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【要約】横井軍平ゲーム館: 「世界の任天堂」を築いた発想力◇枯れた技術の水平思考で「売れる商品」を作ろう

ゲームプランナー歴二桁年目のあくび(@akb_san)です。

《売れる商品は、どうすれば生み出せるのか》

商品の開発にかかわる人なら気になるこちらのお題。
今回は、そのヒントを得るための本を紹介したいと思います。

数多くのヒット作を生み出した任天堂の天才・横井軍平さん。
この本では、彼が、どのような思考で「ゲーム&ウオッチ」「ゲームボーイ」等の数々のヒット商品を生み出していったのかが書かれています。

それでは、本の内容を簡単にまとめていきましょう。

横井軍平の数々の発明

本の前半では、横井さんの開発した商品の解説をご本人が行っています。
ここでは「企画」や「アイディア出し」に繋がる考え方を抜粋して紹介します。

アイディアは人の観察から

ウルトラハンドの原型はひまつぶしの玩具
あれだけ人が熱中しているんだから、絶対面白いはず

⇒人が熱中しているものを参考にものを作るべき

「〇〇できないか」から生まれる数々のヒット商品

女の子の手を握れないか : ラブテスター
打楽器の音を一人で出せないか : エレコンガ
組み立てたものがバラバラになる快感を表現できないか : N&Bブロッククレーター
1チャンネルでラジコンカーをコントロールできないか : レフティRX

⇒「〇〇できないか」を形にすることが商品を生み出す鍵になる

遊びにユーザーも巻き込む

ピースをはめるパズルゲーム
色をそろえて入れておけば元に戻るやろ
「これはどうやって解くんですか?」「俺も知らん」

⇒全て設計するのではなく、ユーザー自身に遊び方をゆだねることも時には必要

技術の水平思考の実践

太陽電池は電池と呼ぶからわからなくなる
太陽電池を使っておもちゃを作る

⇒持て余してしまっている技術の使い方は他にあることもある

「狙い越し」を再現したレーザークレー
どうせやるなら大げさに作ってやろう

⇒大げさにつくることで世の中にインパクトを与え、ヒットにつなげた

新幹線の中で発想して、自動車の中で実現

新幹線の中でサラリーマンが暇つぶしに電卓を使って遊んでいた
 「あ、暇つぶしのできる小さなゲーム機はどうだろうか」
社長の運転手をするときに、新幹線で浮かんだアイディアの話をする
その後、しばらくたって、社長から話がきて実現したのがゲーム&ウォッチ
「暇つぶし」の人間工学を追求したデザイン

⇒日頃から人を観察し、そこからアイディアを生み出す
⇒アイディアは自分の中に溜め込むだけではなく、外に出して共有することで実現するためのチャンスが生まれる
⇒表現したいものを徹底的に追及して実現することでヒットした

他愛もないことを大げさにやることで、ゲームが面白くなる
1+1が20にも30にもなった「ドンキーコング」

⇒「ドンキーコング」は、画面がわかれて2画面になっている「ならでは」の面白さを生み出すことでヒットにつながった

キャラクターはハウツープレイの役割を担っている

△〇だと、誰が敵でどれがプレイヤーかわからない
ゲーム内のキャラが遊び方を見せる
ゲームで遊ぶ人はマニュアルなんか読まない

⇒ユーザーがマニュアルなしでも自然と遊び方がわかるようにするために、キャラクターたちをデザインする

その他、横井さんの名言

シリーズ化による相乗効果
コピーされてこそ本物
新しいものが当たるか当たらないかはフィフティフィフティ

⇒横井さんのものづくりに対するスタンス

横井軍平の哲学

本の後半では、これからクリエイターを目指す人にむけてのメッセージが書かれています。

プロデューサーになれ

技術者は見栄を捨てることが大事
全てをじぶんでやろうとしてはいけない。専門家にませることを考えよう。技術者になるな。プロデューサーになれ
プロデューサーに必要なのは、専門知識ではなく、ものの根本の原理
若い人には外側から見る目と勇気を持ってほしい
本当の問題は、若い人よりも上に立つ人

⇒クリエイターを目指す人はプロデューサーになるべし

「売れる商品」を作るには

娯楽品のニーズは「暇つぶし」
そのため、暇つぶしのニーズ「何をしたら楽しいか」を探すことが大事
同時に、ユーザーは何を「求めていないか」を探し出すことも大事
「すごい商品」はユーザーには必要ない
すごい商品でなく、売れる商品が必要。

⇒技術者はユーザーが「求めていない」ものまで付け加えてしまうため、「ユーザーはこう言っているけど、本当のニーズはこうなんだ」を技術者に説明するインターフェースの役目をする人間が必要

⇒「売れる商品」を作るために「何を外すか」が責任をもって言える人がインターフェースの役目を果たすべき

⇒インターフェースの役目、というのが、つまりプロデューサーになるということ

技術にほれ込んではいけない。水平思考をしろ

技術が枯れるのを待つ。
そうすると値段が下がる。そこが狙い目。
枯れた技術を水平に考える。
枯れた技術で何ができるかを考える。利用方法を考える。
産業の空洞化は単なるアイディア不足

⇒枯れた技術の水平思考でアイディアを出せばヒット商品は生み出せる

所感

横井さんの考え方を学べるこの本には、ヒット商品を生み出すためのヒントがたくさん詰まっています。

企画職につく方はもちろん、アイディアを出したい全ての方にお勧めします。ぜひ読んでみてください。

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