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圧縮時間

 コンビニコーヒーを2つ買い、コーヒーメーカーに向かうと先客がいました。10年くらい若い武井壮さんのような雰囲気の、いわゆる意識の高そうな方です。
 コーヒーメーカーは2台あり、先客さんも2つコーヒーを持っています。
 先客さんはコーヒーをひとつセットした後、もう一台のコーヒーメーカーを私に譲ってくれました。手を「どーぞ、どーぞ、どーぞ。」という感じで、素早く扇いでいます。
 お言葉(お手振り?)に甘えコーヒーをセットしていると、先客さんは目にも止まらぬスピードで蓋など用意し、つつがなく2杯目をセット、抽出後、豪速で歩き去って行かれました。歩いているはずのですが、彼の回りだけ3倍速なのです。
 1杯分未満の時間差で抽出が終わったのに、彼はもう車に乗り込むところです。
 相対性理論のような時間の伸び縮み(愚かにも理解できない理論を…)、なんだか空間が圧縮されているような変な感じがしました。
 タイパという言葉が頭に浮かびます。先客さんは、思いやりがあり段取りがよく頭の回転が早い方とお見受けします。順番を譲ってくださりありがとうございます。
 あーでも、仇なすつもりはないけれど、愚鈍な私は、ほんの少し目が回ってしまうのです。


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