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彼岸には彼岸花が咲く

お彼岸が近いというのにこの暑さ。
天気予報では「熱中症警戒アラート」があちこちで出ている。
これでもか・・・という長い夏だった。

それでも朝晩は少し凌ぎやすくなったかと思われる。
耳を澄ませば虫の大合唱。

今朝、庭に出たら彼岸花が咲いていた。
数日前までは茎も見えなかったのにいつの間にかニョッキと生えている。
そして花が終わったころに葉が出てくる。
昔はお墓や田んぼの土手に咲いているのを見かけたが、我が家の彼岸花は土か何かで運ばれてきて、いつの間にか毎年花を咲かせてくれる。
鮮やかな赤が遠い風景を思い出させてくれる。
暦を見れば明日は彼岸の入り。

敬老の日

敬老の日というと思い出すことがある。
元気だった頃の母は、自治体が開催する「敬老の集い」に毎年仲間の方々と出かけていた。歌や民謡やダンスの披露もありお弁当や記念品も出て楽しく一日を過ごしてくるのだった。
帰って来ると楽しかったことや、出来事を余すことなく話して聞かせてくれた。
以下、20年前の母の話。
「お世話をしてくれたボランティアの人がね・・・私と変わんないくらいのお年の人なんだけどね。手をお引きしましょうかって手を差し伸べるの。
だからね。大丈夫です。自分で歩けますって言ってやった。
むっとしたよ。年寄りが年寄りに世話されてどうすんだ~と思ってね」

笑いながら言うので私も大笑いをした。「自分はまだまだ人の世話にならないで元気で居られる」という気持ちの表れだったと思う。
ボランティア方もどなたかのお役に立ちたいと思って頑張っていたと思う。

それが令和の今年、高齢者が人口の30%を超えたという。
自分もそうなのだが、映画館に行っても、スーパーに買い物に行っても、地域の催しに行っても高齢者が目につく。
昭和の時代に仕事や子育てや青春を頑張って生きてきた人たちだ。

高齢者が高齢者の世話をしたり、介護をするのは当たり前の時代になった。
軽口をたたいていた母も大腿骨骨折してから病院や施設のお世話になり、最後は自宅に戻り娘やツレと看取った。

千日紅の花が咲いた。明日は彼岸の入りなので仏壇に飾ろう。










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