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「わたしの遊び」(詩)

人形遊びで演じたのは
誰を愛し
誰かを裏切る
時々 殺しにも手を差し込む
あまりに色の濃い花束のような生活を演じていた

木に登って顔を出す
空が少し近くなり
高い位置まで漕いだブランコ
天は近いと背中は頷いた
もうすぐ昇れなくなる故郷のように
触れようとしていた

死体ごっこ
遭難ごっこ
宇宙のひとりごっこに
世界の終りの神さまごっこ
あれもこれも孤独を愛していた

癖のつよい遊びをしていたのね
そう言われてばかりだったけれど
そうね 私
あの頃 不条理を遊んでいたの

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