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夏の思い出

30年ほど前、夏は一番忙しい時期で、息をつく暇もなく翌日がやってくる毎日を過ごしていた。

アメリカの大学の交換留学生の日本事務所に勤めていた私は、7月の初めに第一弾、その学生たちが落ち着いてきた7月末から8月初めに第二弾が到着し、100名近い学生を、空港での受け入れから、寮やホームステイのホストファミリーへの引き継ぎや、日本語のインテンシブ講座はの事務手続き、銀行口座開設から、買い物の仕方、また、秋以降通う全国に散らばる派遣大学への手続きなど、生活のことから、勉学のことまで、さまざまな事を世話をする日々に明け暮れていた。

そんな日々中でも、学生たちを相撲部屋の朝稽古に連れて行ったり、神宮の花火大会に連れて行ったり、お茶、お花、鎌倉遠足などのエクスカーションを企画して行っていた。

数ヶ月経ったら自分たちで何でもできるようになる20歳前後の学生の、日本の生活の導入部分を、つつがなく、そして日本が好きになってくれるよう、言葉がまだおぼつかない学生が寂しい思いをしないよう、工夫していたように思う。

私自身も英語が堪能だったわけではないけれど、自分の短い留学期間に感じた事を踏まえて、日本に来る学生が楽しい一年間を過ごしてほしいという思いが、仕事をさせていたよなぁと思う。

日本に留学してきていた学生達は、超優秀な学生達だ。今頃世界のいろんな分野で活躍しているだろうなぁ。

コロナがひと段落して、外国から来ている人達をそこここで、また見かけるようになって、日本を沢山経験して行ってね。と思う。

この日本で、いろんな事を感じて、その後の人生に役立ててもらえていたら、嬉しいなぁと思う。

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