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焼酎1合カルチャーショック

そもそもが酒好きではありますが、焼酎は大学時代にバイト先の居酒屋で飲んだ黒糖焼酎「れんと」で覚えた。

最近缶でも発売された「いいちこハイボール」は何年も定番の飲み方で、他には代え難い麦の爽やかな香りが夏の風物詩でもある。寒い季節はお湯割りがそれである。

大学の卒業旅行で、野球好きの友人とプロ野球オリックスのキャンプを観に2月の宮崎へ飛んだ。
散々野球を満喫した後、夜のお楽しみは地鶏と焼酎。前もって調べた人気店に足を運んだ。

とはいえ最初はビールがいいかな。そう思い、メニューを手に取ろうとすると、机の上のポットが目に入った。なにこれ、なんでポットあるの。

はっとした。

私はそれを「とりあえずビール」と言わせぬ強烈なメッセージと受け取った。何のために置いてあるかは歴然だった。九州南部の気概である。

カルチャーショックは続く。焼酎の注文単位は「1杯」ではなく「1合」だった。注文すると、白いとっくりと厚手のグラスが運ばれてきた。驚きと高揚感でにやけてしまう。

焼酎を注文してとっくりが登場するとは夢にも思わなかった。

日本酒どころ福島で生まれ育った上、まだ雑な飲み方しか知らなかった大学生の私にとって、とっくり=日本酒の方程式が崩れ去った瞬間だった。


テーブルごとに鎮座するポットからお湯を半分ほど入れ、とっくりから焼酎を注ぐ。それだけで、これまでバイトや家で幾度となく合わせてきた焼酎お湯割りとは全く違う向き合い方をしていると感じた。本場とはこういうことか、となんとなく背筋がしゃんとした。

まぁ飲み始めるとすぐゆるゆるになっちゃうんだけどね。そして美味しかった。

そんな焼酎の思い出がある。

dancyu編集長・植野さんの「食べるラジオ」が終わってしまった。「プロフェッショナル」で植野さんの食に対する探究心の強さを知っていたから、気になってはいたけど一度も聴かずに最終回を迎えてしまったことを悔やんだ。

radikoプレミアム会員なので、仕事の合間の車移動中に最終回を聴いた。焼酎・泡盛をテーマにしたトークショーを抜粋して放送していて、興味深い焼酎の飲み方を紹介していた。

焼酎と水を合わせて一晩置くことで、両者が馴染んで一層美味しくなるという。

まだまだ知らない世界があるぞ。
ごくりと唾を飲んだ。

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