ディベートはどのような授業で使われているのか?

こんばんは、加藤です。

最近、授業でディベートを導入することを考えているものの、うちは向いているのでしょうか、というようなご質問を受けることが増えてきました。(「ディベートコンサルタント」という肩書の影響もあるのかもしれません、うれしい限りです。)実際、ディベートはどのような授業で取り入れられているのでしょうか?

この記事でもご紹介した通りですが、ディベートはインプットとしての知識、プロセスとしての思考力、アウトプットとしてのプレゼン力の3つが身に付きやすいと思っています。実際、世界中のディベートの実践方法などをみてみると、現在、ディベートは「知識の習得・理解」、「思考力の進化」、「言語力の向上」「プレゼンテーション/ファシリテーション等他者と協同する力」の目的で行われているようです。(最後の2つがプレゼン力を分けた結果かと思います。

インプット=「知識」…小学校~高校であれば社会科、歴史等の授業で(あえて二項対立にしながら)特定の知識・見解を深める、大学であれば法律等解釈がわかれる局面で、複数の立場の比較等を通じ理解を深める等。また、知識の講義の後に知識を自ら定着させるうえでの機会としてディベートを活用することもあります。(事前のリサーチもセットのことが多いです。)
私は九州大学でSDGsをテーマにした講義の後に、関連するテーマでディベートを行う、ということもやっていました。最近流行のSDGsに限らず、多くの社会課題を取り上げられている文脈で高校などでも活用されているようです。
何人の方にお話を伺っている限りですと、実際に自分がアウトプットしないといけない、ということから知識の習得が効果的になるようです。

プロセス=「思考力」…主に大学を中心に、論理的思考力/クリティカルシンキング等の養成などで行われています。
私は、跡見学園女子大学でいわゆるMECEを筆頭に、社会人で必要な思考力の講義とセットでディベートを行った回もありました。
この思考力の定義は広いかと思いますが、何を突っ込まれそうか、ということを突き詰め、いいアイデアに進化させていく思考力(相手が何を言ってくるかを起点に考えるため、私はホリゾンタル思考と呼んでいます)も身につくかと思います。例えばディベート経験者でSlackの上場もリードされた竹中さんもこちらのインタビュー記事で仕事中に脳内ディベートをしている旨を発言されています。

アウトプット①=「言語力」…最近日本では英語教育の文脈で中高などでディベートが活用されています。いわゆる「4技能」(聞く・話す・書く・読む)が身につくとして注目を浴びています。特に、聞く、話すの2つというよく日本人が苦手だと言われる能力が身に付きやすいことから、中高ではもちろん、ECC等も最近導入しているようです。また、最近ですと台湾で日本語ディベートの国際大会も行われており、海外や留学生向けの日本語教育の文脈でも非常に有益のようです。も行われており、海外や留学生向けの日本語教育の文脈でも非常に有益のようです。

アウトプット②=「プレゼン/ファシリテーション」…主に大学の社会人基礎力向上の文脈で見られます。自分の「イイタイコト」を論理/感情の両面で効果的に伝えることなどで有益です。私は、ディベートはチームワークでもあることからそこでディスカッションを効果的にやるには、というテーマで講義をすることもあります。そもそも人前で話すことが苦手、という人向けに韓国ではディベートを取り入れている事例もあります。

また、1つポイントなのはこれらの4つは掛け算の関係にあります。事実、以前対談させて頂いた佐藤ゆきこ様率いるコミュニケーション英語に関するレッスンであるAitem様は全部に効用を感じていることから授業に即興型ディベートを取り入れているようです。

もちろんこれらだけではありませんが、この4つに関する授業をお持ちの方は、ぜひディベートを検討してみてください!

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