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息子の初マウンドが教えてくれたこと

先日、野球チームの練習試合で、7歳息子が先発マウンドを任された。 


1年生でマウンドに立つことは異例だが、新チームが2年生1人(彼はキャッチャー)、あとは1年生というメンバーのため、14mの距離でしっかり投げられる息子が登板することになったのだ。

チームのコーチの一人である夫は塁審をしながら、私は例によってカメラを片手に見守った。子どもたちの表情までとらえたくて、思いきって買った望遠レンズ。それを使っての初めての撮影でもあった。


マウンドに立った息子は、予想に反して、ピッチャーそのものだった。


教えられたことや練習してきたことを丁寧に忠実にやっていた。

フォアボールを出したときは、肩を回し、息を大きくはいて、自分をリラックスさせようとし、時に天を仰いで目をつむり、自分に集中しようとしていた。

キャッチャーミットを構える場所が違っていたら、当たり前のように手で「もっとこっち」と伝えていた。(夫いわく、これを遠慮なくできるのは“根っからのピッチャー”だそう)

途中フォームが崩れ、投球が乱れてきたとき、監督の一言で修正したのには本当に驚いた。

任されたマウンドで、自分のやるべきことをやり抜いた。


まだまだ7歳と思っていた私は、その堂々たる姿に圧倒された。夫は審判しながら、感動して泣いていたらしい。それくらい息子の姿は輝いていた。


キャプテン(2年)がすごいガッツで球をとってくれたのも、息子の励みだったと思う。これまた初めてと思えないくらいの素晴らしい動きで、感動しきり。

他の仲間たちも、みんながみんな、声をかけあい、それぞれの持ち場でチカラを尽くしていて、その成長にじんわり。

こんなチビッコばかりのチームで試合になるだろうかという親たちの心配は、完全に覆された。



今回、望遠レンズで初めてプレー中の息子の表情を見つめてみて、特にその目が忘れられない。今この瞬間、この一球に全集中する目。「あぁこの子には不可能なことなんて何もない」と思えるほどの強さがあった。


それはまだ7歳だからなのかもしれない。いつか失われるかもしれない。それでも私は親として、神様から預かったこの子のこの目を大切に育んでいこうと思った。


そして私もこんな目で、自分の創作に向き合いたいと願った。


母親になって7年、いつだって息子は私に大切なことを思い出させてくれる。子どものような目で世界を見つめたい、私、43歳。


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