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キノコ採りは苦~い。懐かしい。

先日、カフェの駐車場の片隅の大きな切り株にキノコが大量に生えていた。
小さなカフェは昔は地域の郵便局だったところで、今でも田舎だが、お客が常時、滞在している。

祖母とキノコ採りの思い出

数日前も祖母と石炭のくず拾いの話をnoteに載せたが、キノコを見て、また祖母との出来事を思いだした。
キノコ採りの苦くも懐かしい思い出。
当時住んでいたのは奥会津の、冬は雪深い寒村。

学校から帰ったあとだったか、日曜日だったか。夕方出かけたので、多分学校から帰ったあとのことだったと思う。

祖母に誘われてか、自分がおねだりしたか定かではないが、自宅の裏の田んぼの向こうの山にキノコ採りに出かけた。

季節はもちろん、秋が深まったこの季節。
藁で編んだ籠をそれぞれに持っていたと思う。
祖母が目星をつけていた辺りだったのか、キノコの群生に出会った。 
祖母と二人で夢中になって採った。
あそこにも・・・ここにも。
ごっそりとキノコたちが連なって並んでいるその瞬間の快感。
そして・・・どれほどの時間が経っていたのか。子供には測れなかった。
気がついたら辺りは暗くなっていた。
籠の中に入り切れないほどのキノコを採って、祖母と意気揚々と帰った。

あの時のキノコの名前は覚えていないが、美味しいキノコだったのは間違いない。
「ただいま~」と自宅の玄関に入った途端、激が飛んだ。
「今何時だと思ってんの・・・真っ暗だよ~ばあちゃんがついていながら」

怒る。怒る。母が怒る。
玄関先で暗くなっても帰って来ない母親と娘を待っていた母の怒声。
うすら寒くなった晩秋の森で、徘徊していたわけだから、道に迷ったか、熊にでもであったか、怪我でもしたか。
尋常ではない心配をかけたのだから、怒り狂うのも当たり前のことだった。
おそらく私は涙を浮かべ、「ごめんなさい。」は言えたのだろうか。
祖母はどんな気持ちだったろう。
様子を見ていた妹たちはどんな顔をしてたんだろう。

たくさんのキノコをどのようにして食べたか、どんな味だったか、怒られたショックが大きくて覚えていない。

近所のお宅で咲いた冬桜


朝晩、冷え込みます。御身大切に。
今夜はキノコがたっぷり入った熱々のキノコ汁で温まってはいかが。















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