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多汗症。汗が止まらなくなる病気。メンタルヘルスにも影響。近年は治療薬開発も進む。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
手のひらや顔、足の裏などに、日々の暮らしに支障を与える程に汗をかいてしまう。そんな悩みを抱えている人は、「多汗症」と呼ばれ、近年、CMなどで少しずつ名前が認知され始めた病気です。特に周りの人からの目が気になる思春期には、自分がかいた汗がきっかけで、人間関係の構築に後ろ向きになってしまうケースもあります。

2009年の疫学調査によりますと、手のひらに過度な汗をかく「原発性手掌多汗症」の患者は日本にはおよそ493万千人いますが、明確な発症原因は分かっていません。兵庫医科大学皮膚科学の金澤伸雄主任教授は「発汗することには突然襲って来る波があって、各々の背景に適した治療を行うことが必要です」と説明します。

「原発性手掌多汗症」の新しい治療薬の開発も加速し、2023年6月に久光製薬が「原発性手掌多汗症」治療剤の「アポハイドローション20%」(一般名・オキシブチニン塩酸塩)を販売しました。保険適用の手のひら用の外用剤の販売は日本では初めてのことです。

今回は多汗症を持っている人の悩みを説明します。

多汗症当事者の悩みとは?

「緊張すると手汗が酷くなるよね、体質だからって人生を諦めていないかな?」と語りかける久光製薬のCMが大きな話題を集めています。このCMで取り上げているのは、手のひらに沢山の量の汗をかく「手掌多汗症」。手を誰かと繋ぐことを躊躇した女性や、試験中に自分の手の汗でテスト答案用紙の紙が濡れて困っている学生が登場します。

「自分自身の汗に悩み、死にたいと思ってしまった時もありました」と、関西地方在住の大学生の20代の女性は学生生活をこう回顧しました。

多汗症を女性が自覚したのは小学校低学年でした。自分の手に出て来た汗の多さに躊躇し、友人からも「何か手汗凄いね」と言われました。学年が上がるにつれて周囲の人の目が気になって、小学6年生の時には手を横の人と繋いで行う組み体操が苦痛でした。担任の先生に「体操、やりたくない」と泣きながら主張しましたが、恥ずかしくて自分の汗が原因だとは言えませんでした。

中学・高校時代に多汗症の状況は悪化していきました。タオル地のハンカチを握りしめて、授業を受けていましたが、試験ではカンニングを疑われるのが怖くてタオル地のハンカチが使えず、スカートで手を拭い続け、スカートの生地が変色しました。後ろの席の人に回すプリントも「絶対汗でプリントを濡らしてはいけない」と緊張し、脇からの汗が床に落ちた時は「周囲の人に見つかり、学校中に私のことを言いふらされたら…」と思い詰めました。

女性は足にも汗をかくので、上靴を脱ぐ全校集会では、防臭効果を持つ粉を足に塗り込み、汗で変色した靴下を同級生に見られない様にスカートの中に足を隠しました。

入部した合唱部では、ピアノ演奏や手を繋ぎながら行うストレッチなど手汗が気になる場面が多くあって、多汗症を悩み続けて1年間合唱部を休部しました。負けず嫌いな性格で勉強にも力を入れていましたが、「頑張っているのにどうして自分の汗に邪魔されなきゃいけないの?多汗症のない他の人が羨ましいな」と思い悩みました。周りの人にからかわれることはありませんでしたが、「多汗症だと友達にバレたら嫌われると思っていました」と、吐露しました。
 
参考:思春期の「多汗症」、周囲の目におびえ「死にたいと思ったことも」 手のひら用の新薬も登場 神戸新聞NEXT(2023年)

大学に進学した後は、座る席や着る服が自由選択になったことで心に余裕が生まれました。「悩んでいたって世界は変わらない。当事者が多汗症を発信しないといけない」と思い、2022年4月に立ち上げられたNPO法人「多汗症サポートグループ」に参加し、現在は理事長として広報担当者をしています。

多汗症で悩む中高生に、多汗症は自分自身の体質ではなく病気で、正しい治療法があることを知って貰いたい」と女性はそう話し、「過去の自分を助けてあげたいと思ってNPO法人を始めました。これまでは自分の汗で人生を諦めてきたこともありましたが、叶えたいことに向かって前進したいです」と前を向いています。

また、久光製薬は多汗症に関する情報を集めた【みんなの手の汗サイト】を開設しました。治療法や症状の説明以外にも、自分の手汗の状態を確認可能なチェックシートや当事者の声を掲載しています。

私の場合、

多汗症ではありませんが、よく汗をかきやすいタイプです。それは基礎疾患などが影響していると思います。

私は2023年の夏は、酷暑で汗に悩まされました。額に脂漏性皮膚炎という病気を持っていて、1回ストレスで寛解に近かったものが再発して悪化し、汗を額にかくと、痒みが止まらず、仕事に集中できないといった悪影響を与えるなど、汗に振り回された今年の夏でした。

多汗症も汗をかくことで、悩みなどが増え、メンタルヘルスとか様々なところに影響を与えていると思います。

多汗症は私が罹患しているものと違い、自分の汗で痒みが増すものではないと思いますが、汗で日常に支障が出ているところは、同じなのではないでしょうか?

治療薬が開発され、販売されていることは、この多汗症と向き合って行く上では、大きな前進だと思います。汗に振り回されるのは嫌ですが、私も脂漏性皮膚炎と皮膚科と、今後も付き合っていかないといけないので、多汗症の方にも、辛いことがあっても、頑張って欲しいです。


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