうわべの「友情」を超えた、固いキズナで結ばれた。ともに戦う同志だ。周りは全員敵だった。辛いときはお互い励まし合った。カズヤに次ぐ、僕にとって２人目の戦友なのだ。今度こそ、二人とも勝利しなければならない。ここからが本当の勝負なのだ。

ついに「脱出」と「ブランド」をかけた僕達の長年に渡る戦いが、終幕に向けて最後の加速を始めた。

試験前日、僕は興奮してなかなか寝つけず、ようやく眠りについたのは、明け方に近かった。そんな浅い眠りの中で、僕はこんな夢を見た。

時は大阪外国語大学合格者発表日、合格したのだ。

「去年は絶対に自分の番号はなかった！しかし今は目の前にある！夜間から出られる！」　ここで目が覚めた。

しかし目覚めてもまだ、その興奮がおさまらなかった。心臓が高鳴っている。去年のあの不合格は、僕の心に強く面影を残していた。「抜け出せる」という事が、「自分には有り得ない」というイメ−ジでしかない。不吉な予感が、大きく膨らんでいく。

「夜間脱出」、これが夢にも近い憧れとして遠のいていった。

試験会場である「大阪外国語大学」は山の中にある、素晴らしい大学だった。２年前からは考えられない場所に、僕は立った。教室に入ると、女の子ばかりだったが、全部で１００人以上はいただろうか。

しかし僕は全員誰もライバルだとは思わなかった。

敵は自分だ。この自分なのだ。もう、どうなるか分からない。この偏差値８０の力を、全て時の流れに任せた。

この手で全てが変わる、不可能なことなど何もない。そう叫び続けたドラマの最後だった。

試験は会心の出来に終わる。

１時間目の英語では長文の記述と英作文。どちらも今の僕には問題なかった。悩むことは何もない。まずは完璧だろう。

２時間目の論文では、試験時間６０分で「世界のグロ−バル化について、自分の意見を１０００字で論述せよ」というものだった。これも訓練は完璧にしていた。結果、「これ以上はない」という論文を書き付けたのだ。

パ−フェクト、しかしそれでも僕は安心などしていなかった。

「会心の出来」と言うが、去年の受験もそうだった。あの時も悔いはない勝負だったはずだろう。どうすればいいんだ、と悩みに悩んだこの戦いだ。まだ「絶対」など有り得ない。

外語大の試験が終わった１１月末、僕達は最悪のスタ−トを迎える事になる。同志であるシンジさんが立て続けに落ちたのだ。

大阪大学、京都大学不合格。成績的に「必ず受かる」という、神戸大学法学部まで連続不合格。僕はその結果が信じられなかった。彼は絶対合格のラインにいた人間だ。この戦いは、やはり呪われているのだろうか、僕達はそう考えるしかなかった。

しかしここまでだった。この「不運」にも彼はついに勝ってみせる。そう、ここから勝利の日が始まるのだ。

その２、３日後の事だった。

「東北大学に受かりました！」電話で叫ぶシンジさん。これが、彼のドラマの終わりだった。

やはり勉強し続ける事なのだろう。力があれば、必ず受かるのだ。

僕は喜んだ。本当に嬉しかった。今年は合格にふさわしい友が、合格した。妬みなどあるはずもない。だからこそ次は僕の番なのだ。その時から、僕の合格発表まで１週間。シンジ、カズヤが合格した今、ついに僕は最後の一人となった。

合格発表前日、１２月１０日のことだった。僕はこの日を忘れない。

いつもの様に大学の授業に形だけ出て、一番後ろに座り、受験勉強をする。

僕を避けるように、前のほうでＩＱやイガ、ヒルマが座っていた。そして見渡せば、大教室が１００人近くの夜間生で埋まっている。

僕は何でこんなところにいるんだろう。

そんな夜間生の姿を見ながら、心の中でつぶやいた。

偏差値８０を取った。夜間全員の誰よりも、偏差値は高い。僕は一番努力、苦労している人間だ。しかし最後の最後まで残ったのは、紛れもない僕自身だった。僕は世間から見れば、この夜間生なのだ。どんなに頑張ろうが関係ない。「クサイ」と評されても文句は言えない。

僕は帰り道の途中で、立ち止まった。

いつもの様に、美しい神戸の夜景が広がっている。２年間眺め続けた、変わりない景色だ。そう、いつまでも変わらないのだ。

僕は一人で泣いていた。

限界だったのだ。実力を上げれば上げるだけ、強がりは増した。しかしその裏で、空しさも募っていったのだ。何でここまでやらなきゃならないのか。

僕は初めて弱音を吐いた。そうしたら、その切なさ耐えられなくなっていた。涙を流したのは、あのカズヤの合格以来のことだった。

家に帰ると、英検準１級の面接試験合否通知が届いていた。面接は普通、９割は合格する。落ちるはずのないその結果は、以下の通りだった。

合格点２３点中、僕は２２点。

あと１点だった。不合格。

僕を支えるものは、もう何も無かった。

第十三

かすむ意識の中、僕は合格掲示板を見た。

最難関の「地域文化学科英語」の合格者は、４０人近く受けてわずか３名。見た瞬間分かった。

「あるわ！」

僕はその場に崩れ落ちた。

掲示板に自分の番号はないもんだ、こう慣れきっていた。落ち続けた僕は、もう何も信じられなくなっていた。

しかし今は違う！僕の番号が、目の前にあるのだ！見事完全合格だった。

思えば当然だった。偏差値８０の受験生だ。実際、落ちるはずがない。しかしそんな余裕、僕には無かった。とにかく嬉しかった。異常なまでの派手なその喜び方に、外大生の奇異の視線を思わず集める。僕は狂喜の中にいた。人生が大きく動いていく実感がわいた。

もう僕は夜間生ではないのだ。偏差値７０の大阪外語生なのだ。楽しいキャンパスライフはここから始まる、そう僕は自分に言い聞かせた。目の前がバラ色とはこの事だろうか。　「夜間から抜け出した」

僕はついにやり遂げたのだ。

喜びに打ち震える手で、僕は友人達に電話しまくっていた。結果を出した今、ようやく胸を張れる。

「まだやってたんだ、オマエもよくやるな。まあお疲れさま」

みんなは呆れながらも、口々にこうほめてくれた。屈辱に耐え切れず、友達と会う事はもちろん、その声さえ聞きたくなかった９カ月前。思えば本当に長い戦いだった。

シンジさんは食堂で、僕の凱旋を迎えてくれた。

「やりましたね！やりましたね！」

満面の笑みを浮かべながら、僕達は大声で叫んでいた。

夜間の連中は、僕の結果を今か今かと待ち望んでいる。「落ちてくれ、落ちろ！」こう切願しているに違いない。

「行ってやるか」

僕達が勝者になる瞬間だった。

クラスに入ると、誰にも聞こえる大声で、「受かった、受かった！夜間脱出成功！」と叫び散らした。僕はすぐさま、ＩＱ、イガ、ヒルマの顔を見る。

いつもの嫌らしい笑顔はなかった。悔しさと妬みで、顔が歪んでいるのだ。僕ははっと気付き、クラス全員を見回した。そう誰もがこちらを見つめ、顔を引きつらせている。

僕はためらわなかった。容赦など、どこにもない。

「来年の４月から、僕は大阪外語大生。英語学科、偏差値７０です！」、そう言い放って教室を出た。

次の日、模試事件を上回る８００枚もの大量のビラが、神戸大学中に再び貼り出された。　真っ黒な下地に、白色の派手な文字。その風体は、模擬試験ビラと同じだ。しかしその内容は、模試を超える衝撃度だった。

「たかが模擬試験、受かってから言えよ、偏差値８０なんてすごくない」

数々のご批判ありがとう。だからその通り本当の大学に、受かってやったぞ！僕の魂の叫びが、神戸大学中にこだまする。

「大阪外語大学、地域文化英語学科合格！夜間生が勝利！」　　　　　こんな見出しだった。またも大学中がパニックになった事は、言うまでもないだろう。

夜間生にもう敵はいなくなった。「やられたら、１００倍にして返す。それが斎藤だ」、この意味に彼らがようやく気付いた。しかし時すでに遅し。彼らは卑屈に黙るしかないのだ。ただ僕も優しい。「合格したよ」それ以上の攻撃はしなかった。必要以上の自慢に酔ったりはしない。しかし彼らにとって、その一言でも十分なブロ−となって、叩き込まれていたのだ。

僕達の勝利の日だった。

サ−クルでも僕は誉めたたえられた。つい数ヶ月前までは僕をバカにしていた女の子も、「やっぱり頭がいいんだね」と、笑みのない引きつった顔で、しきりにかつぎあげてくれる。

「連中と並んだ」、僕は確かな手応えを感じていた。

「夜間を抜け出した。合格した」この心からの願いが満いたされた今、僕は全てが報われた。人生最高の充実の中にいた。

「ウソじゃないよな？夢じゃないよな？」

まさに非現実である。

(Continued from last time) After failing the university entrance exam, I decided to go back to the night course at Kobe University and continue being a masked ronin. I was ridiculed by everyone at the university, so I competed with a Kobe University daytime course student on the deviation score of the mock exam, but I won overwhelmingly and posted the mock exam results all over the university campus.

Chapter 12 Osaka University of Foreign Studies Transfer Examination

I don't know where it came from in class, but I heard that there is only one transfer exam in Japan that first-year students can take.

Normally, transfer exams are for second-year students to take from fall to winter. Then, from the third year, you will move to the university you passed.

Almost every university has a transfer (not the University of Tokyo), and honestly the deviation is 5 or 6 lower than the actual general entrance exam. So if you work hard, you will definitely pass.

However, there is a test that students can take in the fall of their first year and move on from their second year. In other words, it is "first-year transfer". The name of the university is “Osaka University of Foreign Studies”. In the east, it is almost on the same level as Tokyo University of Foreign Studies, and it is a famous first-class university in Kansai. Roughly the deviation value is 65 to 70 depending on the department. Luckily, even I, who started over from the first grade, is eligible to take the exam.

The examiner at the interview on the day said that this year's transfer is only here in Japan, and that's why it's so popular that it's a little more difficult than the general exam. When I actually took the exam, I felt the same way. Then the deviation value will be over 70. It is extremely difficult.

Of course, no one takes night classes in the class. I don't have the courage to do that.

And all eyes were on me.

"Will Saito accept or run away?"

Of course I took the exam, I had no hesitation. You can escape the "night" before the general exam in February. I can get out of this complex. I never want to miss the chance.

When this happened, the IQs had no choice but to pray silently for my failure. Even after coming this far, it seems that no action will be taken as usual.

Where should I take the entrance exam?

I was interested in Japanese because I was an expert in Japanese. I even thought that if I was going to study anyway, it would be the Japanese language department. But that doesn't matter. The deviation score is the highest, and there is only the "English Department" that you can be proud of! Fuck what you want to do!

Luckily, I had some money left over from my part-time job in high school. All of this was poured into the examination fee of 30,000 yen, and he started running toward "absolute pass". In terms of deviation, the test subject English has a deviation of nearly 80, so there is no problem. If it was Osaka University of Foreign Studies, it would be enough to enter the line of doing 100 and returning 10.

"I can do it this time!"

I had a more reliable response than last year.

November 25th. Osaka University of Foreign Studies 1st year transfer exam day. That day will be the fateful opening day.

Almost at the same time, Shinji's battle also begins. This stage is a second-year transfer. Taking all possible measures, he decided to take entrance exams for Kyoto University, Osaka University, Tohoku University, and Kobe University. He is second in the transfer rankings, filled with grudges for two years. If he takes the exam so far, he will definitely pass. We are ready to win. We can't go home at night anymore.

We suddenly remember what happened last year.

It means that we have no choice but to pass this exam together. Either escape is not a victory. Both must pass. Even though we were silent, we knew that.

This year, I have a strong bond with him that goes beyond superficial "friendship". They are comrades who fight together. Everyone around me was an enemy. We encouraged each other when it was hard. He's my second comrade in arms after Kazuya. This time, both must win. This is where the real battle begins.

Finally, our long-running battle between "escape" and "brand" has begun its final acceleration towards the end.

The day before the exam, I was so excited that I couldn't fall asleep, and it was close to dawn when I finally fell asleep. In such a shallow sleep, I had this dream.

At that time, the day the successful applicants were announced at Osaka University of Foreign Studies, he passed.

"Last year I definitely didn't have my number! But now I have it in front of me! I can get out at night!"　I woke up here.

But when I awoke, the excitement still didn't subside. my heart is pounding. That failure last year left a strong impression on my heart. "I can get out" is nothing more than an image of "it's impossible for me." A sense of ominous premonition grows.

"Night Escape" has faded away as an admiration close to a dream.

The examination venue, Osaka University of Foreign Studies, was a wonderful university in the mountains. Two years ago, I was standing in a place that was unthinkable. When I entered the classroom, there were only girls, but I wonder if there were more than 100 people in all.

But I didn't think of them as rivals.

I am the enemy. This is me. I don't know what will happen. The power of this deviation value of 80 was all left to the flow of time.

Everything changes with this hand, nothing is impossible. It was the end of the drama that kept screaming.

The exam ends with satisfaction.

In the first English class, long descriptions and English compositions are required. Both have been fine for me so far. There is nothing to worry about. It would be perfect first.

The essay in the second hour was to "state your opinion on the globalization of the world in 1,000 words" in 60 minutes. The training was perfect, too. As a result, I wrote a thesis that said, "There is nothing more."

Perfect, but I still didn't feel safe.

He says, "I'm satisfied with the result," but last year's exam was also the same. It must have been a match with no regrets back then. It was this battle that made me worry about what to do. There is no such thing as "absolute" yet.

At the end of November, when the exams for the University of Foreign Languages were over, we got off to the worst possible start. Comrade Shinji fell one after another.

Failed Osaka University and Kyoto University. In terms of grades, he said, "I will definitely pass", and I have failed consecutively until Kobe University's Faculty of Law. I couldn't believe the results. He was a man who was on the line of absolute pass. We had no choice but to think that this battle was cursed after all.

But that was it. He finally overcomes this "bad luck". Yes, Victory Day begins here.

It was two or three days later.

"I got accepted to Tohoku University!" Shinji shouts over the phone. That was the end of his drama.

I guess I will have to keep studying. If you have the strength, you will definitely get it.

I was delighted I was really happy. This year, a friend who deserved to pass the exam passed the exam. There can be no such thing as jealousy. That's why it's my turn next. From that time until the announcement of my results, it was one week. Now that Shinji and Kazuya have passed, I'm finally the last one.

It was December 10th, the day before the results were announced. I will never forget this day

As usual, I show up in my university classes, sit in the back row, and study for my exams.

IQ, Iga, and Hiruma were sitting in the front to avoid me. And if you look around, the large classroom is filled with nearly 100 night students.

Why am I here

Looking at Yorusei like that, I murmured in my mind.

I got a deviation value of 80. The deviation value is higher than anyone else at night. I am the hardest working person. But the one who remained until the very end was me, without a doubt. In the eyes of the world, I am a night student. It doesn't matter how hard we try. I can't complain even if it is described as "Kusai".

I stopped on my way home.

As usual, the beautiful night view of Kobe is spreading. It's an unchanging view that I've been looking at for two years. Yes, it will never change.

I was crying alone

It was the limit. The more you raise your ability, the more you become stronger. Behind the scenes, however, emptiness grew. Why do I have to go this far?

I whispered for the first time. Then I couldn't stand the sadness. It was the first time since Kazuya passed the exam that she had cried.

When I got home, I received a notice of passing or failing the Eiken Pre-1st grade interview test. Interviews are average, 90% pass. The result, which should not have fallen, was as follows.

I got 22 out of 23 passing points.

There was one point left. failure.

There was nothing left to support me.

Chapter 12 Transfer Exam Passed!

In my hazy consciousness, I looked at the passing bulletin board.

Only 3 out of nearly 40 students passed the most difficult test, the English course in the Department of Regional Studies. I knew it the moment I saw it.

"Yes!"

I collapsed on the spot.

I was used to not having my number on the bulletin board. I kept falling and couldn't believe anything anymore.

But not now! My number is in front of me! It passed perfectly.

Thinking about it, it was natural. A student with a deviation score of 80. In fact, it shouldn't fall. But I didn't have that kind of leeway. Anyway, I was happy. The unusually flamboyant way of joy attracts the strange gaze of TUFS students. I was in a madness. I could feel my life changing.

I am no longer a night student. She is an Osaka foreign language student with a deviation score of 70. A fun campus life starts here, I told myself. Is this what it means to be rosy in front of you? "I slipped out of the night"

I finally made it.

With my hands trembling with joy, I kept calling my friends. Now that I have the results, I can finally be proud.

"I was still doing it, you're doing well too. Well, good work."

Everyone was astonished, but they praised me like this. Nine months ago, I couldn't bear the humiliation, and I didn't want to see my friends, let alone hear their voices. It was a really long battle.

Shinji welcomed my triumphant return at the dining room.

"You did it! You did it!"

We were screaming out loud with big smiles on our faces.

The night crowd is eagerly awaiting my results. "Fall down, fall down!"

"Do you want to go?"

It was time for us to win.

When I entered the class, I shouted in a loud voice that everyone could hear, "I passed, I passed! I succeeded in escaping the night!" I immediately see the faces of IQ, Iga, and Hiruma.

She didn't have her usual shy smile. His face was distorted with frustration and envy. I was taken aback and looked around the class. Yes, everyone is staring at us, their faces twitching.

I didn't hesitate. There is no such thing as mercy.

``From next April, I will be a student at Osaka University of Foreign Studies.

The next day, 800 leaflets, more than the mock exam case, were put up all over Kobe University again. Flashy white letters on a pitch black background. Its appearance is the same as that of mock exam flyers. However, the contents were more shocking than the mock exam.

"It's just a mock test, say it after you pass it, a deviation score of 80 isn't that great."

Thank you for your many criticisms. That's why I got accepted to a real university! The cry of my soul echoes throughout Kobe University.

"Osaka University of Foreign Studies, Passed the Department of Regional Culture and English! Night students win!" Needless to say, the entire university panicked again.

The nightlife had no more enemies. "If you get hit, you'll get back 100 times more. That's Saito." But it's too late. They have no choice but to be humble and silent. I'm just kind. "I passed." No more attacks. I don't get drunk with more than I need to brag about. However, for them, even that one word was enough blow and had been hammered into them.

It was our victory day.

I was also praised in the circle. Even the girl who looked down on me until just a few months ago said, "You're really smart, aren't you?"

"I lined up with them," I felt a certain response.

"I made it through the night. I passed." Now that this heartfelt wish has been fulfilled, I've been rewarded for everything. I was in the best fulfillment of my life.

"It's not a lie, is it? It's not a dream, is it?"

It's just unreal.