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IT開発(コンサル)に関わる話ー分界編

IT開発って、頼む&使う側から見ると、お金ばかりかかって小難しくて、何か嫌ですよね。。
その1つの理由でもあろう、委託(外注)と内製に関わる話を、私なりの切り口でツラツラ書いてみます。

カテゴリ

ビジネスやら事業に関すること

人、組織、集団と関係性に関すること

要約

考えたいのはこういうことです。

  • 自分たちの強みは何か考え抜きましょう

  • アンチパターンを認識しましょう

  • 仕事に感情は持ち込まないようにしましょう

「人ではなくコトに意識を集中する」
「チーム」よりも、「案件」「プロジェクト」に強くフォーカスするという感じです。


組織やスキームに関わるふかーいふかーい話と、ムラ社会*他人排除的な話の両方に絡んでしまう話題なのですが、コトに集中して書いてみようと思います。

前提

色々制約つけないと、一般論として話すのは危険すぎる話題なので、excuseとassumptionをたくさんつけておきます。

こんなのを用いて話します。

一応自作のナンチャッテ4象限

Web系IT前提です

 経営コンサルテーションでもWebマーケティングでも制作でも、内製・外注に関する同じような側面は多々あると思いますし、ウォータフォール型のゴリゴリ開発でも似たようなことは起こるのですが、
 あくまでも自分の経験の範囲から話すことですので、Web系IT(システム)に関わるごく一部の話と思ってください。

 色んな人に対してこの話題をカバーできるように書こうとすると、普遍的なことと当たり障りないことしか言えないなとなるので。。
 多少尖ったことを書く(主張)要素を入れさせてください。

発注側に最低限必要なこと

「何をやりたい(実現したい)か」の強い意志&決定。
ここだけは発注側サイドでもっていてくれないと話がはじまりません。

 そこがないと。。。戦略的価値とか強み以前の話になってしまうため、そもそも「外注も内製もない」(=スキーム以前の)話になりがちです。

 仮に「どう進めるか」が決まっていない状態であっても、「やりたいこと」さえはっきりしていれば、外注するという行為は普通にあります。

 「やるべきこと自体を整理する」してくれる外注=コンサルテーション

 これを上手く使うという話であり、「戦略価値が高い」「弱み」方面で外注活用の意味があるはずです。
 ただ、それでもどうしても最後の「YESを決める」決定は発注側がもっていないとダメという話になります。
(NoとかYes,butとかPendとかは要らない。。。)

 自分でも経験ありますが、自分側に決め切れるだけの確固たる何かがない状態で、材料集め的なことに外注を使うのは、視察旅行と一緒で、無駄遣い。。になってしまいます。
 もちろん、コンサル側の「寄り添う」姿勢次第で、発注側のYESを引き出せる(発注者の代わりに言語化する)ような事案もあるにはありますが、よほどのホンモノコンサルタント以外にはできないと思うので。。。発注側、ここだけはしっかりお願いします!という前提で。

不確実な時代といっても

くどいのですが、もう一度。。。

 VUCAの時代だ、アジャイルで走りながら考えるんだ、とか言われますけど、「何をやりたい(実現したいか)か」の意志は、必ず発注サイドにあるという前提で話を進めます。
 仮に、見切り発車であったり、取り組もうとしたことがが「外して当然の100本ノック状態」なのだとしても、「PoCとしてとりまとめる」のように、実現範囲や目的を限定かつ明確にする責務成し遂げたい意思は発注側に必須としないと、、、です。

 見切り発車に合意してたはずなのに、外注が尻尾巻いて逃げ出した。みたいな話はあってはいけません!!
 ということでこの手のコマッタ環境の話は、一旦考えないようにします。

一番重要と考えていること

 そもそも「自分一人で解決できる&自分で何とかする」って考えてその通り動いている方の場合は、内製・委託がない、「自前100%主義」なわけなので、この話題自体を考える必要はないですが。。。

 「誰かと何かをやって結果を出す」前提の場合は、以下の両方がないと、難しいと思っています。

  1. 自分(たち)ができること、強みとして持っていること

  2. その取り組みが自分(たち)にとって戦略価値が高い(可能性含む)こと

 上の2つを意識しないチームやらプロジェクトの場合、、
 結局は内製でも委託でも、その事案はうまく行かないんじゃないかと思っています。上の図は、その想いのもとに書いてみました。
 世の中的に当たり前なSWOT的なフォーマットがあるものなのかは分かりません。。。苦笑

アンチパターンアレコレ

成功を必然と捉えてしまうこと

「図の右上があるはず」なのが、実は存在しない。という話です。

強み*戦略的価値を言語化して持たなくても、もちろん、
「何となくうまく行く」ことは沢山あるわけです。むしろその方が多いような気がします。逆があってもビジネス成功を保証するわけでもないのと同様に、です。

 ただ、それは、ビジネスの4象限的に言う「問題児」「花形」とかいう類の「数字が示す結果論」に過ぎないことが往々にしてあると思っています。
 自分たちなりの必然性を持てていない状態で「花形」扱いしてしまうと…

  • 環境の変化に影響受ける程度の「戦略的価値が必ずしも高くないのだか、強みと思っている」部分に、自社内製のメインがあり(図の右下)、 

  • 本来「絶対内製で持つべき」という右上ゾーンを実は持ててないか、

  • その結果が示していることは、戦略的価値*強みの掛け算になっていないのではないか。

と、実体験を通じて思ってしまっております。

 事業の中の人になってしまうと、どうしても「結果としての成功を重視しすぎる」あまり、注力すべき領域かどうかという視点が欠ける傾向があると感じています。

自分たちでやらなくていいことを内部で持つこと

図の左下イメージになります。

 内製100%って、響きはすごくいいように聞こえますが、よほどのことがない限り、馴れ合い集団になります。
 馴れ合い集団じゃない内製軍団を作るには、圧倒的な新陳代謝が必須です。その場合、心理的安全性が下がるので、
常に緊張感をもってやっている状況を作るということに繋がります。

 リスクを取ることを回避し始めた集団で内製100%をやると、大抵は老化に向かいます。YESマンしか残っていかなくなるので。そして、

  • 生産性が低下する

  • 惰性で仕事をする分成長が止まる

  • 体制維持のための仕事を無理矢理作るようになる 

などが起きがちです。なので、私は内製100%にこだわるには「相当な覚悟がいる」と思っていますし、現実にできている日本企業はかなり少ないと思います。

「高い、コスパが悪い」と根拠なく見なすこと

図のどこであろうと起こり得る話。ですが、、、
ほとんど外注。みたいな「外部丸投げ」現場で起きがちな話です。

 この場合は、受発注双方に「高い、手抜き」的な感情その他が発生しても誰も何も言えない状況になります。古の業務システム開発とかじゃないので、そんなことは、21世紀ではありえないと信じたいのですが。。。
 いまだにフツーにありますね
 「コスパが悪い」と感じられている方々は、おそらく、その方自身のコミット度が低いことを棚に上げて、他人のせいにしているだけじゃないかと思っています。

 もちろん、外注側もその我儘を聞いとけば金は払ってもらえる、みたいなアホなことで、下請け根性丸出しのパターンが相応にあるのですが、
「コト」に向かって全員がやるべきことをやるチームなら、そもそもこの手の「顔色窺い」話が絶対に起きないはずなので。

 パフォーマンスの可視化をしないで、内製とか外注とかそういう話を持ち出さないようにしたいところです。

人やチームを固定すること

 図の右下にありがちな話だと思います。
 カオスな環境にありがちな、「その環境への理解偏差値だけが高い」人たちを量産するパターンです。

  • 内製チームだと「人を見て仕事をする」ことが当たり前になる

  • 内製でも、異動機会がたくさんあるような場合は、結果的に新陳代謝やその人の成長機会の提供はできる。但し、「手放したくない」が横行しがちで、なかなか難しいため、チームの代謝・成長が限られてしまう

  • 外注で人が強制的に入れ替える分には、結果的に代謝が起きやすい

  • 外注でも、特に小さい会社は「人」で仕事を取るので固定メンバーになってしまいがち。これはこれで、ロックインが起きてしまい双方に良くない

  • 結果的に、注力すべきところと違うところに仕事を作りがちになる。
    (ビジネス的な観点で必要悪になるパターンはありますが、その場合は、左下に持って行くべく、アウトソース&徹底コストダウンをすべき)

 なので、適宜人を入れ替えられる環境は必須だと思っています。

カスハラ的横暴がまかり通ること

 発注側の言い分に「寄り添う」のは当然ですが、必要以上に迎合してしまうパターンは、内製・いいなり外注問わず発生します。
 「カスハラ」じゃないですが、金払ってんだから。。。的なことではなく、「コト」に向かって最善を尽くせる集団を作り上げられれば、そのチームは「中の人」よりも「そのチーム」を変えられる=左上部分の推進役になれるはず。

 「高い、コスパ悪い」話の別の切り口として、「パフォーマンス」評価が「いかに忠実であるか」側に偏ったり、「発注元」横暴への忠実度で測定されるようなことは絶対に避けなければなりません。
 それが、「人とコトの分離」を考える上で、最も大事なことなのではないかと思っています。

外注にするメリット。の作り方

 図の左下だけではなく、左上の取り組みを成功させられるかどうか、かと思っています。

シンプルには

コト(目的・プロジェクト)とヒト(属人依存)の分離。です。

 自分たちに弱みがある戦略的価値の高い取り組みが、外注と一緒じゃなきゃ「絶対」できない。。という話ではないです。
 が、そちらの方が高度な目的をより実現しやすい。という所感です。

 (雇用契約の維持を前提とする)内製がもたらすリスクを減らしつつ、本当に必要なことである「戦略的価値の高い取り組み」に最適なリソースを投下できること。
 逆に言うと、そうやって選ばれる外注になること。

 コスト面だけの相見積もりとかやってる場合じゃない。。

「目的」へのベストな体制作り

 外注教を開きたいわけではないですし、「コミット意識の高さ」の、特に泥臭かったり理不尽なことへの対応は、内製(プロパー)の方が使命感が高い場面はあると思います。
 ただ、この文脈での内製重視は、往々にして「忠実さ」という精神面のみにフォーカスされていると感じますし、体験もしてきました。

 「コト」を追求すると言うのは、例えば、プロスポーツ球団が常勝であり続ける一方、チームメンバーはステップアップのために他へチャレンジする等、「優勝」「常勝」がありきで、「その人(選手etc)」ありきじゃない。ということだと思っています。
 プロ球団の場合、監督や選手はあくまでも「個人事業主」集団であり、球団(会社)と正社員契約は結んでいません。高度な傭兵部隊です。

 なので、逆に言うと、「専門家集団」(外注してください・アウトソース部隊です チーム)は、「言われたことを具現化する」ではなくて、「その人たちにしかできないことを提供する」くらい尖らないといけないです。

リソース投下の柔軟性確保&人的依存の排除

 アンチパターンのポジティブ言いかえです。外注を上手く使うことは、

  • その人の成長機会が少ない場合に、他の場を与えることでカバーできる

  • 「人」制約の仕事を減らすことに繋がる

  • 合理的に、「選択と集中」をやりやすくなる

  • 他を経験した「外部の血」を常に注入できる

という新陳代謝メリットを絶対に作り出してくれます。

 この部分を内製だけで実現するのは結構大変なので、結局内製と外注をバランスよく組み合わせるのがいいと言うのも自分の持論です。

コト・人の分離

これからの自分のミッションとして

 アンチパターンチックなことと、その逆としての「戦略的価値の高い取り組みを維持する上で必要なこと」としての外部活用(血の入れ替え)という観点で色々書いてみました。

 まだ、から回っているので、もうちょっと整えます。。(が、公開はするという)

システム会社と事業会社の両方を経験し、
この先の2030年や2040年を見据えて、そこに対応できる専門性を持つチームを2022年の今から自分の手で作る。

これが、

ここに書いている、

「中の人」的にやることと「専門家に尖ること」の2軸があると個人的には考えていますが、今回は「専門家として尖ること」を優先したいという思いです。
「専門家として尖る」という言葉の裏にある思いは別で書きますが、一旦はとにかく、ここに書いた想いの通りのことをやるには、自分で起こすしかないと思って準備している次第です。

自分のnote記事より

↑の解答編みたいな感じです。

もうちょっと、課題じゃなくて実現方法の方を具体的に書いていかないといけないですが、、、
まだまだかかりそうです。。

もっともっと、「外注」「受発注」みたいな感じじゃなくて、
オープンソースソサイエティな感じでIT仕事ができるといいのですが。
そこが建設業界や製造業と、ITの最大の違いのはずなんですがね。。。

おしまい

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