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都市にこそ

今年の1月に渋谷のスクランブル交差点の大型ビジョンでソフィ・カルの映像作品『Voir la mer(海を見る)』が上映された。

ソフィ・カルの映像作品を夜の渋谷スクランブル交差点で上映。現場をレポ

以前鑑賞したことがある作品だったが、渋谷のスクランブル交差点という場所で見る作品体験は全く違うものに感じられ、開催中幾度も足を運んでしまった。聞くに、今回はビズリーチさんがスポンサーとなりこのプロジェクトが実現したそうで、タクシーに乗った時には広告を見る度に拝ませてもらっている。

スクランブル交差点のプロジェクトが、示したことは、アートプロジェクトが一見不可解な状況を創り出す力を持っているということと、特に都市において人を誘引/回遊させたいと考えるのであれば、ますます投資すべき領域だと思う。

今回のプロジェクトにおいては、深夜帯の1時間のみという「限定性」、渋谷のスクランブル交差点という「場所性」、鑑賞者の多くがSNSなどを通じて自身の体験を発信する(したくなる)「参加性」がうまくハマっていた。そして「〇〇芸術祭」のように銘打ち事前から街をジャックするのではなく、情報量の多い渋谷の深夜にひっそりと現れ、知らなければ出会えない「偶然性/秘密性」が良い状況を作り出していたように思う。

情報が溢れる都市における一つのアートプロジェクトの形として可能性を感じたし、深夜/早朝のスクリーンなどをああいう使い方をしていくことには大きなポテンシャルがあるように思う。

ある時、ある場所で、ある状況下でしか体験できないものにもっと出会いたい。きっとそういう都市が競争力を持つだろうし、魅力を放つ気がする。そんな都市がもっと生まれて欲しいし、そんな場所に住みたい。

そのためにはボトムアップを含めそういうことを推進してくれる人たちが必要だし、そのためのルールづくりも不可欠。

だからさ、みんな選挙行こうぜ。

#ソフィカル #渋谷 #都市 #選挙 #2019




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