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夢のまた夢レベルの夢を叶えた本当にあった話

アフガン難民の女の子に希望をもらった。

『ソニータ』
主人公の本名そのままの映画。

こんなことってあるんだ!という奇跡が1つ起きるたびに
彼女に立ち塞がる、慣習、性差、ルール。

これでもか、これでもか、あぁ映画撮影マジ終わるかも…と思ったら、
奇跡が起きる、そんな展開のドキュメンタリー映画でした。


彼女は最初から「ラップで有名になって社会を変える」ことを
全く疑ってなかったんですよね。

自分を貫いて映画の冒頭で語っていた、
あり得ない夢まで叶えてしまったんですよ。

かなわーぬーゆめはないんだ〜♫って昔、歌ありましたよね。
まさに、それ!


誰向けの映画か?

ティーネイジャーの女の子たちに観てもらいたいって思った。
この映画を撮影している時、ソニータは18歳。

多少の脚色はあったとしてもドキュメンタリーなので
社会の制約やしきたりに苦しむ彼女をみると、
(悩みは人と比較するものではないけれど)
私ごときの悩みって、解決の糸口があるものだなって思う。

ソニータの生活環境は恵まれていない。
ラッパーになりたいって夢を、兄たちに踏みにじられる。

最も衝撃だったのは実の母親が、ソニータが顔も知らない男性と
9,000ドルの結婚持参金で結婚させて、そのお金で
ソニータ兄の結婚持参金を捻出しようとしていたことだ。

ソニータを保護しているセンターの先生が母親に放った
「それって人身売買ですよ」
本当に同感。


母親に夢を応援されるどころか、兄弟のために
自分を売ろうとされるなんて、絶対耐えられない。

そんなことが世界のどこかでフツーに行われているのを知ってしまうと
本当に今ある環境に感謝しかない。

もし、私がこの映画を高校生の時に観ていたら
他人の敷いた、一般的に「いい」と言われるレールや
他人の言葉に惑わされることなく、
自分の内なる声を、もっと大事にして生きていたかもしれない。


あらすじ

アフガニスタン人のソニータは難民としてイランに滞在している。
行きたい国はアメリカ。(ちなみにアメリカとイランは敵対国)
マイケル・ジャクソンとリアーナの子どもになるのが夢。
(かわいい夢)


スクラップブックには、ステージで歌う女性の顔の上に
自分の顔を貼り付け、いつか観衆の前でラップを披露するのを夢みる。

でも現実は姉の家に滞在するも、義兄から家を出ろと脅され
途方に暮れているところから物語はスタートする。

恐らく映画関係者のコネで音楽プロデューサーを数人紹介されるも
「女性が歌う曲を録るリスクは取れない」
←イランでは女性は歌うことは禁止されている
「なんか、メッセージが足りない」と断られてしまう。


そんな時、アフガニスタンからお母さんがやってきた。
味方をしてくれるものだと思っていたら、
祖国に連れ戻し、結婚させるという理由だった。

このお家騒動に映画監督まで巻き込む流れとなり
ソニータの人生が急展開していく…

この後は、近所の自主映画イベントでご覧ください。
マジあり得ん奇跡ばっかりです。


ちょっとした映画の感想

映画関係者らが後ろで頑張ったこともあるんだろうって思う。
映画を撮影クルーたちと一緒に作り上げている感じが新鮮だった。

ソニータが母親に連れ戻される時、彼女と一時連絡が取れなくなる。
その時に監督が
「この撮影も終わりかも」とため息をついているシーンがある。


あ、シナリオないんだ!リアルなんだ!
次がどうなるのか本当に気になった。


もう一つ、映画監督がセンターの先生に
「あなたが頑張ればソニータを助けられるんですよね?」と問い詰められ
監督が言葉に詰まるシーンがある。

これのシーンの前に、監督はソニータに
「私は映画を撮るだけで、あなたの人生には介入できないの」
的なことを伝えているんですよね。

監督が映画の話に巻き込まれてるー!
ドキュメンタリーっておもしろーい!
予定調和で進んでいないことで、リアル感を引き立ててます。


そんなことを差し引いても、ソニータの才能と運の強さは際立っている。
まずこの映画の監督(女性)に見つけてもらった上に、
この子の映画を撮りたいって思わせるってなかなかないことだ。
(ちなみに彼女と出会った経緯はどこにも描かれていない)

本気の人に、人は魅了されるんだ。

この映画を見終わったあとは、誰もが
「私もがんばろ!」って思えるはずだ。



今、ちょうどイランでは
「ヒジャブをきちんとかぶっていなかった」
を理由に風紀警察に殺された(と言われている)
22歳の女性の一件で、国全体が揺れている。

どうかこの勢いが後退しませんように。

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