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国際協力を行うNGOが今後どうあるべきか?(コンフロントワールドはどうあるべきか?)を考えてみた

こんにちは。コンフロントワールド荒井です。

最近、
「コンフロントワールドはどうあるべきか?」
「そして。国際協力NGOがどうあるべきか?」

を考える機会が多くありました。

コンフロントワールドをサポートいただいている方から
「そもそも何でトイレを作っているんだっけ?」
「現地の人にどうなってほしいんだっけ?」

と聞かれたり、

理事も務めている国際協力のネットワークであるJANICの役職員合宿や、戦略を考える際にも、
「国際協力はどうあるべきか?」

などを悩む機会をいただいたり。

コンフロントワールドは設立して5年目を迎え、特例認定NPO法人にも認定され、次は認定も目指そうとしております。

現場での活動も、アフリカの現地で水やトイレや石鹸や教育を届ける体制が何とか出来たり、
ここからさらに拡大・継続していこうというフェーズになりました。

と同時に、メンバーの入れ替わりや外部でお話しする機会も増えてくる中で、

「あ、俺って本当は何をしたいんだっけ?」

に悩む時間が増えてきました。


とはいえ、土日も含めて、電車乗っている時間も含め、
時間があればパソコンやスマホを開き、メールの返信や登壇の調整、メンバーからの資料のレビューなど目の前の業務をひたすらこなす日々です。

抽象的な悩みが増えていき、とはいえ目の前の業務がひっ迫する。

メンバーに業務を任せすぎると申し訳なさを感じたり、それでも悩みを打ち明けられるような人も減っていき、
団体の中でも、”仲間”というよりも”代表”という風に見られるようになってしまいました。

このnoteのタイトルが、
「国際協力を行うNGOが今後どうあるべきか?」
なのですが、答えなどなく書き始めています。

少なくとも、明確でもなくて良いので、「コンフロントワールドがこれを行っていく」というののヒントになりそうなものを見つけられれば良いなと思っております。

あ、あとこれは完全にコンフロントワールドの代表としてのものなので、
他の所属団体とか関わる組織には関係ないので、変に結び付けないでください!

■やってきたこと

●ウガンダでの水衛生支援

コンフロントワールドがやってきたことの一つ目は、アフリカのウガンダという国で、水やトイレや石鹸を届ける活動です。

活動地の半数の人が、水へのアクセスが無かったり、トイレが無い状況です。

みなさんの家に当たり前にあるような、蛇口をひねれば水が出てくる、洗面所で石鹸で手を洗い顔を洗う、そしてトイレで排便をする。そのような当たり前の生活のインフラが無い状況です。

そのような地域で、生活のために必要なインフラを提供するため、学校に貯水タンクを建設したり、家庭用のトイレを建設したり、石鹸を生産して届けることをしています。



活動地は水へのアクセスが無い関係で、1日2回遠く離れた場所へ水を汲みに行くような子どもがいる地域です。

水を汲みに行く必要があってその時間を取られてしまう。
学校を水のインフラにすることで、実際に学校に行ける子どもが増えました。
学校によって変動しますが、私たちが貯水タンクを作ることで20人から90人の生徒が、学校に行けるようになったという報告もいただきました。
水と教育の機会というのは密接に関係しているのです。


またトイレに関してはトイレを持っていない家庭もあります。整備されていないトイレを使う方々もいます。

このように外からは丸見えで、足場も悪く、実際に転落事故が起こることもあるそうです。


私たちは足場が安定していて、プライバシーを担保できるような建物のような形のトイレ、そしてトイレの穴は匂いがこもらないようにするため、他のトイレよりも深い穴を掘って建設をしております。

日本にいるとウォシュレットがあったり当たり前のように水が流れますが、水道や電気が無い地域ではこれが最適なトイレとなります。


現地ではトイレを持っていない人は逮捕されると聞きました。
トイレが本当に重要なものだと政府や行政も認識していてトイレを建設するように促しています。
実態としてお金がなく 建設できない状況です。私たちが建設した家庭も、トイレットペーパーが買えずに、葉っぱで拭いている状況です。

なので、私たちは地域の保健所と協力しながら特に高齢者であったり病気を患っている家庭を優先的に、 衛生的なトイレを届けております。

そして 石鹸については 新型コロナウイルス感染症が蔓延した時に非常に値段が高騰しました。
日本のマスクが少なくなった時にすごく高くなっていた状況と似ております。

そこから現地のNGOと連携しながら、石鹸を生産する体制を整えました。
現在も 石鹸の生産は行われており、行政などから要請があったタイミングで石鹸を生産し、届けるということをしております。


このように少しずつですが、水と衛生の支援を現地のNGOとともに継続して行う体制をこの5年で構築してきました。

●タンザニアでの教育支援

二つ目は、タンザニアでの教育支援です。
まずは私立小学校の建設。

タンザニアでは体罰がまだまだある状態です。元々メンバーの一人が青年海外協力隊でタンザニアの学校教師をしていた時に、体罰の防止を促す動画を撮影して体罰をなくそうとしておりました。

そこで協力いただいた現地のタンザニア人の学校教師と意気投合し、その教師が自分で自ら借金をして学校を作るという計画を聞き、コンフロントワールドもそれに協力しよう!と始まったのが始まりの経緯です。


なぜ公立ではなく私立という理由ですが、公立の学校は先生が時間になっても来ない、先生が授業を理解していない、必要な物資が揃っていないなど問題が様々あります。
なので私たちは私立の学校を建設して、ちゃんとした教育を届けてそれを周りに広げようとしております。

タンザニアは中学卒業時の試験に受からずその先に進学できないということが問題になっています。


あるデータによると進学率が高校生へは3%と低い状態となっております。
多くの原因がありますが、その原因の一つが英語です。

小学校では現地の言葉で授業を行いますが、中学校になると英語での授業に切り替わります。

いきなり英語となると、教科書も読めない、話すこともできない、勉強が嫌いになってしまう、そんなことがあるそうです。
そのため、小学校の段階から英語の授業をきちんと行い、その先の授業にも進んでいけるようになり、さらにその先の進学率を高めたいという思いで建設をしております。

タンザニアで行っている教育支援のもう一つは、保育施設の経営支援です。

支援している保育施設はずっと経営難に陥っておりました。そこで私たちは経営改善を行うため、まずは経営のためのテキストブック(家計簿のようなもの)を作成し、まずは全体の収支を明らかにし、経営改善を行うことを目指しております。



このテキストブックは共に小学校の建設を行っているNGOに協力いただきながら作成しました。
そして、地域の他の保育施設にも配っています。

教育に関して良い事例を作り他へ広げていく。そんな思いで活動しています。

●ペルー刑務所発ファッションブランドの日本販売など

その他は、ウガンダの女性が作製した家具・小物の販売や、南スーダン難民支援、そしてペルー刑務所発ファッションブランドの日本販売などを行っています。


ペルー刑務所発ファッションブランドに関しては、当時学生でペルーに留学していたメンバーがPietàというフランス人のデザイナーが立ち上げた、ペルーの囚人が作るファッションブランドに惹かれ、
コンフロントワールドで販売したい!という思いで、提携したことが始まりです。

その後、何人かのメンバーで引き継いでいき、メンバーと、そして多くの方々のご支援があって、今でも販売しています。

不定期のポップアップストア(販売イベント)と、クラウドファンディングを通したオンライン販売を行っています。

ポップアップストアは毎年、在日ペルー大使館で行っているのですが、毎回大盛況で、二回連続で開店前から待ちの列が出るほどでした。


実際ペルーでは囚人の再犯率が高いらしく、刑務所の中で社会と繋がり、出所後に社会に戻ってもらうというのは重要なことで、
全員ではないですが、出所後もPietàに関わる人もいるそうです。

在庫の管理や仕入れ、販売など大変なことが多いですが、今後も出来る範囲で実施していきます。

■そして今後どうするか?

今まではビジョンである「不条理の無い世界の実現=生活と権利が保障され、誰もが自分で未来を決められる社会の実現」
ミッションである
「紛争・貧困などによって困難な状況にある人々の自律を後押しする」「情報と選択肢を届け、人々の社会貢献を後押しする」
に沿った、”出来る範囲”の活動を行ってきました。


メンバーの主体性を活かし、メンバー同士で支えあい、最大限現地に価値を届けることはやってきました。
今までやってきたことは誇りに思うし、それを否定するわけではありません。

それでも、
「あーこのままだとあまり世界は変わらない。このままだと不条理の無い世界が実現出来ない。」
という思いと、
「コンフロントワールドの強みが活かしきれていない。」

という思いが芽生えました。
もっと戦略的に、一丸となって進めば、もっと世界が良くなるペースが速くなると思います。

(ちなみにここまで書きましたが、どういう結論に着地するか分からず、殴り書きです)

■NGOでしか出来ないことは何か??

我々のようなNGO(≒国際協力を行うNPO法人)ができること、NGOにしか出来ないことを考えてみます。

株式会社と違って、富が富を生む構造でもないし、時価総額みたいな一定の指標があるわけでもない。個人的にビジネスは好きで、だからこそ株式会社に残っているし、株式会社のビジネスによる社会の変革は本当にやりがいのあることだと思う。

でも、NGOしか出来ないことがありそう。

政治は税金という財源を使って法という国全体のルールを作れる。
行政は競争原理の外で、生活を支える基盤を作ることができる。

それと違って、我々NGOは資金の調達と、それを使った価値提供をどちらもやらないといけない。

うーんNGOでしか出来ないことは何なんだろう?

少なくとも「不条理の無い世界の実現=生活と権利が保障され、誰もが自分で未来を決められる社会の実現」には、
「トイレの無い場所にトイレを作るには」
NGOしか出来ない。


資本主義は好きだが、それでも全て解決できるわけではない。
ソーシャルベンチャーみたいなジャンルが出てきているけど、それでも出来ることと出来ないことがある。

明らかに守備範囲が違うのだ。どっちが優劣あるわけではなく、それぞれのセクターで役割が違う。

そうなると、見えてくることがある。

NGOでしか出来ないこと。(やりやすいこと)

その一つ目は「人権の保障」だ。

水やトイレの衛生設備、教育など、生きる権利を保障するようなこと。
それはNGOしか出来ないのかもしれない。

そして未来の人にも届けるための「サステナブルな社会」。
これは人だけでなく、会社や地球など、持続的に担保され、そして人権が保障されるためのサステナビリティ。

「人権の保障」「サステナブルな社会」はNGOがやれることであり、コンフロントワールドで出来ることである。
むしろそれを最優先にして活動しているし、今後も誰か特定の人だけの利益で動くことはないと思う。

■そしてコンフロントワールドならではの出来ること

コンフロントワールドは平均年齢20代というNGOであれば異様な若さのメンバーと、寄付いただく人たちも同年代の人が多い。
それこそ世界的に有名なUNICEFなどではなく、コンフロントワールドにお金を託してくれている人もいる。

そして正社員がいない、代表も含めて兼業の社会人や学生のメンバーで構成されている。

本当にいつも思うのが、この体制でよくやっているな、こんだけ価値届けているなというのと、(まじで大変です泣)

ただこれがどこまででも広まればもっともっと世界は良くなるし、
一人ひとりの社会貢献へのちょっと少しの参加でも促せると思っている。

コンフロントワールドが大きくなり、認知も向上し、参加者が増えれば、
一人ひとりが主体的に、何らかの社会貢献に挑戦し、その集合体として社会を良くする流れが出来ていく。

そしてそれがコンフロントワールド以外にも広まれば、社会が少しずつ良くなっていくと本気で思っている。

もちろん専任の社員がいるNGOを否定しているわけでもなく、やっぱりそこに人生かける人たちは真似できないので心から尊敬している。

それでも、ただの会社員が、世界を良くしたいという思いで動いて、その輪が拡がっていく。
その瞬間を見たいなと思っている。

■終わりに

僕がコンフロントワールドの代表という人格で、人生を費やして実施することは、
世界中の人々の「人権の保障」や、それを未来に繋ぐ「サステナブルな社会」。

そしてビジョンである「不条理の無い世界の実現=生活と権利が保障され、誰もが自分で未来を決められる社会の実現」を達成することである。

コンフロントワールドは、比較的若いということと、本業以外の時間で活動することがやっぱり強みだと思っているし、強みというよりもそれが社会から求められている一つのピースだと思う。


もっと多くの人が国際協力に、もしくは海外の問題じゃなくても日本内の課題解決に踏み出し、巻き込まれ、そして巻き込んでいくと良いな。

まだまだやりたいことがいっぱいあります。
企業と連携して新しい価値を創造するとか、もっと内部の体制を整えるとか、多文化共生の事業も仕掛中だし、さらに羽ばたくために中長期の計画立てるとか、
活動地の水や教育はまだまだ足りないし、もっと世界に事業が展開していくと思う。

僕は英語が話せないし、国際協力なんて学んだことが無い(ゴリゴリの理系です)。
他のNGOの代表と比べると人を惹きつける力も無いし、行動力も全然無い。
それでも何とかやってます。社会貢献出来ます。

人生でNPOに一度も関わったことが無いってもったいないと思いませんか?

コンフロントワールドは9月から新年度になり、メンバー募集中です。
仲間を集めてます。

ぜひ、一緒に不条理の無い世界の実現を目指しませんか?

メンバー募集はこちらから

ちょっと話を聞きたいという方はDMいただいてもOKです。(twitterとかFacebookからでも)

僕がメンバーによく伝えることが、
『評論家でも、研究者でもなく、「実行者」であれ!』

社会を変える『実行者』を募集しています!

一緒に世界を変えましょう!最終的にまとまっていないですが終わりです!


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