マーケ入門

デザイナー向けマーケティングの入門書

【書影付きバージョンはこちら。

ビジネスに必要な知識として「マーケティング」があります。デザイナーが学ぶために、初学者向け入門書を選んでみました。マーケティングだけでビジネスがすべてわかるわけではありませんが、市場や価値創造について知ることでデザインの持つ意味や価値を再認識することができるでしょう。
基本的な概念や用語を知っておくことで、マーケティングの意図や戦略を把握してそれらをデザインに反映することができます。また、マーケティングの言葉でデザインの意味や価値を説明できれば、経営者に提案が届きやすくなると思います。
後半にはブランド戦略の本もあげてみました。紹介しているのはどれも入門書です。マーケティングの分野はかなり広くいので、より深く知りたい場合は入門書に書かれている参考文献リストなどをみてそれぞれの専門分野に進むと良いと思います。
(注)私はマーケティングやブランディングの実務経験はありませんので、お近くに実務で携わっている方がいらっしゃれば文献等リソースをご紹介いただくとよいかと思います。(MBAや研究会などで、理論を学んだり実務家の方のお話は聞いていますので、全くの素人というわけではありませんが。)

▼マーケティング:入門編

マーケティング基礎読本 増補改訂版 (日経BPムック)

ページ数も少なく読みやすいので、基本をざっと知りたいときにどうぞ。マーケティングを全く知らない人でも基本的な用語について理解することができます。

最新マーケティングの教科書 2018 (日経BPムック)
デジタルマーケティングなど、時代に合わせて新しいマーケティングの技術や手法が登場します。最新の知識やトレンドを押さえておくにはよい本です。
追記:2019版 https://amzn.to/2BzdDPz

1からのマーケティング 第3版

大学でマーケティングを学ぶテキストを想定して書かれています。基本的な理論を具体的な事例を含めて解説していてわかりやすい本です。
http://amzn.to/2EgjpcT

はじめてのマーケティング (有斐閣ストゥディア)

実務家向けの入門書です。
著者(青山学院大学 久保田進彦 教授)による解説:
http://www.yuhikaku.co.jp/static/shosai_mado/html/1407/14.html

マーケティング用語図鑑

マーケティングの基本用語を図やイラストで解説しています。ビジュアル満載なので、聞き慣れない用語も頭に入りやすいのではないでしょうか。文章読むの苦手な人に特におすすめです。

▼マーケティング:基礎編

1からのマーケティング・デザイン

「顧客創造」をキーワードにしたマーケティングの入門書です。事例をあげながら、顧客創造のデザイン、関係構築のデザイン、競争、共生のデザインについて、それぞれ解説されています。

カール教授のビジネス集中講義 マーケティング

カール教授のビジネス集中講義シリーズの一冊です。マーケティングの重要理論から最新のアドテクまで、早稲田大学ビジネススクール(MBA)での授業を再現したものです。

デジタル時代の基礎知識「マーケティング」 「顧客ファースト」の時代を生き抜く新しいルール

「デジタル時代のマーケティング」のシリーズです。デジタル化によって大きく変化したマーケティングを解説します。

デジタル時代の基礎知識 「リサーチ」 多彩なデータから顧客の「すべて」を知る新しいルール

マーケティング・リサーチについて、基本の考え方から方法、企画、実施、分析、リサーチの戦略的な活用まで。

デジタル時代の基礎知識「SNSマーケティング」「つながり」と「共感」で利益を生み出す新しいルール

SNS(ソーシャルメディア)のマーケティングに必要な基本知識、コンテンツのつくり方、分析、運用、炎上対策、運用ツールなど。

▼マーケティングにおける経験価値(入門書ではありませんが重要な本なのでもういちど紹介します)
新訳 経験経済 脱コモディティ化のマーケティング戦略,B・J・パインII , J・H・ギルモア 著, 岡本 慶一 訳
“The Experience Economy”(1999)の再翻訳版。経済価値としての「経験」や経験価値、経験ビジネスについて扱った本です。初版の日本語版が出たのは2000年ですから、マーケティングの分野では早くから「経験価値」について注目され議論されていたことになります。経験価値を考えるにはここ(基本)へ立ち戻ることにしています。
(デザイナー向け 読書バトン https://note.mu/akio_yoshihashi/n/n0fdd6f637ad5より転載 )

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

読みやすいので入門編に入れてもいいかな?ということで、マーケティングの神様ことフィリップ・コトラーの本を一冊入れておきます。
製品中心の「マーケティング1.0」、顧客中心の「ー2.0」、人間中心の「ー3.0」、そして進化系の「マーケティング4.0」。

▼ブランディング
ブランド構築、ブランド戦略の入門書です。理論から実践まで他にもいろいろありますので、わかりやすい入門書だけ紹介します。

デザインノート No.75: 実践!ブランディングデザインの成功法

理念や理論、書体、CIなど「ブランディング」の特集号です。永井一史・小林豊・ランドーアソシエイツほかのデザイン事例、図版多数。

博報堂デザインのブランディング:思考のデザインとカタチのデザイン

博報堂デザインが手がけた「ブランド」の数々が考え方やプロセスとともに紹介されています。サントリー「伊右衛門」、HITO病院、資生堂、リーガル、日本郵政ブループ、表参道ヒルズなど、見慣れたブランドの数々が並びます。

売れるデザインのしくみ -トーン・アンド・マナーで魅せるブランドデザイン

ブランドデザインの基礎を、トーンアンドマナーなどの概念や仕組みを使ってわかりやすく解説した本です。

▼以上、マーケティングとブランディングの入門書のご紹介でした。
最後に、日本マーケティング協会によるマーケティングの定義を引用しておきます。

マーケティングとは、企業および他の組織1)がグローバルな視野2)に立ち、顧客3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動4)である。   日本マーケティング協会 1990年

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