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海外ボランティアシリーズ③ ~虫嫌いを克服した話 後編~

前回のnoteで、僕が虫嫌いだったことは十分ご理解いただけたと思います。
一応こちら、前回のnoteです。

現地の女性スタッフから、虫ハラスメントともいえるような仕打ちを受け、虫嫌いを克服すると決意したわけですが、克服するといっても、さてどうしたものかと。

虫嫌いを克服した話 後編。克服編です。

まずは手がかりを探す

ラオスの人は基本的に虫を怖がりません。
この理由がわかれば、そこから克服のための対策の手がかりが見つかるかもしれない。
そう考えた僕は、彼らの観察を始めました。

というか、観察するまでもなく、彼らは普通に虫を食べます。
市場で普通に虫を買って食べます。
まるでピーナッツでも食べるように、パクパク食べます。

そう。
これです。

虫は食べ物。

カレーは飲み物。だって、なんとなくそんな気になってくるのでいけるはずです。

とは言っても、いきなりガッツリ虫を食べるのは、さすがにハードルが高すぎます。
食べようと思うと、虫の裏っ側?の足のあたりの拡大図が頭に浮かんできたり、噛んだときに中身がぐにゃと出てくる感触がイメージされたり…

持ち前の想像力の豊かさが完全にあだになった形です。
いやなイメージを思い浮かべることに関しては、天下の大将軍クラスでした、あのとき。

ということで、こういう時の基本戦略である、「徐々に慣らす」戦略を展開することにしました。

これを読んでいる皆さんも、今後虫嫌いの克服に挑戦されることと思いますので、以下に具体的な方法をまとめます。

アキタ式虫克服法

これは実際に僕が虫嫌いを克服した方法であり、高いレベルのエビデンスはありませんが、なんとなく、けっこう有効な気がしています。

日本国内で行う場合は、イナゴは比較的容易に手に入るので、イナゴがオススメです。
虫食レストランもありますが、初心者にはややハードルが高いかもしれません。

具体的な方法は以下になります。

①:小さな虫(小ぶりのイナゴ、コオロギなどが適している)を選択し、その足を1本だけ目をつぶって食べてみる。この段階では味わわなくてもよい。

足を1本用意する作業が困難な場合は、すでに虫嫌いを克服している助手に、足を1本だけ取り外してもらいましょう。虫1パックなどの単位で購入すると、中には足だけになったものがだいたい含まれているので、助手の確保が困難な場合はこの方法も有効です。

②:①と同様に足1本を、しっかり目で見てから食べる。ここでは味についてもしっかり確認する(基本的に美味しいです)。
③:小さな虫(同様に小ぶりのイナゴ、コオロギなどが適しています)を1体、もしくは体の一部(下半身?だけなど)を目をつぶって食べる。

ある程度の大きさがあるので味がしちゃいます。なので、ここでは味わってしまいましょう。大丈夫。美味しいです。

④:小さな虫を1体、しっかり目で見てから食べる。可能であれば、裏っ側?の足の部分など、ちょっと気持ち悪い部分についてもしっかりと見る。

しっかりと見るのが難しい場合は、まずはチラ見でいきましょう。

この段階までくると、かなり虫に対する意識が変わってきているはずです。
少なくとも調理された虫は怖くなくなっているでしょう。

⑤:虫のサイズを徐々にアップさせていく。種類としてはコオロギ、バッタなど、最初に食べた虫と近い種類がいいでしょう。
5㎝程度までいければ十分です。
⑥:虫の種類を増やしていきます。カブトムシ、クワガタ、ハチ、G、クモ、いもむし等、これまで食べた虫から、少しづつ遠いカンジの虫をトライしていきます。

Gはもはやコオロギとかに近い部類なので、苦手意識はなくなっています。
昆虫学的にGなのかはわかりませんが、形が同じような虫は市場で普通に売っています。

クモはタランチュラのような大型のクモがエリアによっては購入できます。
カンボジアでは高級食材です。
カニのような甲殻類に近い味で美味しいです。

いもむしは比較的どこでも手に入りますが、触感が他の虫とはやや異なり、容易に想像できると思いますが、ぐにゃっとします。
中身もドロッとしており、やや臭みがある場合もあります。
ちょっとクセのある白子みたいなイメージです。

得られる効果効能

ここまで来た方は、すでにかなり強い虫耐性を手に入れているはずです。
気づいていないかもしれませんが、あなたの虫戦闘力は安物のスカウターをぶっ壊すくらいに高くなっています。

何なら、歩いている虫も食べ物に見えてしまい、美味しそうだな。などと考えているかもしれませんね。

Gを素足で蹴り飛ばすなんて、道端の石ころを蹴とばすのとまったく同じに感じているはずです。

実際に僕の場合も、このくらいまで来ると、ビールにハエが入ってもまったく気にならなくなりました。口に入らなければいいくらいの感覚なので、取るのも面倒くさくなってきます。

グラスの向こう側の壁にくっつけばそれでいいし、こっちに来ちゃったら指で取るか。
くらいのカンジです。

お出かけの際のトゥクトゥクのお供も、ナッツでも虫でもどっちでもよくなります。
最初に見えた屋台がナッツならナッツ、虫なら虫。
とにかく、ちょっと口寂しいから、早く何かつまませてくれ。となります。

どうでしょう。
虫嫌いなんて何てことないな、と思えてきたのではないでしょうか。

早く克服してみたいなとウズウズしている人もいるかもしれませんね。

このようにして、僕は医師として、日本人としての尊厳を守り、日々の生活を快適に送ることに成功したわけです。

2回に渡り、虫noteにお付き合いいただき、ありがとうございました。

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