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音楽で紐解く《にほん》 「月の唄」

第7回伝統音楽レクチャーライブ「音楽で紐解く《にほん》」
「創作歌曲 百人一首を唄う~月の唄~」

後半は、箏(琴)と三絃(地歌三味線)の音に合わせ「百人一首の歌に節をつけて唄う」会でした。茶琴神明店主 新明珠紀先生が箏(琴)と三絃(地歌三味線)パートを作曲し、お唄は杵屋彌十郎先生が作曲されました。

かねてより、百人一首を題材として演奏したいという新明先生が始められた会ですが、前回は秋の唄、そして今回は月の唄と続きます。

藤原定家が、あらゆる和歌集(およそ一万首?)から選りすぐりの百首をまとめたものが百人一首です。

天野の原 ふりさけ見れば 春日なる…
今来むの 言いしばかりに 長月の…
月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ…
めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に…
心にも あらで浮世に ながらへば…
秋風に たなびく雲の 絶え間より…

上の句だけですが、漆黒の空に浮かぶ月を見上げた情景や、月に投影するこころの機微や、月影に思い出す故郷や大事な人と…その表現は様々です。古の歌人たちは、多彩な月を5-7-5-7-7-の言葉と音とリズムで現代に伝えます。

そして、ここ佐倉茶琴神明で、お家元のお唄と、新明先生のお三味線とお琴で、さらに表現豊かに演奏されるです。まさに「粋な遊び」であり、にほんに脈々と伝わる音楽の最先端Mixなのです。

長唄を習い始めたわたしにとっては、長唄の一曲はとても高い山を見上げるようでなかなか登るのは大変ですが、トレーニングとして、和歌を練習曲とさせていただくと良いかもしれません。

「百人一首を唄う」シリーズは、是非これからも続けていただきたいです。

◼️茶琴神明(佐倉・文化芸術教室)
http://www.chagoto-shinmei.jp/

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