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【読書】ダン・ブラウン/インフェルノ

トム・ハンクス演じるラングドン教授が活躍するシリーズの四作目です。映画化されたけど実は見ていません。なぜか見そびれて、そのままにしちゃっているんですよね。だからぜんぜん内容を知らずに読み進めることができました。

いつもなら話題の作品だということで本も買うし、映画も行っているはずなんですが、なぜか外してしまってた本作、次の五作目とまとめて入手することができたので、じっくりと読みました。

ちなみにこのシリーズは毎回発売されるとおねだん高くて買うのを尻込みしちゃいます。文庫本も薄い三冊に分けてて...作者・翻訳者をお応援したいけどなんとなく商売っけが強すぎるのが玉に瑕。

ダンブラウン作品はすごく久しぶりでしたが読み始めてすぐにあ〜そうそうこの感じ、と思い出しました。原作の語り口、美術・芸術・歴史・文化と科学の融合するところや精神的なお話が散りばめられています。それは物語の導入部分だけにとどまらずクライマックスまで至る所で展開されます。

きっとこの人は世界中の自分の好きなものをみんなに紹介したいんじゃないかな?って思っちゃいますね。

またイタリア?

今回の舞台はまたもやイタリア?と思ったあなた、半分正解。半分はずれ。物語の後半はイスタンブールへと舞台を移します。しかしベネツィアやイスタンブールのアヤソフィアなど世界の名所旧跡を舞台にした話を語るにあたってその詳しい記述は素晴らしく、行っているような気分にしてくれます。映像化にすごく向いていますよね、いつもながら。

どんでん返し

物語は記憶喪失になっているラングドンの逃避行を追いかける形で綴られていきますが、途中でその事実がわかってからはガラッと変わります。ということがわかってからもう一度遡ってよむ色々と作者が散りばめたものがあって面白いですよ、と後書きにあったのですが、鈍感な?私にはそれほど楽しめる、ピンとくるようなところがなく、なんだか変な気持ちが残っています。んー、読み取る力が足りていないんだろうか?ここはちょっとすっきりしないです。

ウィルスの時代を先取り

コロナウィルスによる影響を多大にうけている今、それを少し先取りしているような内容でしたね。この辺りについてはちょっと描き方が中途半端かな?と思いました。せっかくいいところまで書いているのに最後もや〜っとしちゃうんです。結末もうすこし科学的に突っ込んで書いて欲しかったなぁ〜

愛読書であるシグマフォースシリーズも現実にあるものをうまく取り込んでフィクションに仕立ててますが、あっさり勝つ場合でもきっちり落とし前をつけてくれるので好きなんですよね。やはり化学を扱うのであればあれぐらいやっちゃってほしいなぁ、でも主役がラングドン教授だとアクションをするわけにもいかないからそういう意味で限界があったのかもしれませんね。

感想

ちょっと大掛かりなことを考えすぎて、主役に巻き取らせるには大きすぎたのかもしれません。ブリューダーやシンスキーが一緒に活躍して解決するような流れがもう少し描けていればより腹落ちしたかも。

さて、次はオリジンです。

おすすめ度:★★★(若干消化不良)


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