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「光る君へ」うろ覚えレビュー《第2話:めぐりあい》

前回、第1話についての記事を投稿したあとに、何度も何度も投稿のやり直しをした。吟味を重ねて高品質レビューを書こうとしたというより実は、マジでレビューを書くドラマのタイトルをうろ覚えしていて、文中のいろんな箇所で(なんなら投稿記事のタイトルまで)間違っていたのだ。
すまない。

今年のNHK大河ドラマのタイトルは「光る君へ」でしょ? だよね?
だけど、「光の君へ」「光りの君へ」「光るの君へ」「光る君の」かなぁ、なんて思っちゃうときもあり…。

以前、大河の「青天を衝け」「晴天を衝け」「青天を突け」「晴天につき」「青天を衝く」などいつまでたっても一発で正確に書けず言えませんでした。その点、「どうする家康」は時々「どうなる家康」と間違う程度の軽症だったよ。

さあ、近年の大河ドラマについてざっとおさらいしたところで、本題に進もう。

めぐりあい1 藤原道長とまひろ

第2話というのは、第1話ほどのセンセーショナルさはなく、どちらかといえばこのドラマに登場する人物の立ち位置を説明するのが目的のような。
ストーリーらしいストーリーはまだない様子だ。
ちゃんと登場人物ひとりひとりの性格や立場の違いを説明しておかないと、ほとんどが「藤原姓」の人々だから、区別がつきにくい非常にややこしいドラマになっちゃうからね。

ついに大人になった道長とまひろ(将来の紫式部)が再会。
そのきっかけは、なんとまひろのスっぽ抜けた履物が道長に当たる、というベタなものだった。登校中の食パンをくわえた女子高生が、イケメン男子高生と曲がり角で出会い頭にぶつかる的な。

で、道長は
「あん時な、俺、ぎょうさんお菓子持って待っててんで。月が出る夜まで待っててんけど、お前、けえへんかったやろ」
的なことを言ってたね。

気弱なサルみたいな道長&アゴが長い豪快まひろ。
服装が。

そしてドラマの番宣にも何度も登場したシーン、
「いろんな人の気持ちになりましてやな、歌や文を書く仕事、おもろいでっせ」
というまひろだ。
父親の藤原為時と喧嘩してでも続けたいと思うほどの仕事。
将来『源氏物語』を書く人物によるこのセリフは、紫式部として『源氏物語』を書くことになるまひろのドラマ全編を貫く気持ちなのだ。
だから何度も番宣で流れたわけよ。

しかし、その三郎だった青年(道長)の兄がまひろの母親殺しの犯人である藤原道兼であるということを、まひろは知らない。
いつ発覚するんだろう。視聴者としてはそのXデーも気になる。

あ、それと道長と彼の姉である詮子せんし(円融天皇の女御にょうご)の話し方はえらく現代風だな、と感じなかっただろうか。
確かに、このドラマが平安朝の話し方そのままだったらわけわかんないものになっていたであろうから、現代的になるのは当然といえばテレビドラマの当然なのだが。

実は友人に紹介された以下の動画がある。平安時代の人の話し方について興味とヒマがあったら視聴してみたらいかがだろう。100%正しいのかはあたしにはわからんけれど、興味のきっかけとなり面白かった。

めぐりあい2 藤原実資とあたし

やったー、登場しました藤原実資さねすけ
しかし、秋山竜次が演じることを知った時はちょっと驚いた。
もっとギスギスした痩せ型の人のイメージだったが、ロバート秋山バージョンの実資を楽しみたい。
彼、一度床に座ったら立ち上がるの大変そうである。

実資はなんといっても、のちの権力者・藤原道長が宴会の席で詠んだ
「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば」
という和歌を現代に伝えた人物(道長本人はこの歌を書き残していない)である。
この人の日記『小右記しょうゆうき』に書かれていなかったら、この歌の存在は知られなかったのだ。

第2話の実資は、蔵人頭くろうどのとうという天皇の秘書官となっている。この役職は、いずれ貴族の中のトップ集団である「公卿」になるための登竜門とされている。実資は順調に出世街道を歩んでいるのだ。
いずれ彼は右大臣となる。のち権力者におもねることのない良識ある人物といわれ「賢人右府けんじんうふ」と称された(ちょっと女好きなのはご愛嬌)。

「クリエイターズ・ファイル 藤原実資」という気がしてならない


ドラマの中では、実資が道長の父親である藤原兼家の手腕を認めながらも「せやけど、好きやないで」
的な発言をしてたよね。
これこそが実資の藤原道長一家への一貫したスタンスであり、性格だ。
道長の父親にさえこんな態度なんだからね、もう若い道長なんて目じゃない。
どんなに道長が偉くなっても、この実資だけは道長に媚びへつらわない。
自分なりのルールでもって、曲がったことはしないこの男のことを、道長もリスペクトせざるを得なくなるのだ。

本で読むばかりで実物を見たことない私にとって(おそらくあなたも)、このドラマでは動く実資(いや、ロバート秋山)を見ることができるのは非常に喜ばしい。

めぐりあい3 花山天皇とあたし

帥貞もろさだ親王、将来の花山天皇である。本郷奏多は、すでにネットでも高貴なクズを演じさせたら最高だと噂されているが、間違いない。
映画『キングダム』の成蟜せいきょうや、この『光る君へ』の花山天皇のただれた感じには、共通点がある。
怜悧な顔をしている本郷奏多だからこそ、この娘と母親を同時に愛する腐った好色ぶりと、宮中世界を斜め上から見下ろすような危険な香りを足で広げた扇子で表現できるのだ。
この男性が天皇になるなんて…(萌)! 

本郷奏多(花山天皇)なんだってば。

花山天皇はなかなか波乱に満ちた人生を送っており、これからもぜーったいこのドラマで活躍する。
この人、学校の歴史教科書で紹介されない部分でかなり濃いキャラクターなのだ。
天皇としての在位期間はたった2年なんだが、そもそも天皇即位するときの、あのヤバい出来事はドラマに取り上げられるのだろうか。また、第1話でセンセーショナルな事件で我々をびっくりさせた藤原道兼に絡んだ出家に伴う悲劇も起きるし、さらに、危うく命だって落としかねない事件にも巻き込まれるという、話題には事欠かないひと(100%史実の保証はないが記録はある)である。
気になる人はちょっと調べてみたら多くの逸話を発見すると思う。

だ・け・ど。彼はただのクズでもないよ。
和歌に長けた教養人の一面もある。変わり者のアーティストっぽい性格だったのか。また、後年に仏教に傾倒し、閻魔大王が選んだという観音巡礼地として開かれながらも廃れてしまっていた西国三十三箇所めぐりの巡礼を再興した人物でもある。
でも、ドラマでは文化人的側面より毒の部分がより強調されるのではないだろうか。
ああ、うまそうです。

おわりに

まだ第2話の段階では、少しずつ伏線が張られていっているようではあるが、今の段階ではまだこの膨大な人々が絡む宮廷絵巻『光る君へ』登場人物紹介のステージ、という印象だ。

平安時代は全然「平安」などではなかった。
もともと「平安であって欲しい」と願ったから都は平安京と名付けられたわけだしね。

ああ、あたしにもっと平安時代の爛れきった陰謀と欲望と怨霊をちょうだいよ。