岡崎京子のpinkを理由にするには十分過ぎた

岡崎京子は、現在は隠居生活をされてる漫画家だ。
正直、私はpinkとヘルタースケルターくらいしか作品は知らない。

この漫画に出会ったきっかけは、tetoの曲「高層ビルと人工衛星」だ。
大学2年生の頃に、サークルの先輩とtetoをコピーしたときにこの曲も演奏した。
その曲の2番のサビ前に、タイトルにしたフレーズが出てくる。

音楽の頭しかなかった私は、岡崎京子というアーティストがpinkという曲を出しているものだと思っていた。
調べてみて、ぱっと聴ける曲ではなかったため、3年くらい何もpinkについて触れてこなかった。

そして、つい先週Kindleでpinkを購入し、M-1グランプリを見るために友達の家に行く道中、読み進めた。

文学的な作品だと、よくいったものだ。
読後感は小説を読んだ後と変わりなかった。
昼はOL、夜はデリヘル嬢のダブルワーカーのワニを飼う女性と小説家を夢見る大学生の話だ。

ネタバレは伏せるが、とても面白い。
セリフではない地の文も登場人物ごとに顕れ、読後感を感じる漫画だった。

最近、岡崎京子の同人誌同然の漫画を書いて叩かれた人がいた。
好きになるのももっともで、好きが高じて近しいものを生み出してしまい、見つかれば簡単に燃え盛ってしまう火の海に落とされたのだろう。

あのような作品を書けるような人になりたい、そりゃ思います。

pinkを読んでおもしろいと思ったのは、コマの外ところどころに作者のぼやきが書かれていたりするのだ。
漫画をそれぞれの登場人物の視線だけでなく、作者目線でも見ることができる。
そういったワンポイントが、すごい刺さる作品だった。

pinkを読んで多幸感に溢れていたら、クリスマスイブ5日前だというのに一緒に過ごす予定だった女性から彼氏ができたと報告を受けるのはまた別のお話。

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