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フィンランドで音楽関係の学校を卒業

気が付けば、フィンランドに住んで4年がたとうとしています。その間にコロナあり、続いて世界に影響する人の出現あり・・・あまり実感がない気もします。

もしかしたら、今のアパートに住んでやっと1年と少しだからかもしれません。こちらの記事で、前の前のアパートでの音について嘆いていますが、フィンランドに住んでいても静かな環境を見つけるのが難関でした。音に過敏なのかもしれません。電車移動や飛行機には音はつきもの。ですが、たいていは一定の音であって、普通の事として受け止めているようです。

さて4年が過ぎて、学校を卒業することにしました。周囲には卒業先延ばしの学生も多いみたいです。留学生であっても、延長可能なようですが、だらだらしていてもなあ、と、頭をきりきりさせて最後の宿題を提出しました。提出というより、投げた、もしくは投げ出した、という感じでしたが。

勉強は若い頃にするのもよいです。

さて、卒業資格というか、私が得た称号?は、
フィンランドで、クラシック声楽の指導法を学んだ人
と言ったところです。
クラシック声楽の指導は、多くの場合、自分が学んだ事をベースにあれこれ工夫しながらという事が多いのですが、この学校では2年間のレッスン実習があり、私は延べ約6人の指導を行いました。レッスン実習は、生徒一人につき1時間です。このレッスンの30分バージョンを、先生や学生仲間に見てもらう(そして褒めあう)というものでした。

医者はいきなり手術することなく、インターンで経験を経て現場に立ちます。看護師も、実践を積んで現場に出るでしょう。私のいたフィンランドの学校は、歌の先生になるにも、実践を積んで現場に出る、という学びなのです。内容については、また機会を作って書きたいと思います。

久しぶりの夏休みは、結構休みらしい休み。「宿題なし」です。一般的なフィンランドの世間では、もう新学期も始まっているようなのですが、私はもう少し休むつもりです。宿題にきりきりしていたら、頭も顔も固まっていたように思えます。マッサージで顔もほぐされたのですが、痛かった・・・

この学校でもっとも得したのは「もう一つの実技」つまり声楽レッスンです。4年間、声楽のレッスンが、けっこうな時間ありました。週に例えば45分+30分と2回に分けられていたりしました。2年と4年にテストがあり、またその合間に別のテストもあります。卒業のための「リサイタル」は、45分から60分のプログラムで、とのこと。蓋をあけたら40分くらいでしたが、ピアニストの移動、楽譜の用意など前後含めた時間です。つまり、声楽の先生になりたいのであれば、それなりの実技も必要、という事です。

私がスゴイと思うのは、これがこの学校だけではなく、全国での定義、という事です。ランクは国立音大ことシベリウスアカデミーがAランク、私の試験はBランク。Cの場合は、幼児教育に進む仲間のようです。

私はすでに職業歌手としての演奏経験と、フランスで得た声楽指導国家資格があります。とはいえ、病気と同居したりで教えることが中心となってからは、体調が落ちる一方でした。体調がおちるということは、声や歌の調子も落ちます。そもそも、どの時点でテクニックとして完璧クリアしたか?と今から思うといや、わからん、しかありません。
年取ると声が衰えると言われますが、アラフィフからアラカンの4年間で、人生で一番納得のいく声がでるようになりました。

しかし、10代の頃からの苦手だった暗譜に頭も体も酷使し、くたくたです。
譜読みはやたら早いのですが、暗譜も学びなんですよね。

というわけで、6月には強制終了しましたが、まだバーンアウトです。

少しずつ、弾き語りの練習を再開しています。


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