【短歌】少しずつの秋
少しずつ短くなった蜂蜜を夜に溶かしておやすみをいう
すこしずつみじかくなったはちみつをよるにとかしておやすみをいう
秋がお散歩しはじめてクーラーが少し寒く感じるようになりましたね。
蜂蜜はお日さまのことなのですが、日が短くなってどことなく真夏の陽射しというより、蜂蜜のようなトロリとした甘さが溶けて夜になっていく。
夏は中々に蒸し暑く寝苦しかったのにいつのまにか眠ってしまえる夜がきて心地よいはずなのに夏は知らぬ間に去っていってしまって
あああっと思ってしまいます。
それがとても寂しく感じてちゃんとお別れを知りたくなります。
夏がさってゆく瞬間って、いまっていつかなと思う時は、
未明にクーラーのリモコンを手さぐりで探したり、タオルケットにすっぽり包まれたくなったりした時なんじゃないかと。
それに気づかないままだと夏は、「それじゃあ」なんて言わないままだから、ほんとうに駆っていってしまう。
夏が苦手であんなに秋が早く来ないかなと思っていたのに、過ぎゆく夏の瞬間はちゃんと感じたい。
ムスクのような匂いの秋がどっぷりと訪れてしまえば諦めもつくのに。
まったく、ひとって矛盾に満ちた勝手な生きものですね。
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