女心と秋の空【短編完結】
ため息と共に始まったいつもの仕事も、終わってみればまた違うため息が漏れる。
まる1日、仕事という社会人の箱に閉じ込められていた鉛のような重い体と、棒のような足は少しむくんでいるのか。座って肘を突いてしまおうものなら、そのまま瞼が閉じてしまうかもしれない。
もうひと分張りと、帰宅のための鞭を体に入れる。
決して職場が暗いわけではないのだが、それでも屋外に出た瞬間の朝日のまぶしさには少し困惑させられるのだ。
トボトボと歩く駐車場までの道のり。決して仕事がうまくいっていない訳でも、