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未経験からライターに転職して3年。採用活動を通してわかった“未経験でもライターになるコツ”

「文章を書く仕事がしたい…」
「未経験でもライターとして雇ってくれる会社はないだろうか…」

書く仕事を求めて私が転職を決意したのは、2016年梅雨。それまでは教育系の広告代理店で一般事務の仕事をしていました。

その年の秋、実務経験がないにもかかわらず今の会社に採用していただき、ライター・ディレクターとしてのキャリアをスタート。今年で4年目を迎えます。


先日、弊社で「ライター・ディレクター職」の募集を行いました。アルバイトやパート、契約ではなく、正社員の募集です。先輩のライターさんが退職されたので、人員補充のための求人。私が入社してからは一度も募集をしていなかったので、じつに3年ぶり?の求人になります。

とっっっっても小さな会社なので、私も面接をさせていただきました。「私が面接官なんて……」という気持ちもあったのですが、「ライターの仕事がしたい!」と「書くことが好き!」な皆さんとお話しできたのはすっごく楽しかったし、“収穫”もありました。


“収穫”——……未経験だけどライターとして採用される絶対条件です。


……いや、なんか大袈裟に書きすぎちゃったな。
釣りっぽい。違います。

このnoteでは、未経験からライターに転職した私の経験、さらには弊社でのライター採用活動を通して感じた、「未経験だったとしても、こんな人だったら採用できる」ということを書いていきます。

あくまで私の考えなので、それがライター業界の全てだとは思わないでください。

もし「未経験だけど文章を書く仕事がしてみたい」と思う方がいらっしゃったら、参考にしていただけたら幸いです。



◎未経験可のライター求人ってあるの?

私が転職活動をしたのは3年前なので、記憶が若干薄れつつあるのですが、「正社員」で「未経験可」のライター求人は結構レアでした。その中で、書いてみたいジャンルを絞っていくと、どんどん件数が少なくり、「ああ私はライターになれないんだ……」と絶望していた記憶があります笑

弊社に面接に来てくださった方も「未経験で応募できるところは少なくて……」と仰っていました。

ですが、(転職活動時にお会いした)キャリアカウンセラーの方によると、求人に「実務経験必須」と書いてあっても、他の要件(年齢やその他の資格・スキル・経験など)が6割程度マッチしていれば、応募しても良いそうです。

ちなみに、弊社は未経験の方も積極的に採用しています。小さな会社なので、経験のある方だと希望のお給料が払えない場合があって……もにょもにょ。

かくいう私も未経験で採用されています。弊社は、教育機関の広告(学校案内やオープンキャンパス用のチラシなど、入学募集に関わる広告がメイン)を取り扱っているので、私が「教育系の広告代理店に勤めていて、学校関係の知識があったこと」、さらに「学生時代に高校生向けの学校案内ツールを作っていたこと」が採用の後押しになったようでした。

(あとは抜群に人当たりがよかったとおっしゃっていただけましたが、入社して4年経つ今となっては、その頃の謙虚さは皆無ですwww)


◎エントリーでチェックすること

ライター・ディレクター職での募集なので、「文章がちゃんと書けているか」は面接前の応募段階(マイ○ビさんで求人を出したので、面接前にエントリーがありました)でチェックしました。

上手い下手ではなく、要点がはっきりせず意味の伝わらない内容の方はお見送りさせていただきました。

様々なエントリー内容を読みましたが、転職サイトに掲載されている志望理由や自己PRの文例を丸パクリして書かれている方は、ライターに向いていないと思います。ライターは“自分で”文章を書くのが仕事。参考程度なら良いのですが、自分の表現力をアピールする場でもあるし、工夫して書ける人がライターとして楽しくやっていけるのではないでしょうか。

テンプレートのような文章で堂々と書いておられる方を見ると、「本当にライターやりたいのか?」って思っちゃいますね……笑


◎受講歴・受賞歴があるなら……

「絶対」というわけではないのですが、スキルアップのために受けられている講座・あるいはコンテスト等での受賞歴があるのであれば、履歴書・職務経歴書などにも書いた方が良いと思います。

「未経験」だからこそアピールポイントは大切に!

弊社の面接でも、宣伝会議のコピーライター養成講座や編集・ライター養成講座の受講生さんがたくさんいらっしゃいました。その中には、コンテストで○次通過したとか、〇〇賞を取ったとか、○位に入ったとか書いてくださる方もいました(宣伝会議で選考通過するってすごいよね!!)。

他にも、学生時代に自作の小説が学内の最優秀賞を取った方、映画やドラマの脚本を勉強する学校に通っている方もいらっしゃいました。

求人には「未経験でも構いませんよ!」と書いてはあるのでスキルは問いませんが、積極的に勉強されていたり、コンテストにチャレンジされているのは好印象ですよね。

未経験の方を採用するのは会社にとってもリスクがあります(イチから作業を教えるのは、誰かの仕事が中断することなので)。だからこそ、「未経験」という一見デメリットに見える部分を自分で払拭できる力がある人は強いなと思います。

……といっても、これは「絶対」ではありません。講座に通うのもお金がかかるし、遠方ではなかなかチャンスがなかったりもするので。

私もライター歴4年になりますが、ライターになる前も、なってからも、スキルアップ講座には通ったことがありませんし、受賞歴はゼロに等しいです(自慢気に言うことじゃない)。

なので、弊社に応募してくださった方から逆に刺激をいただきました。私も現状に甘んずることなく、ライティングのスキルアップを図ります。


◎趣味でもいい。

ここまで読んで、「ちゃんと書けてる自信もないし、受講歴も受賞歴もない!! ライターなんて無理!!」と落ち込んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか……。


……私もです笑


これ、一般事務をしていた頃の自分が読んだら泣くな〜と思いながら書いています。当時「ライターになる方法」をググりまくっていたので。


そんな話はさておき。私が未経験の方を採用するのに絶対に譲れなかったポイントは「書くことが好き」「何でもいいから現在進行形で日常的に文章を書いている」の2点でした。

「ライターになりたい」方は大体書くことが好きなので、応募者のみなさんもこの点はクリアーしていました。が、

「何でもいいから現在進行形で日常的に文章を書いている人」は意外と少なかったんです!!!!

面接で受け答えもはっきりしていて、かなり印象の良い方がいらっしゃったのですが、その方も「今は何も書いてない。大学の時はレポートを書いたりするのが好きだった」とのこと。


書いてないんかい!!!!


って感じでしたね(新卒採用ではないので、大学の時って何年前よ…とも思います)。


それ、好きって言わなくない??
好きなら書かずにはいられなくない??
え?? 私の感覚、厳しすぎ??笑


「文章が好きなら書いていてほしい」は単なるエゴかもしれませんが、「書いていない」時間が長くなればなるほど下手になることは事実です。

高尚なものを書いていなくてもいいのです。趣味でもなんでも「日常的に何かを書いている」のであれば、善し悪しはさておき、私は「信頼」できます。書けば書くほど上手くなるけど、書かなければ上達はありません。書いていない人は上手くないです。ひどい言い方してすみません。


「今、何か文章を書いておられますか?」という問いに対して、

「二次創作ですが、コミケなどで販売しています」
「すごく人気があるわけではありませんが、noteをやっています」
「友達と映画を撮っていて、シナリオを作っています」
「新聞の読者投稿に応募しています」

などなど、様々な回答をいただきました。

いいんです、ブログがバズってなくても、小説のPVが100いかなくても、コンテストで選ばれなくても。文章を書くことが日常になっている、それだけで採用する側は安心できます。だって、“書いている”んだもの。“書いていない”より全然いいじゃないですか。

受講歴や受賞歴がなくても、文章が好きなこと、それをカタチにしていることは伝えられるはず。絶対に強みになります。


◎どの仕事にも言えることだけど

「書くことが好き」「何でもいいから現在進行形で日常的に文章を書いている」の2点のほか、ものすごく当たり前のことではありますが、「心地良くコミュニケーションが取れるかどうか」で最終的に採用する方を決めました。

「これまでの文章云々はなんだったんじゃい」と思われる方もおられることでしょう……すみません。でも、弊社は各業界人へインタビューする仕事もあるので、インタビュイーに失礼があると、やっぱり困るのですよね。社内の人に失礼があっても構いませんが……笑

今回の採用で弊社に入社してくださった方は、ハキハキと受け答えのできる明るくて爽やかな人です。趣味で文章を書いてはいるけれど、ライティングの実務経験はありません。数ある応募者の中から、いちばん、インタビューで感じの良い対応ができそう、ということで内定を出しました。


◎これが真実ではない

未経験のライターを採用した面接官の戯れ言は以上です。あくまで私が一緒に仕事をする上でのポイントなので、何も参考にならなかったらすみません……。クレームになったらどうしよう……ドキドキしてきた……。

弊社のライター採用にあたって、未経験ではなくて経験者を採用する考えもありました。経験者を採った方が仕事の負担も減りますし、私としても勉強になります。

でも、私はこの会社に拾ってもらったから、ライターのキャリアを始めることができたんです。未経験でライターとして雇ってくれる会社なんてほぼない。だから「実績はないけど書くことが好きな方のチャンスになったら……」という思いが、やっぱりどこかにありました。

「稼げるから」とか「楽そうだから」ではなく、文章を書くことへの熱意のある人に、書く仕事に就いてもらいたい。これは私のエゴですね。


このnoteは「会社員としてライターになる」に限ってお話ししてきましたが、ライターになる方法は他にもごまんとあります。クラウドソーシングなどでライティングの仕事にトライできるので、試しにやってみても良いでしょう。何も、会社で働くことが全てではありません。


また、「(小説家やエッセイストなどの)表現者になりたいのだから、(商品やサービスの記事を書いたりする)ライターの仕事は違う」とお考えの方もいらっしゃると思います。

私も表現者を目指していますが、個人的には「ライターの仕事をしてよかった」と思っています。四六時中、書くことを考えているのは幸せだし、自分がどこまで書けていて、どこを書けていないのか、客観的にわかったような気がする。ライターを始める前と今では、格段にライティング能力が違います。


と、いうわけで長くなってしまいましたが、「未経験でも文章を書く仕事がしたい!」という未来のライターさんの参考になれば幸いです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!



《まとめ》
上達&仕事への近道は、何でもいいから現在進行形で日常的に文章を書く。


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