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戦国時代の辞世を集め、心を込めて「戦国百人一首」を作る試み

辞世とは死にぎわに残す歌や詩のこと。
仕事で歴史上の有名人についての記事を書くとき、彼らの辞世に触れることがある。
和歌や俳句、漢詩などの専門家じゃなくても、辞世に込められた力に感じ入ったことはある。
それらは、生きるか死ぬかの戦場で戦う武将たちの歌であって、世に有名な『古今和歌集』とか『小倉百人一首』の和歌などと比べてつたなく、優美さなどからはかけ離れているものも多い。
だけど、辞世は普通の詩歌にない重みや緊張感に充ち満ちている。
考えて見れば、死に際の最後の作品だ。
最期の叫び。
パワーがないわけないのだ。

そこで私は、多くの辞世から100首選んでみることにした。
対象とする時代は戦国。
正確に言えば室町時代から大坂夏の陣を終えた頃の約280年間だ。
怨み、怒り、諦め、後悔。
満足感もあるだろうか?
そんな100人の声を集め、少しでも誰かに伝えたい。
あくまで私基準で選ぶ100首となるが、選ぶからには100人を弔う気持ちでやってみたい。

どんな100首を選ぼうか。
戦国武将だけではなくて、その時代に生きた女性や僧侶、芸術家などが作った作品にも素晴らしいものがあるかもしれない。
和歌、俳句、漢詩、ひと言など形にとらわれずにぐっと来たものを選んでいこう。
気分はまさに藤原定家(小倉百人一首の選者)。
「戦国百人一首」を始めよう。