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海外ボランティアシリーズ② ~虫嫌いを克服した話 前編~

僕は虫が嫌いです。
いや、嫌いでした。

ほとんどすべての虫が嫌いでしたが、やはりゴキブリ(以下G)は特別です。

Gが家に出ようものなら、冷や汗ものでした。
遠くからいなくなることを神に祈りながら、見なかったことにして寝てしまうことでやり過ごしてきました。

しかし、東南アジアで虫が嫌い、虫が怖いなんていうことは通用しません。

戦慄の出来事

ラオスでの活動を始めて1ヶ月ほどたったときのことです。

首都のビエンチャンから離れ、少し遠くの病院での医療活動のために、その病院の近くのゲストハウスに宿泊していたときに、事件は起こりました。

裸足で歩くゲストハウスの中、狭い廊下にやつは現れたのです。
そうです。やつです。Gです。

狭い廊下なので、やつが廊下を塞いでいると先に進むことができません。

もちろんスペースはある程度あるのですが、なんせやつらは非常に機動力が高いです。
何なら飛行能力も持っているので、横を通り過ぎようとしているときに、突然襲ってくる?可能性もあります。

やつの次の行動パターンは無数にあり、一瞬の油断も許されません。

剣の達人さながらに、僕がGと動きのない、意識の中での戦いをしていたとき、救世主が現れました。

現地のラオス人スタッフです。
通訳や、患者さんへの問診取りなどなど、様々な仕事をしてくれているパワフルだけど、小さなかわいらしい女性スタッフです。

女性に頼るのはどうなんだ、という意見は無視します。
こっちはそれどころではありません。

彼女は少しずつこちらに近づいてきます。
そして、僕がGを怖がっていることに気づき、そっとGを追い払って…

くれると思いきや、ここでさらに衝撃の事件が勃発しました。

なんと彼女は裸足の小さなかわいい足で、Gをこちらに向かって蹴り飛ばしてきたではありませんか!

神速の攻防

日向小次郎のタイガーショットばりのスピードで僕の足元に向かってくるG(体感です)。
ギリギリのところで殺せんせーばりのスピードでジャンプしてかわす僕(個人の意見です)。

そして、そのGをジダンばりのトラップから、さらに僕にキラーパスしてくる彼女(こう見えてます)。

無限とも思える時間、これを繰り返し(体感的には泣くほど長かったです)、まるで世界には僕たち二人だけになったような…

端から見ていれば、Gを怖がって叫びまくり飛び回る日本人と、それを面白がってGを蹴りまくる女の子がいるだけです。
そんなことは言われなくてもわかっています。

何を書いているのか段々わからなくなってきましたが、とにかく虫が嫌いだということ。
そして、ラオス人にはそのような感覚はまったくないようなので、このままではいろいろヤバいということです。

決意の夜

その日の夕飯の時に、その女性スタッフから事の顛末を聞いた、他のラオス人スタッフに、

「Gが怖いの?何で?あいつらが何かお前にできるの?」
「えっ!?医者でしょ?」
「なぜ?G?なぜ??」

と医者とかまったく関係のないことまで持ち出されディスられまくりました。

このままでは、日々の生活が危ぶまれるばかりか、医師としての威厳を失い、そして、最悪、日本人はショボいなんてイメージをラオスに植え付けてしまう可能性すら出てきたわけです。

これは何とかしなくてはいけません。

この日、僕は誓いました。

虫嫌いを克服すると。

続く!!

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