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NHK短歌、俳句への投稿作・12月号

短歌

選者:川野里子先生 題詠「ジグザグ」
ジグザグに切れるはさみが大好きで永遠に紙を切る子供たち
絶望に凪に歓喜にジグザグの波形を描き心は生きている
かぶとえび、ばった捕りつつジグザグにあゆむ夕日の照る下校の路を

選者:山崎聡子先生 題詠「隠していたこと」
そうめんをご馳走されて苦笑いそうめん嫌いの奈良県民は
あかねさすAIチャットは怖ろしや個人情報曝してくるよ


選者:吉川宏志先生 題詠「車窓」
後ろ向き靴はいたまま窓を見る子供よ素敵な詩人になあれ
見いつけた走行中の窓開ける焚火のけむり入っておいで

選者:岡野大嗣先生 題詠「逆転」
盛り上がりが足りないなんて叫ぶから点を返せず終わった試合
バッシングされた私が青空にかあんと一発放つ大ホームラン

まー若かった頃はアホのくせに生意気な面がありましたからねえ・・・


俳句

選者:夏井いつき先生 題詠「流れ星」
流れ星爆ぜやまぬなりポプコーン
ポン菓子が爆発するよ流れ星
流れ星ひィふつとぞ射る扇かな

平家物語の「斬つけんげり」とか「よッぴいて」の促音が好きなんです。響きが力強くていかにも荒武者の感じが出ていて。教科書にも載ってた「百六十三 那須与一」の章より。すみません長いけど引用します。だってねえ、黙読してるだけでもかっこいいのよ。ちなみに平家物語原文を完読したわけではないです。

与一目をふさいで 「南無八幡大菩薩なむはちまんだいぼさつ、我国の神明しんめい日光権現につくわうのごんげん宇都宮うつのみや那須なすの湯泉大明神だいみやうじん、願はくはあの扇のまンなか射させてたばせ給へ。これを射損ずる物ならば、弓きり折り自害して、人にふたたびおもてをむかふべからず。いま一度本国ほんごくへむかへんとおぼしめさば、この矢はづさせ給ふな」と、心のうちに祈念して、目を見ひらいたれば、風もすこし吹きよわり、扇も射よげにぞなッたりける。与一かぶらをとッてつがひ、よッぴいてひやうどはなつ。小兵こひやうといふぢやう十二束三伏そくみつぶせ、弓は強し、浦ひびく程長鳴ながなりして、あやまたず扇のかなめぎは一寸ばかりおいて、ひィふつとぞ射きッたる。かぶらは海へ入りければ、扇は空へぞあがりける。しばしは虚空こくうにひらめきけるが、春風にひともみふたもみもまれて、海へさッとぞ散ッたりける。夕日のかかやいたるに、みなぐれなゐの扇の日いだしたるが、白浪しらなみのうへにただよひ、うきぬ沈みぬゆられければ、おきには、平家ふなばたをたたいて感じたり。くがには、源氏えびらをたたいてどよめきけり。

ひィふつとぞ射きッたる。くぅぅ~~~イイ!😆
朗読もよき。5:38頃からのところです。


選者:山田佳乃先生 題詠「椿の実」
椿の実神社の裏の口開く
椿の実神社の裏へ廻るなり

選者:村上鞆彦先生 題詠「秋晴」
秋晴やカントカントと風わたる
秋晴や天を向きたる皿の馬

選者:高野ムツオ先生 題詠「虫」
百の足漕ぎやまぬなりぎょうの虫
足捥げて土間を蠢く昼の虫


仰の虫=仰向けになった虫のつもりなんですが・・・く、苦しい。
今月は総没でした。まーいいさ、いいもん💦


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