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アンチエイジングより、幸福な "エイジング"

わたしの母は和裁士だ。京都で西陣帯のリメイクアイテムをつくっている。その展示会であったり、プライベートで相談を受けて、札入れやバッグを直接お見立てをする時間は、本当に面白くてマジカルだ。まずは、絹の帯とその人の相性を見ることから始める。

こちらからみても素敵だなあ、というバッグやクラッチを手にしようとするとき、ほとんどの人が必ず、こう言う。


「こんな素敵な品、どこに持って行ったらいいの?」
 

 わたしはまぶしいほどのプラチナの
 大きなクラッチを手にしている
 その人に、必ずこういう。
 
 
「近所のスーパーよ」
 
 
 みんな、えー!といって笑う。
 わたしはいたって大真面目だ。
 
 
「一緒に暮らしているんだから、
 連れて行ってあげて。

 すれ違う人やレジで時々出会う、目の肥えている人に
 それなに!? と見られるのを楽しむんだよ」
 
 
 その後、深くてたっぷり入る
 まぶしいプラチナ帯のクラッチを手にした彼女から

「あきこさん、
 スーパーにもっていきました♡」

 とメッセージがきて、
 わたしは、よっし♪とガッツポーズをする。 
  

「汚れたらどうしたらいいですか?」
 
 と聞かれたら、
 
「それはもうしょうがないね」と答える。
 

「汚さないように気を使うよりも、
 大切にする気持ちがあればそれでいいの。
 

 大好きで愛用するほど、必ず汚れる。
 それは一緒に時間を重ねた証だよ。
  

 帯は、アンチエイジングより、
 ハッピーなエイジングを
 楽しむことが豊かなんだ。
 

 もし、もうくたびれて
 限界だなって思ったら
 新しいものを手にする
 タイミングだと思ってください」
 
 
 帯はあなたと一緒に、
 いろんな世界を
 見たいと願っている。
 
 
 いつも迎えにきてくれるのを待っている。

 和裁士の母が京都の小さなアトリエで、ひとつひとつ手仕事から生まれる絹の西陣帯のバッグやがま口たち。


 たくさんはつくれない。同じものはひとつもない。

 そんな価値を生み出す母が、わたしは誇らしい。

 そして、こうやって価値を伝えている自分を誇りに思う。


 ★:: 京都発・帯のリメイクショップ「ゆうやけkaban」
 ・ポーチ
 ・がま口
 ・カードケース
 ・札入れ
 ・バッグ
 ・クラッチ、ロングポーチ
 ・タペストリー
。・。・。・。・・

■西陣帯が語り出すメッセージとストーリー
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■ゆうやけkabanのインスタ美術館

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