数学の川合先生
私の忘れられない先生は、高校の先生だ。
おとなしい先生だった。
おとなしく、それでも意思は固く
卒業式の日に、大事な言葉を贈ってくれた先生
数学の川合先生という人
数学の先生だった。
おとなしい先生だった。
ちょっとおちょくられるタイプの先生だった。
授業は普通にわかりやすかった。
わからないと言えば、真剣に向き合ってくれた。
向き合ってくれたのは、勉強に関してだけじゃなかった。
「こんな校則おかしいとおもいませんか?ねぇ!先生!」
こんな問いかけに、
「うーん、難しい。非常に難しい問題だ。うーん」
と腕組みしながら真剣に考えこんでいる姿は忘れない。
意思の固さを感じさせる先生
先生はおとなしく、全然怖くなかった。
私のクラスは物理クラスという事もあり、男子が8割。
先生はおちょくられることも、しばしばあった。
自分が笑われることを不本意に感じながらも、注意はするけど、あまり生徒を責めないそんな先生だった。
でもその時は違った。
先生は怒っていた。だまって怒っていた。
生徒側も高圧的な態度だった。先生よりはるかに背の高い生徒が先生に詰め寄っていた。お互い真剣だった。(詳細はわからなかったが、生徒が一方的に馬鹿にしているとかではなかった)
あー、先生かわいそうだな。高校生男子怖いよなー。なんとなくの注意で終わっちゃうかなー、と観察していたけどその日は違った。
「いえ、ダメです。良くないです」
なんでだよ!と詰め寄る生徒に妥協することなく、うまく説明できていない様子だったけど、固い意思を示し続けた。
生徒は不服そうにさっていった。
いつもなら、流してくれる先生が流さなかった。生徒もこんな終わりは想像してなかっただろう。
この一件に彼が何を感じたのか、私は知らない。
馬鹿にされていなかった
おちょくられることはあったけど、川合先生を馬鹿にしている生徒はいなかったと思う。
先生はあまり怒らないので甘えてわがまま言ったり、時には先生に強くあたったりする生徒もいたけど、普段関わる姿を見ていれば、馬鹿にしていないのは確かだった。
そういえば、先生の陰口は聞いたことない。
言いたいことがある時は、先生に直接言えるからだろう。
かといって、先生がみんなに色々言われまくっている様子も見た事はない。
卒業式の日に
川合先生は3年生の担任の先生だった。
卒業式が終わり、先生から最後の挨拶という恒例の流れだった。
色々話していたことはほとんど覚えていない。
でもこれだけはよく覚えている。
「大人の人が色々言うと思います。
わからなかったり、不満だったり色々な思いを持つと思います。
でもきっと、わかる日が来ます。
いつかきっと来ます。」
当時の私は、ふーんそうかな?そんなもんかなー?となんとなく聞いていて、すっかり忘れていた。
わかる日が来た
成人して、社会に出て、色々あって結婚して、子供をもって、今先生んにに伝えたい。。。
先生!!わかります!
わかる日がきました!!
わからなかった色々が、今ならわかります。
川合先生にそう伝えたいです。
子どもの気持ち
私は子育てを始めてまだ10年弱。
大変なのはこれからだろう。
「大人がこう言ってるからこうなんだよ!」
そんな気持ちになることは、これから多々あるでしょう。
でも私は高校卒業式の日に、川合先生から言葉をもらった。
その言葉は大人になって実感した。
だから頭では理解できるはずだ。
子どもが私のいう事がわからない
という事を。
川合先生、どうしてるかなー
若い奥さんがいたんですよね。
偶然ですが、子供の名前私の同じ名前を付けようとしてたんですよね
結局違う名前になったみたいだけど^^
最後まで読んでいただきありがとうございました♪
忘れられない先生いますか?
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