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プロダクトマネージャーについて採用活動を通して考えたこと

この記事はプロダクトマネージャーへのキャリアチェンジを検討している方や、プロダクトマネジメントに関わっていながらも働き方を見直してみたい方向けです。

執筆の背景

2022年で個人的に新しかった取り組みとしてプロダクトマネージャー(以下PMと略)の採用活動があります。

半年で40件ほど面談をこなしてきた中で、自身の考えるPM定義やfreeeのPMについての理解が整理されていったため、改めて言語化したく思って執筆しました。

プロダクトマネージャーって何をする人なの?

面談の相手の方は必ずしも開発現場の経験者では無く、むしろfreeeでは開発未経験からPM採用する事が他社より多く感じます。

そのため開発未経験の人にも分かりやすく説明する必要があるのですが、この質問を受けた時は、PMはその業界の未来をつくる人と答えています。

もう少し硬くすると会社が実現したいビジョンの実現に最も責任を持つ人となります。

ITテクノロジーに限らず全てのものをプロダクトと定義するなら、プロダクトに触らずに生きる事は不可能な世界で私たちは生きています。

PMはプロダクトを介して人々の仕事や生活の一部を変化させる事ができ、最終的には人の生き方全体に影響を及ぼします。

ものに変化が生じる時、そこにはプロダクトマネジメントの考えが存在していて、それを集中してリードできる職業がPMです。

余談ですが今年(2022年)のpmconfの大規模調査の結果でも、多くのPMはプロダクトマネジメントを"未来の世界をつくること"と捉えている事がわかりました。

1. プロダクトマネジメントとは、未来の世界をつくること🌏

https://note.com/pmconfjp/n/nfabb24b68053

プロダクトマネージャーの仕事は具体的に何なの?

一つ前の質問はどの企業でも共通の回答となりそうなのですが、具体的な仕事内容になると各社回答がバラバラになります。

それは企業のフェーズや事業の性質(toC toB以外にもターゲット市場の性質なども)が影響していたり組織内の他の職能の有無だったり企業文化などなど、ビジョンの実現においてPMを必要とするシーンがそれぞれ違うために生じる違いだと考えていて、ゆえにスキルのカバー領域も多種多様となってしまうのが現状です。

freeeのPMが何をしているか具体例を話すと、最初に向き合うのはプロダクトビジョンの検討とそれを実現するためのロードマップ策定など、プロダクトが目指す未来の全体像を描く事からはじめます。

「優秀な経営層が全て決めてトップダウンで動いている印象を持っていた」と言われた事がありますが経営層は全社ビジョンを考え浸透させるまでに留まり、それぞれのPMが全社ビジョンに向けて担当プロダクトでどんな世界を実現したいかを考えています

プロダクト責任者としてのプロダクトオーナーもいますが、PM全員の協議する場の設定などPMの総意で理想のビジョンを描けるようにリードするポジションとしています。

プロダクトビジョンとロードマップが決まったら、テーマ毎にPMがついて、根本課題の探索・仮説立案・仮説のコンセプト検証などを実施し、確信が持てた仮説をプロダクトチームで開発してリリースし、リリース後は効果検証をして、得た学びを持って次のテーマに向き合うという流れです。

主にPMがリードする作業を図で表すと下記の青塗り箇所となりますが、"実装"〜"運用"の間もスクラムチームのメンバーとして議論に参加したり開発中に発生した課題に対する意思決定を下していきます。

10分でわかるfreeeのPdM

またチームメンバーの巻き込みとしては、根本課題の探索からプロダクトデザイナーを巻き込み、仮で要件が見えてきた段階でエンジニアを巻き込むなど、チーム全体を企画の早い段階で巻き込みながら全員がユーザー視点で解決すべき課題に向き合えるように議論をリードしています。

プロダクトマネージャーって何が楽しいの?

まず、前提としてすごく大変な職業だと思います。

経営者でもないのに経営者と同等の俯瞰した視点を持つ必要があるし、今まで全然知らない職種のメンバーも向き合うテーマに関係する部署であれば新たに巻き込んで動かしていく必要があります。

エンジニアと比較すると都合の良いライブラリーなんか無くて全てフルスクラッチでプロセスを組み上げて実行しなきゃいけなかったり(社内にノウハウあったり知見を書籍から得る事はできるけど自ら実行しなければ結果は得られないという意味)、さらには人間関係のいざこざにも向き合わなきゃいけない場面が出てくることもあります。

それでもPMを続けているのは個人的な話ですが、未来を想像する過程に自分の思考を強く反映できるのが面白かったり、小さい範囲でも未来を良い方向変えた実感が得られる事がモチベーションになっています。

リリースした機能についてtwitterでエゴサしてユーザーの反応から喜びの声を見つけられると「ヨッシャ!」って机でガッツポーズしてます。

間違った判断を下してしまう事に恐れを感じる人もいると思いますが「どうせ愚かな判断を下すなら、誰かの手じゃなくて自分で下したい」と思うくらいの覚悟が無いと挑めない職業だとも思います。(この話はProductLeaders2022の中でエンジニアからPMに転身されたDaniel Haiさんの受け売りです。)

プロダクトマネージャーとして活躍できる素質とは?

現在PMをやっていない人と面談する時によく聞かれる内容ですが、自らの理想を描き意見を持って行動できているかだと答えています。

例えばプロジェクトリードを任された時にどう思うかのケースとして

Aさん「XXさん(もしくはXXコンサル)とか賢い人が立案したプロジェクトだから、その通り間違わずにちゃんと実行できるようにがんばろう」
Bさん「このプロジェクトもっとこうしたら良くなるのでは?ちょっと自分の職務領域をはみ出すけど実現できるようにがんばってみよう」

上記のケースではAさんよりBさんの方がPMの素質があるように思えます。

目の前に仕事が発生した時に目的を把握した上で自分なりの理想状態を思い描き、それを強く実行したいと思えているかがPMの素質として重要と考えています。

上記以外でも目的に向き合ってと自分ごと化する事が可能なシーンで「自が目的を決めた訳じゃないから…」や「自分の職務領域じゃないから…」と目を逸らす事をせず、自ら枠をはみ出ることも厭わずに理想の未来に向き合えてる人がいたらPMっぽいなと思います。

freeeのプロダクトマネージャーはどうしたらなれる?

面談でアトラクトがうまくいくとこの質問をいただく事があります。

freeeには「理想ドリブン」という価値基準(いわゆる行動指針)があり、これがfreeeのPMに最も求められる力だと考えています。

freeeのPMは多くの裁量が与えられている分、より高い理想を実現することが求められていて、PMが描ける理想の限界がプロダクトで実現できる未来の限界で、さらにはその業界の未来の限界に直結しています

freeeには頼もしい開発メンバーが揃っていて、各自が自走して開発に向き合ってくれるため実行力に関しては課題を感じる事はほぼ無いです。

その分どれだけ高い理想を描きながら最初の一歩を踏み出せるかにそのプロジェクトの成否が懸かっています

開発経験が無かったりその業界に対する知見が無くても、高い理想を描くためのプロセスを持っていて仕事で発揮した経験があると採用の可能性は高くなると思います。

freeeのマジ価値指針

さいごに

ここまで読んで「自分には難しいな…」と思われる方多いかと思いますが、実際担当した40件の面談から内定に至ったのはまだ1件も無く、PMとして十分経験があり問題ないと感じた方も、次の採用の過程でバシバシ落とされていて、正直厳しすぎではと思う事もあります。。。

最近はどの企業もPM不足と謳われていて売り手市場な状況ですが、それでもfreeeは狭き門を維持しています。

ただ、それでもPM組織の半数以上のメンバーで採用活動を行っているため、月に1,2名のPMが新規参入していて、高い理想をぶつけ合ってさらなる高みを目指せるPMが揃ったより強い組織になっています

自分の力量を測る目的や記念受験でも構わないので、この記事で関心が高まった方のご応募お待ちしています!!

採用担当にご希望言っていただければカジュアル面談など私が対応します。
もしくはMeetyも募集していますので、この記事の感想などお聞かせいただけると嬉しいです。

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